WNBAのアワードが全て発表されました!
受賞者や以前の受賞者などを小ネタと共にご紹介していきます。
今シーズンから見始めた方、あまりWNBAに詳しくない方も、これを見るとWNBAで活躍する選手がなんとなく分かるはずです!
では早速書いていきます。
※注意書きがない限り各賞はメディア関係者56名の投票で選ばれます。
- WNBA Peak Performers Awards
- WNBA Kim Perrot Sportsmanship Award
- WNBA Basketball Executive of the Year
- Kia WNBA Rookie of the Year
- WNBA All-Rookie Team
- WNBA Coach of the Year
- Kia WNBA Most Improved Player
- Kia WNBA Sixth Player of the Year
- Kia WNBA Defensive Player of the Year
- WNBA All-Defensive First Team & Second Team
- Kia WNBA Most Valuable Player
- All-WNBA First Team and Second Team
- 最後に
WNBA Peak Performers Awards
Peak Performers Awardsというのは各スタッツのリーダーが受賞する賞です。
得点王
得点王はブリアナ・スチュアート選手(シアトル)平均21.8点で受賞。
キャリア初の得点王です。また同選手は今シーズン、キャリア累計3,500点、1,500リバウンドを最速(最も少ない試合数の174試合)で達成するという記録もしています。28歳でキャリアの成熟期にあるのかなと思います。(まだまだ無双を続けそうです)
ちなみにラスベガスのケルシー・プラム選手が20.2点で2位、フェニックスのスカイラー・ディギンススミス選手が19.7点で3位、以降の順位にもガードの選手が入り、昨シーズンフォワードやセンター中心だった得点ランキングが変わりつつあります。
NBAもアウトサイド、スリーが中心というトレンドがWNBAにも訪れているということですね。アウトサイド中心のトレンド以降はどんなプレースタイルがくるかという話題もあります。
WNBAも背が高くて器用な選手が多くなってきて、更に今後もレベルが高くなっていくでしょう。
日本の選手も変わらず挑戦してほしいですね。オールラウンドがトレンドではありますが、町田選手のように特化型もチャンスがあると個人的には思っています。パスの能力、シュートの能力など。
リバウンド王
リバウンド王はシルビア・ファウルズ選手(ミネソタ)平均 9.8 リバウンドで受賞。
キャリアで3度目の受賞です。今シーズンで惜しまれ引退された選手で、キャリア通算4,006リバウンドを記録しています。4000リバウンドに達した初の選手です。
2位はファイナルで奮闘中のラスベガス アジャ・ウィルソン選手。9.4本です。
昨年2021年は同じくファイナルで戦っているコネチカットのジョンケル・ジョーンズ選手が11.2本で受賞。2位にファウルズ選手10.1本でした。
得点の分野とは違ってこちらは「ザ・センター」というプレースタイルのファウルズ選手が受賞です。彼女がいなくなった後は正統派センターは誰が継ぐのか。ウィルソン選手はもうスリーも決めはじめちゃっているので個人的に別枠(センターとしても圧倒的なんですが動きがもうフォワード💦)。正統派は、無事に戻ってくるグライナー選手、そしてミスティクスのシャキーラ・オースティン選手にもあんな選手になって更に超えていって欲しいと思います👏
アシスト王
アシスト王はナターシャ・クラウド選手(ワシントン)平均7.0アシストで、キャリア初の受賞です。
出場した34試合のうち29試合において5アシスト以上を記録しています。
これまで5度アシスト王を受賞(2015年から2021年まで2016年を除き連続受賞)しているコートニー・バンダースルート選手が6.5本で2位。3位はイオネスク選手で6.3本でした。
WNBA Kim Perrot Sportsmanship Award
最もスポーツマンシップにのっとってプレーする選手に贈られます。
Kim Perrot氏は今はなきヒューストン・コメッツで2度の優勝を経験した165cmのポイントガード。優勝の翌年1999年の冬にがんが見つかり同年夏にお亡くなりになった方です。その方にちなんでこのお名前がついています。
誰からも愛されるシルビア・ファウルズ選手が受賞。ゴール下の支配者っぷりとは正反対のオフコートの穏やか、優しさが有名です。
同賞は2019〜2021年はロサンゼルスのネカ・オグミケ選手(この選手が審判に文句をいっている姿を見たことがない)。
その前の2017、2018はスー・バード選手が受賞しています。さらに遡ると2014年に元ラスベガスのHCベッキー・ハモンコーチが選手時代に受賞しています。(面白い!)
その他スタッツ王
スティール王:ブリトニー・サイクス選手(ロサンゼルス)の平均2.0スティール
ブロック王:アジャ・ウィルソン選手(ラスベガス)の平均1.9ブロック
このあたりはPeak Performerとは呼ばれず、トロフィーなどはないと思います。チームとの契約でボーナスがあったりするかな。
他おもしろスタッツ王
1試合平均出場時間:1位、2位がなんとどちらもフェニックスの選手。
- 34.0分 スカイラー・ディギンススミス選手
- 33.4分 ブリアナ・ターナー選手
ファール王:こちらもフェニックスの選手が1位、2位。(うまいファールの使い方はタウラシ選手から学んだんでしょうか🐐 )
- 3.4回 ソフィー・カニングハム選手
- 3.3回 ダイアモンド・ダシールズ選手
なんだかフェニックスの波乱万丈シーズンを表しているようです。本当にお疲れ様でしたとあらためてお伝えしたいと思います。
ダシールズ選手が代表でイキイキしている姿や、ディギンススミス選手がモデルのお仕事をSNSで発信しているのを見て、ホッとしているというか安心というかそんな気持ちになっています。
他にもスタッツを見るのが好きな方はWNBAのサイトを見てみてください↓😊
年(SEASONというところ)を選択すると過去の数字も見られるので面白いです。
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記事の途中ですが…W杯を前にこちらもう一度拝読しています。
まだの方はおすすめです↓😊
WNBA Basketball Executive of the Year
エグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーは各チームのエグゼクティブ1名が投票し、選ばれます。
ジェームス・ウェイドHC(シカゴ)が受賞されています。
2021シーズンに優勝し、その後のオフシーズンにベルギー代表の2人と、ドラフトされず国外リーグで活躍していたレベッカ・ガードナー選手を獲得。そして主力のバンダースルート選手、クイグリー選手、コパー選手との再契約に成功。
プレーオフではコネチカットに敗れて敗退してしまいましたが、美しいチームバスケでレギュラーシーズンを2位の成績で終えました。
来年パーカー選手が戻ってきてくれることを願って(引退の可能性がなくもない)、リベンジして欲しいですね。
(🐍私のコメントが全部のチーム、選手を応援しているコメントになってしまうのですが、実際そういった気持ちなのでお許しを💦🙏)
Kia WNBA Rookie of the Year
「Kia」というのは韓国の自動車メーカー。WNBA、NBA、Gリーグの公式自動車パートナーであり各賞のタイトルパートナーです。
ライエン・ハワード選手(アトランタ)が受賞しています。
平均16.2点、4.5リバウンド、2.8アシスト、1.6スティールという個人成績で、どうスタッツはルーキーでは得点、アシスト、スティールで1位、リバウンド6位でした。(圧巻のスタッツですね)
ルーキー・オブ・ザ・マンスもすべて受賞し、リーグの他の選手からの評価も高く、これからリーグを代表する選手になっていくでしょう👏W杯でのご活躍も楽しみですね。
シーズン序盤にはサプライズチームとして上位にも食い込んでいましたが中盤、終盤に主力選手の怪我もあり、失速。プレーオフに後一歩及ばずでした。今後、元選手のライトHCの元、ハワード選手を中心としたチーム作りが楽しみです。
WNBA All-Rookie Team
ルーキーベスト5は、左から(敬称略)
- シャキーラ・オースティン(ワシントン)
- クイーン・エグボ(インディアナ)
- レベッカ・ガードナー(シカゴ)
- ライエン・ハワード(アトランタ)
- ナリッサ・スミス(インディアナ)
ちなみに昨年以前はこのページにありました。面白い!
ビッグネームというか各チームのエース、主力のお名前がたくさんあります。ルーキーチームが登竜門的な感じなんでしょうか。
ミスティクスからもアトキンス選手(2018)、キンブロー選手(2017)、デレダン選手(2013)等のお名前が。そして2015年には渡嘉敷選手のお名前もあります👏
でもよく見ていくと、登竜門ではあるけど、いなくなった選手もそこそこいて、WNBAが狭き門であるということをあらためて感じます。
WNBA Coach of the Year
ベッキー・ハモンコーチ(ラスベガス)が受賞。
ラスベガスを現代風の超オフェンシブなチームへと変貌させて、フランチャイズ記録となる26勝でレギュラーシーズンを1位で終えています。現在もファイナルで戦っていますね🔥
元WNBA選手としての受賞は3人目とのことです。
記者会見でも選手から信頼されていることがわかります。選手としての背景やNBAでのアシスタントコーチの経験が遺憾無く発揮されています。
そのうちNBAで女性初のコーチになるでしょうね。かっこいい。
ちなみに昨年はコネチカットのカート・ミラーHCが受賞しています。
歴代受賞者はこちらから↓
Kia WNBA Most Improved Player
ジャッキー・ヤング選手(ラスベガス)
2019年にドラフト1巡目指名されたヤング選手。その指名が疑問視されていましたが、ハモンHCの育成や戦略がマッチし、開花。今シーズンは初のオールスターにも選ばれました。
1試合平均のスタッツは15.9点、4.4リバウンド、3.9アシスト、1.4スティール、スリーの確率は43.1%を記録。アシスト以外でキャリアハイとなっています。
その中で特筆すべきはスリーポイント。外から打てるようになったことで、彼女がボールを持っている時だけでなく、オフボールの際に他の選手にヘルプが寄れなくなり、スペースを広く使えるというラスベガスの戦略に貢献しています。
Kia WNBA Sixth Player of the Year
ブリオナ・ジョーンズ選手(コネチカット・サン)が受賞。
現在もファイナルで身体を張っているジョーンズ選手。昨年はMIP、今年は6thプレーヤーの受賞となりました。
昨年はアリッサ・トーマス選手がシーズンをお休みされたのでスタートでご活躍されてのMIP、今シーズンは同選手の復帰に伴いベンチ選手に戻り、スタート選手のような存在感を見せつけています。
今シーズンのスタッツは、平均13.8点、5.1リバウンド、フィールドゴール56.9%とコネチカットには欠かせない選手。2年連続のオールスターにも選ばれています。
Kia WNBA Defensive Player of the Year
アジャ・ウィルソン(ラスベガス)がキャリア初の受賞です。
スタッツとしては、平均1.9ブロック、ディフェンスリバウンド7.6本、1.4スティールを記録。
オフェンスの破壊力が注目されるラスベガスですが、ディフェンスではこの選手のゴール下のヘルプがあることが大きな存在になっています。
抜けた、と思ったら彼女がブロックするというシーンがプレーオフでも何度でもありました。
今年はラスベガスの選手、コーチがたくさんの受賞をされるシーズンとなりました。(このまま優勝してしまうのかな〜)
WNBA All-Defensive First Team & Second Team
ディフェンスベスト5のファーストチームは左から(敬称略)
- アジャ・ウィルソン(ラスベガス)
- ナターシャ・クラウド(ワシントン)
- シルビア・ファウルズ(ミネソタ)
- ブリアナ・スチュアート(シアトル)
- アリエル・アトキンス(ワシントン)
ディフェンスのセカンドチームは左から(敬称略)
- アリッサ・トーマス(コネチカット)
- エジ・マグべゴー(シアトル)
- ジョンケル・ジョーンズ(コネチカット)
- ブリトニー・サイクス(ロサンゼルス)
- ギャビー・ウィリアムス(シアトル)
ミスティクスのお二人がファーストチームでした。アトキンス選手はドラフト以降全ての年でディフェンスチームに選ばれています。
クラウド選手はアピールしたのも効いたと思います(悪い意味でなく)。ディフェンスが良くて漏れた選手がたくさんいて、こういったチーム選出系はいつも賛否両論ありますね。
ポジションごとに選ばれるのでちょっと偏ってしまうのが否めないですね。
(個人的推しのアリーシャ・クラーク選手はルーキー賞のライエン・ハワード選手を唯一シャットアウトできる選手だと思っていましたが、目立たないのがなぁ。スクリーンの抜け方とか相手を研究しつくしている感とかもっと評価されて欲しい〜)
Kia WNBA Most Valuable Player
MVPは、最後までシアトルのスチュアート選手とどちらが選ばれるかと言われていましたが、ウィルソン選手がキャリア2度目の受賞となりました。
ファイナルでも無双っぷりを発揮中。スリーも打てるようになったことに加えて、コンタクトがあってもねじ込むフィジカルさ、ミドルシュートの正確性、鬼の体力。弱冠26歳で、末恐ろしい選手です。
昨年受賞者はコネチカットのジョンケル・ジョーンズ選手なので、ファイナルでMVP同士が戦っているという構図になりますね。
ちなみに、2020年のウィルソン選手の受賞を間に挟んで、2019年はミスティクスのデレダンが受賞し、その後チームを優勝に導いています。同選手は2015年にシカゴに在籍していた時にも受賞しています。
その他過去の受賞者はこちら↓
All-WNBA First Team and Second Team
オールWNBAチーム(ベスト5)ファーストチームは(敬称略)
- アジャ・ウィルソン(ラスベガス)
- ブリアナ・スチュアート(シアトル)
- ケルシー・プラム(ラスベガス)
- スカイラー・ディギンススミス(フェニックス)
- キャンデース・パーカー(シカゴ)
セカンドチームは
- アリッサ・トーマス(コネチカット)
- サブリナ・イオネスク(ニューヨーク)
- ネカ・オグミケ(ロサンゼルス)
- ジョンケル・ジョーンズ(コネチカット)
- シルビア・ファウルズ(ミネソタ)
ここも複数名選ばれるので賛否あると思いますが、スタッツとかチームへの貢献度が評価されてこういった投票結果になっていると思います。
デレダン選手は実力、スタッツ的には入ってもおかしくないですが、やはり欠場数が響いている気はします。
個人的にはフェニックスのディギンススミス選手、LAのネカ・オグミケ選手が選ばれたのが嬉しいかな〜。偏りなく選ばれた感じが。
ちなみに過去の選出はこちらです↓
最後に
まだプレーオフは途中ですが、全部のアワードが発表されて、いよいよシーズンが終わるんだという実感がじわじわと…。プレーオフは本当に勝ち負けで一瞬で終わってしまう感がありますね。
個人的には今シーズンで引退してしまった(過去形なのがさらに悲しい)シルビア・ファウルズ選手がたくさんの賞を受賞されて、最終年にも関わらずこういった成績を残されていることに心を打たれています。
シカゴのキャンデース・パーカー選手が自分の求めるレベルでプレーできなくなったら引退する、と明言していますが、ファウルズ選手もきっとそうなんだろうなぁと思います。
(しかしオールスターでダンクするとは😆)
そしてスー・バード選手も、最後となった試合後会見で身体の調子はとても良いが心残りや迷いは一切ないとおっしゃっていました。それだけWNBAでプレーすることは精神的にも肉体的にも本当に厳しいことで、それを15年、20年とトップレベルで続けてきたお二人はレジェンドとしてこれからも後世に伝わり続ける選手となると思います。
シアトルのブリアン・ジャニュアリー選手も、このレジェンド2人の引退でかなり霞んでしまっていますが、優勝も経験し、ディフェンシブ・プレーヤーとして素晴らしい選手でした。優勝したインディアナのチームで最前線でボールにタイトにディフェンスしていたジャニュアリー選手が記憶に残っています。GOATであるバード選手、タウラシ選手が、一番ディフェンスつかれて嫌な選手、ということも言っていました🔥個人的にも好きな選手でした。
ベテランのキア・ボーン選手も今シーズンでの引退を表明されましたし、もしかしたら他にもこれで引退の方がいらっしゃるかもしれません(その発表が恐ろしい)。その方々にはこの狭き門であるWNBAに入られ、プレーするというすごい達成をしたことの賛辞を送りたいのと、お疲れ様でしたとお伝えしたいと思います。(偉そうに聞こえたらすみません、そんなつもり一切ないですので。)
過去の受賞者一覧を見ても、これまでの歴史を感じますし、ルーキーが毎年いて引き継がれていくこと、そしてどんどんと狭き門になっていくことを感じます。(課題がありながらもエクスパンションがそのうちありそう)
今シーズン最後の賞として、ファイナルで決着がついたら試合後すぐにファイナルMVPの発表があります。
ラスベガスがこのまま勝てばウィルソン選手かグレイ選手。コネチカットがここからひっくり返せばアリッサ・トーマス選手になるでしょうか。
まずは(まずはという表現で正解となりますように!)Game 4、9/19 (月祝) 5AM〜楽しみです!
それでは今回もお読みいただきありがとうございました。
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