ミスティクス 7/29 ダラス戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
この記事は約12分で読めます。

1週間ぶりの試合。間があいて、さらに久しぶりの相手だったのでとても楽しみでした。

練習をさらにやり込んでどれだけ完成度が上がっているか、さらにシーズン序盤に2連戦があり星を分けていた相手なので、そこからどれだけチームとして成長しているかという見方もできる試合でした。

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試合前ニュース

ミスティクス

久しぶりにデレダン選手のいない試合となりました。この試合の2日後に控えるシアトルとの2連戦を優先するとのこと。それ以外ではもう1試合どこかで休ませるかもというコメントを見ました。体調次第になると思われます。

その他ニュース

デレダン選手、新しい代理人と契約

試合に直接関わることではないですが、デレダン選手が代理人を変更し新しくJessica Holtz氏と契約。NBAのデビン・ブッカー選手、カール・アンソニータウンズ選手のMax契約を結んだ代理人(女性)の方です。デレダン選手は2024年に「制限なしフリーエージェント」になるため、ここに向けての契約が今後注目されます。

制限なし、つまりどのチームとも自由に交渉でき、それまで在籍しているチームのオファーはその選手が受け入れない限り効力がないということ。なのでここで出て行かれてしまうとチームとしてはトレードなどで人を獲得できるわけでもなく、残るものがなにもなくなってしまいます。なので早めに延長契約をすることが予想されます。

同年にはクラウド選手、アトキンス選手も制限なしフリーエージェントになります。もちろん全員残したいはずですが。どうなるでしょうか。

その前に、来シーズンは(敬称略)、クラーク、キンブロー、ホーキンス、ウィリアムスが同様に制限なしFA。違うチームになってしまうのか、それともやりくりしてどうにかなるのか…。全員は残らなさそう🤔

町田選手については(ウェストブルック選手もおなじ)は来シーズン戻ってくるとしたらミスティクスの選手としてです。プレシーズンで怪我をして現在ミスティクスの施設でリハビリ中、ガードのクリスティン・ウィリアムス選手もいますので、来シーズンも簡単なロスター枠ではないですね。

Bitly

ブリトニー・グライナー選手について

ロシアに拘束されているグライナー選手。医療用として許可を認められているものを間違えてロシアに持ち込んでしまったという弁護団からの主張がされています(7月26日)。

その翌日27日には、グライナー選手ともう1人ロシアで捕まっている元海兵隊員を引き渡してもらう代わりに、アメリカで服役中のロシアの武器商人を交換で解放するという取引を持ちかけたが、受け入れられなかったということが明らかになっています。

リズ・キャンベージ選手について

キャンベージ選手が所属していたロサンゼルス・スパークスと契約をバイアウトという、またビッグニュースが流れました。

Chris Haynes (@ChrisBHaynes) on X
Yahoo Sources: Behind the scene events of the Liz Cambage, LA Sparks divorce that started off rocky from jump and ended ...

こちらの記事によると、64-86で敗戦となったラスベガス戦(本人は22分の出場で11点5リバウンド。移籍後25試合目)の後に素早く着替え「もう無理。あとは幸運を祈るわ」と言い残して出ていったそう。それが現地土曜日のこと。

そして火曜日にチームから公式にバイアウトが発表されました。

その前には代表の活動中、ナイジェリアチームとの練習試合において相手チームをモンキーと言ったとか、ロサンゼルスに入る時に背番号1をリクエストしたけど当時は他の選手が付けていた番号で、最初は断られたけど経営陣が間に入って彼女にあげたといった一悶着とか、コート外での話は度々取り上げられていました。

さらにこの記事によると、キャンベージ選手としてはチームメイトがポストにボールを入れようとしないという不満があり、逆にチームメイトからはターンオーバーがあった時にディフェンスに戻らないという声があり、チーム内での不和があったことが明らかになっています。

あれだけ能力のある選手で個人的にはグライナー選手が戻ってこなければ無双するかと思っていましたが、こうやってチームを転々としてしまうのは自分を曲げない方なんだなと感じます。

現時点ではどのチームも獲得しようとしていないようで来シーズン以降も難しそうな気はします。今後エクスパンションでチームが増えた時に新しいチームに即戦力として入るのはありかなと個人的には思いますがどうなるでしょうか。

備考

試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。

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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F マイーシャ・ハインズアレン
C シャキーラ・オースティン

1Q

デレダン選手の代わりにスタートを務めるハインズアレン選手が開始から積極的。ワンマン速攻、ドライブ、スリーと点を重ねていく。それ以外の選手もバランス良くシュートを決め、5分の時点でクラウド選手以外全員がスコア。

ベンチメンバーに代わるとオフェンスのリズムが少しおかしくなったところから、2連続で得点を決められるシーンもあったが、その後はいつものように集中したディフェンスを続け、残り3:37で相手を無失点におさえ24-14で1Q終了。

2Q

メンバーは(敬称略)

ルイ・マチダ
ティアナ・ホーキンス
エリザベス・ウィリアムス
アリエル・アトキンス
シャトリ・ウォーカーキンブロー

相変わらずのチームディフェンスで硬い守りを見せる。一方のオフェンスはリズムは多少おかしいながらも、これまで数試合PTがなかったホーキンス選手がドライブ、スリーと引っ張り、町田選手もディフェンス、アシストで貢献。

1Qから調子の良さを見せていたオースティン選手、クラーク選手がそれぞれAnd1、スリーと続けて気持ちよくシュートを決める。

しかし、オースティン選手が立て続けのファールで3ファールとなってしまう。そのファールに文句を言ったティーボーコーチにもテクニカル。その後も積極的のドライブする相手へのファールが続いてしまい、フリースローと、そのフリースローのオフェンスリバウンドから点差を詰められてしまう。

ここでクラウド選手のリーダーシップ。フリースローのオフェンスリバウンドを取られ続けていることから、チームに喝。直後のオフェンスではドライブし、オフェンスリバウンドを立て続けにとっていたダラスのマコワン選手の3つ目ファールを誘いベンチ交代を強いて、もらったフリースローも沈める。

相手の積極的なドライブには最後までファールを取られてしまうも集中は切らさずチームディフェンスを行い、オフェンスではアトキンス選手が2連続スリー。またディフェンスからキンブロー選手がフルコートでドリブルで持ち込み、ファールをもらいフリースローを決め56-36と引き離し後半へ。

3Q

開始は(敬称略)

ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
マイーシャ・ハインズアレン
シャキーラ・オースティン

マコワン選手が戻ってきたことから同選手のポストプレーや、彼女をスクリーンとしたプレーなどでダラスのオフェンスがハマり始める。

ミスティクスもクラウド選手のスリーやアトキンス選手のフリースローでスコアを重ねる。さらに、またもクラウド選手がマコワン選手に対してアタックし4つ目のファールを引き出し、一時交代に追いやる。(指示して完全にその形を狙っていた)

マコワン選手がいない間はミスティクスのチームディフェンスが機能していたが、これ以上離されるわけにはいかないダラスすぐにマコワン選手をコートに送り出す。

お互いファールがかさみストレスのたまる雰囲気。さらにフリースローばかりなので試合の進みも遅くなる。

ミスティクスとしてはこのクォーター10点しかとれず68-55と点差を詰められ最終クォーターへ。

4Q

メンバーは(敬称略)

ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
マイーシャ・ハインズアレン
シャキーラ・オースティン

マコワン選手の執拗なローポスト、オフェンスリバウンドを止められず、さらに点差が縮まる。

ミスティクスのオフェンスはマコワン選手を狙い続けた後(ファールを誘うため)に、逆サイドで攻めたところで同選手の5つめのファールを引き出す。

途中(というか試合を通じて)レビューでの中断時間や審判の遅いコールで集中しづらい雰囲気が続くくものの、ミスティクスはディフェンスでは出来るだけ相手にやりたいことをさせないディフェンスを継続。

オフェンスではピックプレーからクラウド選手のミドル、スリー、クラーク選手のポスト、オースティン選手のワンマン速攻でゆっくりながら着実に点を重ねていく。

2分を切りでオグンボワレ選手の連続スリー、マコワン選手のフリースローで再び点差を詰められるも相手のトラップに落ち着いて対応し87-77で試合終了。

1Q 24-14
2Q 32-22
3Q 12-19
4Q 19-22

Bitly
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気になったこと

スタッツから

  • (めずらしく)FG率でFGが56.4%、スリーが60%とミスティクスが高いシュート率だったことが大きいようです。
  • ミスティクスのシュート数は55本、対するダラスは73本打っているのが面白いですね。
  • アシストも20と多めで、効率良い、確率の良いシュートを選択していたことがわかると思います。
  • リバウンドは26-37と圧倒され、特にオフェンスリバウンドは17も取られています。さらにフリースローも27与えています。マコワン選手にだいぶやられたことがわかります。
  • 個人のスタッツを見ると、ミスティクスはスタート全員が二桁得点で、デレダン選手の不在をカバーしていますね。
  • 相手のスコアラーであるオグンボワレ選手、メイブリー選手を抑え、相手のやりたいプレーをさせない、スカウティングに則ったチームディフェンスが見られました。

ディフェンス

センターのティアラ・マコワン選手に終始苦しみました。


キャリアハイの27点に加え、オフェンスリバウンドは7取られています。201cm、108kgの25歳。今年からダラスに加入した選手です。(それまでインディアナ)

対するミスティクスはオースティン選手196cm、86.2kg。ウィリアムス選手191cm 90.7kgとサイズとウエイトでのミスマッチでした。

ハインズアレン選手が試合途中のインタビューで、チームで対応するしかないと言っていて、実際に複数でディフェンスリバウンドを試みていましたが、あのオフェンスリバウンドはすごかったですね。末恐ろしい選手です。タイプとしてはリズ・キャンベージ選手と同じタイプで、ミスティクスとしては苦手なほうだと思います。

特に後半からやられた4アウトのハイローではヘルプが寄れなかったのでファール以外にほぼ止めることができていませんでしたが、ボールへのプレッシャーを強くするなど対応を試みていました。

こんな中でよかったのが、それ以外の選手はしっかりと守ったこと。センターが崩れてそこにヘルプで寄りすぎたことでアウトサイドのスコアラー陣に取られて一気に崩れてしまう、ということがあり得るチームです。それはさせない、という意識がはっきりしていました。

オグンボワレ選手、メイブリー選手に対しては、どちらかにドライブさせる、その後ろはヘルプがしっかりと見せる、ピックにはハードショーディフェンスをする、といった決まり事を徹底していました。

オフェンス

バランス良くスコアを重ねていました。スタッツのところでも書きましたが確率の高いシュートを選べていたのと、休み明けは比較的皆さんシュート率がいい印象があります。

個人的にクラウド選手が重要なプレーをいくつかしていたと感じます。マコワン選手への意識的なアタックや、点が止まりそうなところでのミドルなど。ご本人はレイアップを何本か外し悔しそうでしたが、途中見せたリーダーシップはさすがだと思いました。

ホーキンス選手もここ数試合出場がなく心配でしたが、出れば+/-チーム一位の活躍。出場した選手が全員貢献した試合だったと思います。誰が出てもディフェンスが一定なのが素晴らしいですね。

町田選手

9分出場 、1リバウンド、3アシスト、0ターンオーバー、0ファール
投試なし。

ディフェンスと早い展開からのアシストで貢献していました。

マコワン選手が出ている時に早い展開に持っていってアウトナンバー作ってパス捌けそうと思いましたが終盤は出場せず。

最近の選手起用はだいたいパターンが出てきていますね。1クォーター途中でキンブロー選手とウィリアムス選手、その後少ししてから町田選手。2Q開始は比較的そのまま。3Qはスタートに戻して、その後は状況に合わせてキンブロー選手、ウィリアムス選手を交代で。プレーオフもこういった形が予想されます。

もちろんもっと出場してほしいですが、今の出場の仕方と出た時の試合内容は何かを無理にやろうとしていていないように感じますしとてもナチュラルにご自身の良さを出せているのではないかなと思います。

シアトル、コネチカットなど、ディフェンスが良いチーム、頭を使ってディフェンスしてくるチームに対しての再戦がありますが、どんなプレーを見られるか、とても楽しみです。

Bitly
Bitly

最後に

これでミスティクスは18勝11敗で4位のシアトルと勝ち負け数はタイになっています。そのため明後日とその翌日の2連戦で勝つと4位になりホームコートアドバンテージを取れる可能性が高くなります。

前回はこんな感じでした。

順位はここの上位争いだけでなく引き続きプレーオフがかかる6位〜8位も、もうどうなるか、全くわからない状態!面白い。

今日終わった時点での順位。詳細はこちらでみてください。

  1. シカゴ
  2. ラスベガス
  3. コネチカット
  4. シアトル
  5. ワシントン・ミスティクス
  6. フェニックス
  7. ロサンゼルス
  8. ダラス
  9. アトランタ
  10. ニューヨーク
  11. ミネソタ
  12. インディアナ

インディアナはもう望みなしのようです。ミネソタは8位まで2ゲーム差でちょっと厳しいけどギリチャンスを残している感じ。アトランタは後半にブレーキですね。フェニックスは終盤に勢いづいてきて残りそう。そして当たりたくないチームナンバーワン。キャンベージ選手がいなくなったロサンゼルスがどうなるか。ニューヨークも面白いので残ってほしい。

ミスティクスの残りの試合はこちらの7試合です(日本時間。@はアウェイ)

  • 7/31 午前1時 vsシアトル
  • 8/1 午前4時 vsシアトル
  • 8/3 午前8時 vsラスベガス
  • 8/6 午前9時 @シカゴ
  • 8/8 午前4時 vsLA
  • 8/13 午前8時 @インディアナ
  • 8/15 午前4時 vsインディアナ

もう半月で終わってしまうんですね。プレーオフも始まったら早いでしょうね〜。楽しみな気持ちと寂しい気持ちと。寂しいというと今シーズン限りで見られなくなる選手もいると考えるとしっかり見なければとさらに思わさせられます。ミネソタがもしプレーオフいけないのだったらレギュラーシーズンもっと見ないと😭

それでは、今回もありがとうございました!

Bitly
Bitly

これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊

https://wnba-japan.com/category/戦評

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