ミスティクスがどのようにルイ・マチダを称えたか(前編)

インタビュー日本語訳
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こちらの記事のフル日本語訳です。

Mystics honor Rui Machida on Japanese Heritage Day
For Rui Machida, Japanese Heritage Day was another game to prove herself. For her teammates, it was a time to celebrate ...

※長いので前編、後編に分けて投稿します。後編は途中まで終わっていますが、もう少し時間いただきます!

「人として素晴らしい人。」ミスティクスがどのようにルイ・マチダを称えたか。

By Jenn Hatfield(ジェン・ハットフィールド)

「ルイ・デイ!ルイ・デイを祝おう」ワシントン・ミスティクスのガード、シャトリ・ウォーカーキンブローは、町田瑠唯を称え、祝うために設定された日曜のジャパン・ヘリテージデイについて質問され、にやっとしてそう言った。質問に隣にいたエリザベス・ウィリアムスも微笑み、ウォーカーキンブローがその日を「ルイ・デイ」と呼んだことに笑った。

ウィリアムスが回答する際、ちょうどエレナ・デレダンが部屋に入ってきた。「入ってきなよ。今ちょうど私たちがどれだけルイのことが好きかについて話していたんだ」とウィリアムス。「ルイは本当にかわいい」とデレダンが返す。

選手たちは町田について聞かれると明るくなった。明るかったのはその場だけではない。ミスティクスが得意のディフェンス力を発揮し、70-57でミネソタ・リンクスに勝利を収めたこともあいまってこの日は終始お祭りのごとの雰囲気があった。リンクスのフィールドゴールを33.3%に抑え、16のターンオーバーを誘発し、そこから17点を得点につなげた。オリンピック銀メダリストであり、初のWNBAでのシーズンを過ごす5フィート4インチのポイントガードである町田は、ベンチから12:28出場し、2アシスト、1スティール、1リバウンドを記録した。

町田はThe Nextの質問に対し、通訳のミッキー・タケイ氏を介して試合についてこう言った。

「とても楽しみですし、ミスティクスがこの日(ジャパニーズ・ヘリテージデイ)を設けてくれたことにありがたく感じています」

ミスティクスのプレスリリースによると、町田に対する敬意を示すことだけではなく「日米の揺るぎない友情」を祝うために日本大使館とジャパニーズ・ヘリテージデイの共催に至ったという。東京2020オリンピックのトーチの展示や、願い事を叶えるという絵馬のコーナー、またハーフタイムには伝統的な日本太鼓のパフォーマンスがあった。場内に多少の空席こそあったものの、チケットは完売との発表。そして応援用のスティックバルーンが配られ、町田の一挙手一投足が注目、応援された。

「ファンお気に入り選手。」試合前にミスティクスのアシスタントコーチであるシェリー・パターソンは、オールスター選出経験のあるレネー・モンゴメリー(元選手。現在アトランタ・ドリームの共同オーナー。キャスターなども務めている)や、現ニューヨーク・リバティーのディディ・リチャーズを例に挙げて町田をそう表した。「試合に出てくると、プレーもっと観たいと思うような選手2人です。ルイも同様です。コートに出れば、観客をワクワクさせてくれる存在です。」

町田にとってはジャパニーズ・ヘリテージデイは自身のWNBAでの挑戦のうちの1試合であり、これまでの3ヶ月で築いてきた大陸を超えた絆を深める更なる機会だった。チームメイトにとっては、その場の雰囲気やその人の1日を明るくしてくれる人(=町田選手のこと)を祝う機会だった。

北海道出身の町田は、2月にミスティクスと契約を結んだ。彼女のバスケキャリアにおいて日本国外のリーグでプレーするのは初めてだった。29歳の町田は2011年からWJBLの富士通レッドウェーブでプレーし、2015年から日本代表でプレーしている。ミスティクスは数年前から彼女に目をつけスカウトしていた。

東京オリンピックで1試合平均7.2点、12.5アシスト、そして準決勝ではオリンピック記録となる1試合18アシストも記録し、一躍有名となった。

「彼女のスピードと意志、それ以外に得意な展開に持ち込まれると、彼女に追いつける選手はそう多くはいません」とアメリカ代表アシスタントコーチでありミネソタ・リンクスのシェリル・リーブは町田のオリンピックでのパフォーマンスについて言及する。「彼女は本当に速くて、パスをする判断もとても速い。日本とアメリカが金メダルをかけて決勝で戦ったのは彼女の功績が大きいと思います。」

町田がアメリカへ渡ることは日本で大きな話題となった。彼女の最初のプレスカンファレンスには世界から約80名の記者が参加し、日本のメディアからはチームに対し多くのメディア依頼が殺到した。日本でプレーしている際はチームキャプテンとしてメディア対応することもあったが、彼女に対しての注目は高まった。日本とワシントンでは13時間の時差があるにもかかわらず、多くの日本のファンがWNBAを観るようになっている。

町田は、スタッツに目立つ数字を残しているわけではないが、とても強い第一印象を残した。ミスティクスのナンバープレーを数日で覚えたことについて、アソシエイト・ヘッドコーチのエリック・ティーボーは「頭の良さというのは非常に貴重」と語った。それから町田はデレダンなどチームメイトの数名と通訳のタケイのサポートで個別に話をした。チームのことを学ぶため、ケミストリーの構築のためである。

「彼女と話した後は、彼女は私たちが話したことに加えてさらにプラスで何かをやってくれます。だから本当によく吸収するスポンジのようです」とデレダンは言う。

チームの正ポイントガードであるナターシャ・クラウドが5月にそう言っていたように、町田はもしかしたらWNBAで最も速い選手かもしれない。ダラスのヘッドコーチであるビッキー・ジョンソンは「彼女がこんなに速いとは気づかなかった」と言い、コネチカット・サンのヘッドコーチ、カート・ミラーは「彼女を表すのに速いという言葉以外見つからない」と表現した。

27試合を通じて、町田は平均13.0分の出場で1.9点、29.4%のシュート率、2.4アシスト、1.2リバウンドを記録している。キャリアハイの9得点は5月10日のラスベガス戦で投試8本のうち4本を決めてマーク。そして、6月5日のシカゴ戦でキャリアハイの9アシストを記録している。WNBAでのディフェンスに対してどんなパスが通るか通らないかということ、そしてその中で自分の強みをどのように発揮するか、ということを彼女は急速に学習している、とミスティクスのヘッドコーチのマイク・ティーボーは言う。

パターソンはこのように評価する。「彼女が試合に出るだけでエネルギーがうまれます。ルイとシャトリがコートにいるとより良いペースが生まれます。2人が動き回ってくれるので。そしてルイのディフェンスでのハッスルは周りに伝わっていきます。彼女がボールにプレッシャーをかけ、スクリーンをかいくぐり続け、さらにプレッシャーをかけ続けること、それがチーム全員の助けになっているんです。」

パターソンは町田とシュートの改善に取り組んでいる。パターソンもティーボーも町田は練習では確率よくシュートを打てていると言う。早く練習会場に来て、遅くまで残り、シューティングをする。試合中については、クラウドが以前に触れたようにパスばかりを考えるのではなく、「リングを一瞬でも見ること」が改善のカギのようだ。

「パスを好む選手であれば、フリーのシュートチャンスを逃したり、シュート中にパスの相手がちらついたりすることがあります。それがシュートの確率に影響していることもあると思います」と土曜にティーボーからのコメントがあった。

数日後、町田が1Qにスリーを2本打ったことはティーボーを喜ばせた。どちらも入らなかったが、1試合平均で2.5本のシュート投試を考えれば1Qの時点では多い数字である。ティーボーは「彼女の投試が増えるのであれば、日本の大使を毎試合招待したいと思います」と冗談を交えながら「シュートを狙う点では大きな進歩を遂げていると感じます」とコメントした。

(後半に続く)

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この記事はJenn Hatfieldさんの記事です。

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