【おめでとうラスベガス】WNBAファイナル Game 4 試合内容と記者会見

2022 Playoffs
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ラスベガスがGame 4を78-71で勝利、シリーズ3-1でコネチカットを破り、フランチャイズ初の優勝を手にしました!

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Game 4 振り返り

この段階で細かい戦術やプレーについて語ってもなぁという気持ちなので、簡単な振り返りのみに留めて、思ったことを書いていきます。

もうお互い奇襲という奇襲はGame 3までに出ていて、それをお互いどう組み合わせてくるか、両コーチの言葉をお借りして「チェスのゲーム」のように読み合い、対策し合い、といった内容だったと思います。

前半までは30-28(ラスベガス2点リード)とロースコアでコネチカットのペースではあったのですが、後半のスコアを見ると48-43とスピードアップ。最後にラスベガスの展開となり、勝利を引き寄せた形となりました。

これまでにも出てきた、ラスベガスのスモールラインナップに対してコネチカットの超ビッグラインナップや、ラスベガスのグレイ選手の苦しいとことでのクラッチシュート、コネチカットはセンター陣中心にコートニー・ウィリアムス選手の思い切りの良いプレー。

シーズン最後の試合(結果的にそうなったんですが)として、お互い出来ることをやり合って、出し尽くして互角の状況が続き、最後は疲れも出てきていたようにも見えました。

Game 4で最後の決め手となったのはラクィーナ・ウィリアムス選手のスコア面での活躍。今シリーズGame 1〜3においてはベンチからの出場でそれぞれ3点、5点、3点だったのが、今日の試合では17点、特に4Qにスリー2本を含む10点とクラッチぶりをみせ、4Q最後にラスベガスが引き離しました。

最後の最後にコネチカットが負けを受け入れた(諦めたという言葉は使いたくない、別のいい言葉はなんだろう)ときの辛さたるや😭 多少入れ替わりはありますが主力がほぼ同じでここ数年戦ってきたコネチカット。これまでも惜しいところで敗退してきています。このチームで優勝してほしいなぁ。

一方のラスベガス。シーズン前に優勝を予想した人がどれだけいたでしょうか。MVP、ディフェンシブプレーヤー・オブ・ザ・イヤー、MIP等を受賞された選手たちによる圧巻のシーズンでした。

そしてそれを率いるコーチ・オブ・ザ・イヤーのハモンHC。選手たちの持っている良さを活かし、育成し、優勝まで達成したのは本当に素晴らしかったです。就任初年度の優勝、元選手のヘッドコーチの優勝は史上初だそうです。(元選手というのが個人的にはまた嬉しい)

個人的にはこのラスベガスのプレースタイルは今後WNBA各チームのプレースタイルに大きな影響を与えると思います。女子でも1on1ができる能力の高い選手が増えていますので、スペースを広く取り、アタックする、全員が外から打てるというスタイルです。ハモンHCは元NBAチームのアシスタントコーチで、そこから取り入れた形。WNBAにとっては革新的な導入となり、お見事でした。

これからは誰もがスリーを打てるような時代、ポジションレスな時代になっていくことを感じます。同時に今回勝ち残った2チームはペイントエリアも強く、外も中も重要というのが当たり前かもしれないけど面白い部分ですね。

まだ終わったばかりですが来シーズンは各チームどんなチーム作りをしてくるでしょうか。これからのオフの動きもありますし、今からとても楽しみです。

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インタビュー&会見

ラスベガスの選手(ウィルソン選手とグレイ選手)の会見は歓喜が溢れていて(&アルコールが入っているのもあり?)で文章にするのが難しいので試合直後のインタビューを交えていきます。

ラスベガスはこれまでの引き締まった表情から一転。嬉しさが爆発しているのが印象的です。コネチカットは特に選手陣は辛そうだな。

ハモンHC

このグループを誇りに思う。アウェイだったしタフな試合になることは予想していた。本当にハッピー。

トレーニングキャンプからこれが目標だった。負けない心を持つ強い選手ばかりで私は恵まれている。この5、6ヶ月でチームとして成長し、今日は違う場面で異なる選手がステップアップした。その面が私たちが簡単にはやられない理由。

信じることでいい結果につながると言っていたが、今日の結果がそれを表す?

私がこのチームは特別なチームなれると選手たちを信じ続け勇気づけることを続けた。選手としてはもちろん素晴らしい選手が揃っているが、同時に面白い選手ばかり。コーチとして楽しんだし、一緒の時間を過ごすことを楽しんだ。それぞれの選手にストーリーがあるが、こうして同じゴールに到達できたことは本当に嬉しい。

今の感情は?

言葉に表すのは難しい。現実味がない。この仕事を12月に受けた当初、このロスターを見てビジョンがあった。オールスター後に不調があり、そのまま上手くいかないことを受け入れるか、立ち上がるかという状況があった。選手たちはもちろん立ち上がった。

チームにはリーダーシップ、プロフェッショナリズムが溢れている、そして素晴らしい人で溢れている。家族のような環境にしたいと思っている。幸せであればより選手としてもよりよくなれる。ラスベガスの文化として、選手が加入したいと思うような、個人でできること以上の特別な何かを成し遂げるチームの一部になりたいと思ってもらえるような文化を作っていっている。

現実味がないが、1週間後に連絡くれれば答えられるかな。

このチームを作り上げたことについて

優勝チームを作るために最初に必要なことは、お互い頼れるという雰囲気を作ること、個人のもの以上に大きい共通の目標に向けて気持ちを一つにすること、そしてコミットすることも必要。私からそれぞれの選手に対して信頼し高い期待をし、彼女たちはそれに応えてくれたと思う。それぞれの役割や期待することを明確にした。一人が3人のディフェンスの上からシュートすることはなくボールをシェアする。正しい方法でプレーし、みんなで勝利する。勝利すれば万事が上手くいく。

ラクィーナ・ウィリアムス選手の活躍について

スモールラインナップにしていた。オフェンスで大きい選手につかれている選手からピック&ロールを作ることでどこかがあくようになる。彼女はGame 3ではシュートが入らなかったが、Bay Bucketsというニックネームは伊達ではない。持つ能力は高く、私も彼女に自信を持っている。誰につかれていたにしても彼女がいずれあくと思っていた。

試合終了後に一度コートに戻ってきた理由はなんだったか

覚えていない。それよりもカートミラー(コネチカットHC)の元に早く行ければよかったと思っている。彼に対しては大きな尊敬の気持ちを持っている。彼のチームはタフさをどこよりも持つチームで、カートとコーチスタッフ陣に大きな敬意を払いたい。Game 3で大きな調整をしてきた。こちらはスモールラインナップをした。お互い止められないという展開だった。

ラスベガスのメンバーは小さいが、粘り強く集中することで、心と頭でプレーするよう最初から伝えていた。

「人から選ばれないことに慣れている」と言っていた中、初年度優勝となったが?

何かが間違ってこの人生だったとは思わない。今まで起こってきたキツイことすべては私の中で何かを形成し、重要なものになっている。選ばれないことやケガすることなど、その瞬間はキツイが、人生で必要なこと。私にとっては誰かが間違っていることを証明するためにやっているのではなく、自分が正しいことを証明するためにやっている。ご存じでないかもしれないが、他の人に選ばれなかろうが、嫌われようが関係ない。自分のことをするだけ。前に進むだけ。

オフェンスが注目されるがディフェンスについて

昨年のラスベガスの映像を見たり、自分の引退後の8シーズンを振り返ったり、何かと何かを組み合わせるということだった。(NBAの)ステフ・カリー、ダミアン・リラードに対してスパーズでは色々なディフェンスを行った。それもできると思った。もっとも大きいのは選手たちがやろうと信頼、同意してくれたこと。コーチとしてどんなことを取り入れるにしても、選手たちの信頼がなければ意味がない。終盤ではグレイがそのディフェンスを味方に指示出しすることもあった。面白い戦術だと思うし、スイッチが多く発生するので、選手が集中することにつながる。

サンアントニオから移転してラスベガスにきているフランチャイズ。関係してきた人がリンクしていることについて。

私の番号が永久欠番になって、(新しいラスベガスの)オーナー陣と話すことがあった。その時はラスベガスのヘッドコーチになるとは全く思っていなかった。12月にそういった話をするまでは。(ここでウィルソン選手、グレイ選手が突入してきて終了)

ウィルソン選手

人生初めてのWNBA優勝ですね

本当に素晴らしい。チームで戦い切った。跳ね返す力を持って、お互い支え合いチーム一丸を貫いた。私たちはチャンピオン!

出場時間が長いことについて

優勝するためにオフシーズンに取り組む。チームメイトと一緒に戦うためしっかりと身体を作りたかった。そしてチェルシー・グレイのようなポイントガードがいれば、自分は何かを心配する必要が全くない。

ラスベガス初の優勝です

これが私たちが成し遂げたこと。本当にハッピー。

グレイ選手

プレーオフの毎試合素晴らしい活躍でした

昨シーズンの敗退の感情を味わいたくなかった。チームメイトは素晴らしい。私は本当に一所懸命取り組んだ。試合中はただ必死に打って入ってくれという気持ちだった。

キャリアに関わるようなケガからの活躍です

チーム、ワイフ、両親に感謝している。チームの支えがなければこんなことはできていなかった。ここまで本当に必死に取り組んだ。この持っているトロフィーも素晴らしいが、あの優勝のトロフィーが獲得できた。

オールスターには選ばれなかったがファイナルMVPですね

優勝リングを手にすることができたのでもう満足。

ミラーHC

ラスベガスにおめでとうと言いたい。特にベッキーとは長く知り合っている。コネチカットが戦い抜いたことを誇りに思う。お互いどちらのオフェンス、ディフェンスも激しい戦いで、コネチカットは奮闘したと思う。最後にはコネチカットのビッグラインナップと相手のスモールラインナップでチェスのゲームのようなやり合いになり、最後はラスベガスの8-0ランで試合が終わった。素晴らしい試合だった。

4シーズン連続でファイナルもしくはセミファイナルでの敗退だが?

勝ちたいという気持ちが大きいのでツラい気持ちが大きい。心と魂をかけて戦ってきた。ツラいということは特別なことだったということ。

アリッサ・トーマスが2試合連続でトリプルダブル

まだ終わったばかりで感情がまとまらないところだと思う。アリッサは戦い、素晴らしかった。時にチームを背負って戦ってくれた。

ビッグラインナップについて

3人のオールスター選手を一緒にコートに入れるということだが、3人はディフェンスも良い。サイズで相手を圧倒することなどの作戦の面もあったし、同時に何年もこのチームで戦ってきた核となる3人。試合がチェスのゲームになることはわかっていて、相手がスモールラインナップを多く取り入れてくることは分かっていたので、チームでどう対応するか話し合った。ラクィーナが今日はビッグシュートを決めたということ。

このチームが意味すること

3連続プレーオフを逃していて、そこから継続的に良いシーズンを続けている。継続的というのは特別なこと。アリーナに優勝バナーを飾れるよう必要なことを探し続け、戦い続けたい。

プロレベルでコーチすること、ベッキーと対戦することについて

ラスベガス、シカゴとのシリーズは特別だった。それぞれとのチェスのゲーム。それこそコーチの仕事で最も面白いこと。世界最高の選手をコーチして、チームやコーチ陣と長い時間を過ごし、相手をすカウディングし対策、準備すること。それに勝ることはない。

ガードとガードのスクリーンが守りづらかった理由。

スイッチすることでマッチアップが相手に有利になる状況がうまれ、守りづらくなる。NBAの戦術を導入してそれが守りづらくなった。

この年の特徴は?

ファイナルで、素晴らしいオフェンス力を持ちMVPを抱えコーチ・オブ・ザ・イヤーのチームなど賞を受賞したチームと戦ったこと。今は心が痛むが、素晴らしい空気だった。ファン、フロントオフィス、フランチャイズを誇りに思う。そう感じるのに時間はかかると思うが、誇りに感じる。

プレーオフに入り、負けたら敗退という追い詰められての試合はこれで5試合目だった。これまでどう準備してきたか。

メンタル面でのタフさ。誰かに無理だと思われる状況で戦い抜くチーム。コート上に全て残したと思う。

ナティーシャ・ハイダマンの成長

素晴らしい年になったと思う。MIPにふさわしい。正PG、リーダーがケガでいなくなり、厳しい状況ながらうまく対応した。このリーグでスタートPGとなれることを証明した。彼女は今後も輝かしい未来が待っている。

コートニー・ウィリアムスの存在について

シュートを決めてくれる存在。オフェンスでスパークをしてくれる選手を必要としていて、カギとなる場面で活躍してくれる選手。さらに素晴らしいことは彼女はポジティブな力をチームにもたらしてくれること。コート外の行いで評判が悪いようだが、コーチしていて楽しい選手であり、チームメイトとしてはプロレベルで出会った選手で最高のチームメイト。バスケをいつも楽しんでその雰囲気をいつも持っている。バスケは彼女にとって仕事でなく、とにかく楽しんでいることのように見える。そしてそれが周りに伝染する。彼女が練習に来るだけで笑顔になれるという存在。

ウィルソンはどうコネチカットを苦しめたか

オフェンス能力がそろっていて、コネチカットとしてはオフェンスのスペースをつぶすことを意識するが、オフェンスの武器が多くあることで苦しめられた。その武器の一人。

チェスゲームで、ローテーションのミスがありラクィーナに決められた。彼女はベテランでオフェンス力のある選手。彼女が必要とされているときにそのシュートを決めた。

ディージョネ・キャリントン選手の次のステップ

ディージョネは2年目として自信をつけていると思う。身体能力が高く身体も強くゴール下まで持っていける。過小評価されているがディフェンダーとしてもフィジカルが強い。潜在能力を示し始めているところだと思う。このまま取り組み続ければ成長を続けると思う。

オフシーズンに必要なこと

まだ考えていない。FA、ドラフトがあるが。今夜帰って寝て、パッキングしてオーストラリアに向かい代表に合流し仕事をする必要がある。まず身にまとうものを変えてその後W杯から帰ってきたら次のシーズンに向けて準備を始めたい。

ジョンケル・ジョーンズ選手

ファイナル、セミファイナル敗退が数年続いているが何が必要と感じるか

たった今負けたばかりなので、今は現実を受け入れようとしている段階。質問に回答できればいいが、今はとにかくツラい気持ちということしか伝えられない。

正PGながらケガで全休となったジャスミン・トーマス選手の存在

彼女は私たちのリーダー。長年このチームのPGだし、彼女の視点がある。第二のコーチとしての存在で試合にインパクトを残してくれていた。ケガ後もリハビリをしながらベンチでチームに関わり続けコミットしてくれたことに感謝している。

誇りに思うこと

このチームにはハートがあり、誇りがある。それぞれが何かしら犠牲を払っている。思うような結果とはならず悔しいが、この快進撃で最後に残った2チームになったことは誇らしいし、とても楽しかった。

アリッサ・トーマス選手

このチームが持つ意味について

誰もこのチームがファイナルにいくなんて思っていなかった。シカゴに負けるかも、ダラスに負けるかもと言われ、そんな中でファイナルまでいった。残念ながら思うような結果は得られなかったが、楽しく自分達のバスケをやって、チームとして一緒に戦った。

コートニー・ウィリアムス選手

自身が活躍できることを証明した?

現実味がない。この2人がいなかったら自分はここにいなかったと思う。オフシーズンに色々あって(チームメイトとの喧嘩などがニュースになった)もう諦められた存在になったと思ったが、この2人が連絡をくれ、コネチカットに呼んでくれた。今は負けて心が痛み、もし異なる展開だったら良かったと思うが、私は感謝の気持ちであふれている。この場に来れたから。この場にいることがうれしく感じる。

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最後に

これでWNBAの2022シーズンの試合についての記事は最後になります。

寂しいと思うと同時に、拙い文章、雑な訳ではありましたが(言い訳ですが校正をする時間がないのでお許しください)、やり切ったということを感じています。

ミスティクスのシーズンが終わった際にも同様のことを書いたと思いますが、皆さんから、イイね、リツイートやコメントなどのご反応を頂けるからこそここまでやってこれました。4ヶ月ほどでしたが、ありがとうございました。

ここからはより面白いコンテンツが作れるよう、活動内容を調整していこうと思います。

選手のみなさん、コーチ、スタッフ、フロントオフィスの方、リーグの方も関わった方皆さん、そしてファンの皆様にお疲れ様でした、ありがとうございましたとこの場でお伝えし、2022シーズンの試合の記事を終えたいと思います。

(別のトピックの記事はまたすぐ書きますが😅)

それではありがとうございました!

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