NBAのレジェンドであるコービー・ブライアント氏(以下Kobe)が最愛の娘であるジアナ・ブライアント(以下GiGi)、他乗客とヘリコプター事故に遭い亡くなったことは、バスケファンにとっては忘れられない出来事で、2年以上経った今でも信じられず、心が痛みます。
これからのNBAオールスターのMVPには、過去に18回選出、4度MVPを受賞している「コービーブライアント」の名前が付けられることが発表されています。
背番号やMVPを受賞した回数などの番号の数だけスターがデザインされたりと、Kobeが凝縮されたトロフィー。
今回は16本のスリーで50点をとったStephen Curry(ステファン・カリー)選手が受賞しましたね。
この活躍については延々に話せますが、今回は違う話なので割愛。
2月21日に発表された「WNBAアドボカシーアワード」について書いていきます。
WNBAアドボカシーアワードって?
簡単に言うと、女子バスケへの支援、貢献を最も行った人に贈られる賞です。※評価されるのは寄付金などの金額だけではないよう。
「アドボカシー」って?
カタカナ英語としても一部では使われているようですが^^;
「支持者」という意味で、全体的にサポートしてくれる人、後ろからバックアップして支えてくれる人、といったニュアンスです。
賞の背景、裏話は?
もともとGiGiがバスケ選手としてかなりの選手であったことは有名な話だと思います。
13歳ですでに父のようにフェイドアウェイを決める姿や、ブライアント氏相手に1 on 1で点数を決める姿が残っていますね。
さらに、WNBAや大学のトップ選手たちとオフシーズンに一緒にワークアウトしている動画などもあり、将来が有望視されていました。
バスケに情熱を注いで、小さな時から、大学は名門コネチカット大学。そしてWNBAを目指していたとのことでした。
Kobeと奥さんのVanessa Bryantさんとの間には4人のお子さんがいらっしゃいますが、全員女の子。
あるインタビューで「Kobeのレガシーを継いでくれる息子が必要だ」というようなことをKobeが言われ、その後GiGiが「その必要はないよ。私がいるから。」と言ったんだそうです。
なんて!熱く!頼もしい10代なんでしょう!
Kobeもその意志を組み、GiGiに向き合っていました。彼女が所属するチームのコーチもしていましたし、それからスポーツを高いレベルで学べるMamba Sports Academy(クラブチームのような組織)を設立したり、WNBAの選手に対してスキルトレーニングしている姿も見られ、あらゆる年代、レベルに対してサポートをしていたんです。
(なんたる安定感。やっぱりKobeのプレーって美しいですね。力任せでないというか。しなやかで。ちなみにこのトレーニングを受けている選手は超有名&おそらく最も人気選手のCandace Parker選手です。)
また、Kobe自身もWNBAやアメリカ代表等のさまざまな女子バスケの試合をGiGiと一緒に観戦。GiGiと一緒に見ることだけでなく、自身が出向くことで応援することに繋がると影響力を知りながらそういったことをされていたんだろうと予想されます。
また、Kobeや、他のNBA選手がオレンジ色のフーディーを着ている写真をよく見たことはないでしょうか?
あれは実はWNBAの公式フーディーで、Kobeが着始めてから広がったものです。オシャレの面でのトレンドだけではなく、同時にWNBAをサポートする=アドボカシーということを着て表すという意味も込められています。
2019年の冬にKobeが着始め、その後Fanaticsという4大スポーツをはじめあらゆるスポーツのファングッズの販売サイトで最も売れた商品になったそう。
元々のWNBAファンだけでなく、Kobeファン、NBAファンが見て購入したことが予想されます。もちろんそのお金のうち一部はWNBAに入るでしょうから、間接的に財政面でのサポートにもなっています。もちろんWNBAの注目度も上がり、観客数や視聴率が増えたという記録も残っているようです。
女子のバスケ、スポーツの可能性を信じて、このようなサポートをしていたんです。GiGiが大きくなり、大学、WNBA選手になっていくにあたって、より男子と同じような女子バスケ、スポーツの世界を作りたいというところから来ているだろうと思います。
スケールがすごいですよね。
WNBAアドボカシーアワードは、このような深くて凄まじいスケールのKobeのアドボカシーを受け継ぐ者という賞なのです。
(これを書いていて心が締め付けられるのはなぜだろう;_;)
クリス・ポールはどんな活動をしている?
クリス・ポール選手が所属するPhoenix Suns(フェニックス・サンズ)の同地区には女子チームのPhoenix Marcury(フェニックス・マーキュリー)というチームがあります。一つはそのチームへのサポートです。
NBAのジャージ(ユニフォームの上)を普段着としてオシャレに着るのはファッションとして世界的に広がっていますが、WNBAのジャージを着た人を見たことあるでしょうか?
ポール選手は自身だけでなく、サンズのチームメイトを巻き込んで全員でサポートする姿勢を見せています。昨年のプレーオフではほぼ毎回と言っていいほど観戦している姿がキャッチされています。
しかもただいるだけではなくて、熱いんですよね。いちファンとして熱狂的に応援しているんです。
それ以外では、WNBAドラフト選手へのサポート。若く不安でいる選手に対してご自身の経験を生かしてアドバイスの言葉をかけてあげているんでしょう。
また、WNBAオールスターゲームでもいちファンとして姿を見せ、楽しんでいる姿を見せています。Kobeと同じように、そこにいるという影響力をみせてくれています。
そして、彼が開催するバスケのキャンプ(合宿)やCP3 Basketball Academyというバスケはもちろん生きていく上での考え方など青少年向けの組織において、若い世代に対してのサポートをしています。
これらが評価されてWNBAアドボカシーアワードの初代受賞者として選ばれたのです。
こういった超有名選手がWNBAや女子バスケ、女子スポーツ全般のアドボカシーになってくれることで、女子スポーツの不平等な扱いが徐々に改善していくことを望みます。
私も個人的にもっと女子バスケが広まって欲しいという気持ちをずっと持っていて、日本でも同じように扱いの少ない女子バスケ、WNBAを少しでも多くの人に知ってほしいと思ったのがこのブログを始めた理由です。更なるきっかけになっていただいた町田選手の契約には感謝!
その他WNBAをサポートするNBA選手
先程のオレンジのフーディーや、ジャージを着てサポートする選手が増えています。
今回のオールスターMVP受賞のStephen Curry選手はお嬢さんを連れWNBA観戦をする姿や、WNBA選手とワークアウトしている姿が見られています。
LeBron James(レブロン・ジェームス)選手、Damian Lillard(ダミアン・リラード)選手、Devin Booker(デビン・ブッカー)選手など、超スター選手からそれ以外の選手も同様にオレンジのフーディーやジャージを着てサポートの姿勢を見せてくれています。
それからKyrie Irving(カイリー・アービング)選手においては、150万ドル(約1.7億円)をWNBAに寄付。2019、2020年にコロナによってシーズン中プレーしないことを決めた選手への支援のためとのこと。
(彼自身はワクチン接種せずプレーできない期間があり話題になりましたが、そのあたり、何か健康に対して特別な考え方をお持ちなのかもしれないですね。)
ということで今回はとても長くなりましたが、今回のアワードの背景や女子スポーツの扱いを知っていただけたら嬉しいです。
描き終えた頃のタイミングでKobeの奥さんVanessa Bryantさんのインスタの投稿がありました。
2月22日、今日は背番号2番をつけるGiGiの日ですね。
そのうちの一つに、インタビュアーが「Kobe Bryantの娘ということで(GiGiには)プレッシャーがあると思うんですが」というコメントに対して、KobeがとあるGiGiの試合について話しているものがあります。
その試合終盤でGiGiがスティールをし、その後フリースローを得たそうです。2つ決めれば勝利という点差と残り時間。
大きな大会だったようで保護者を含め多くの人がいた中、もちろんKobeの娘ということは知られていましたからそのシチュエーションとなり、その会場にいた人が一斉に集まり、注目が集まる状況になったそう。GiGiもそれに気づいたそうです。
そこでKobeは、娘を落ち着かせ何かアドバイスをしようかとタイムアウトを取るべきか一瞬迷ったそうですが、思い直し、彼女がどのようにこの状況に対処するかやらせてみようと思ったとのこと。
GiGiのフリースロー、どうだったと思いますか?
目を閉じて、何回か深呼吸をして、
両方とも決めたそうです。
Kobeの子ですね;_;
何が泣けるって、それを話している時のKobeの嬉しそうな顔だよ涙
Kobe自身のMamba Mentalityを彼女が持っていることが本当に嬉しかったんでしょうね。
さらに心がギューってなりました;_;
この2人をもう見ることができないなんて本当に信じられない。
ミスティクスからまたTraining Camp Inviteが発表されていますね。面白そうだったらその選手について次回書いていきます!
コメント