セミファイナルGame 3です。
試合内容について書いていくよりも、記者会見のほうが需要がありそうかなと思いまして、両方ガッツリやるのは個人的には難しいので、試合内容については薄めにして、できれば明日記者会見についてアップしていこうと思います。
2試合分を一緒にしているのでボリューミーです。どっちかだけ見たいかたは目次をご活用ください。
シカゴ vs. コネチカット
第2シードのシカゴ vs. 第3シードのコネチカットは、シカゴが敵地で76-72で勝利し、シリーズを2-1にしています。3勝でファイナルに進出決定ですので、大手をかけたことになります。
スコア:76-72
各クォーターのスコア:
1Q 18-21
2Q 22-17
3Q 16-17
4Q 20-17
お互いの戦略、全体的に
コネチカットのオフェンス vs. シカゴのディフェンス
序盤からアリッサ・トーマス選手のハイポスト等でのオフェンスを作っていったこと、それ以降も基本的には有利なポストでの1on1を作ることを意識していたようです。これまでと同じですね。(というかここまでくると奇襲といったようなものはないですよね。)
それに対してシカゴは特にゴール下は複数名で身体を寄せて、身動きが取れなくなるぐらい囲む作戦。(これもこれまでと同じくです。)これが引き続き効いて、コネチカットの得点が伸びなかったシーンが多く見られました。
アリッサ・トーマス選手も特に序盤にシュート率が良くなかったのも痛かったです。
シカゴのオフェンス vs. コネチカットのディフェンス
シカゴは、ボールプッシュを意識的にしていたような気がします。フィジカルが強いコネチカットにガッツリ守られてしまうのを避けたい、またハーフコートで使う時間をできるだけ長くしたいということだと思います。
コネチカットはこれまでのようにスクランブル・ディフェンスやパーカー選手にダブルチームなどを仕掛けていました。
それに対してシカゴは、これまでの2戦でコネチカットがやってくるディフェンスに慣れたというのか、まだターンオーバーやパスを探してしまう場面も多少ありましたが、対応までの時間が早くなっていたように見えました。ダブルチームがあれば落ち着いてパス先を探し、ディフェンスが本当に来ているのかという判断が改善していました。
それ以外ではミスマッチがあれば積極的に1on1、なければパスまわしとカッティングでオフェンスの流れを作っていました。
全体的に
お互いターンオーバーなどのミスで自チームが勢いに乗れるチャンスを逃していたように見えました。
コネチカットはポスト陣にディフェンスの集中がいく中で、ハイダマン選手やキャリントン選手がステップアップし、要所での得点で食らいついていましたが、ゴール下をねじ込めないのが厳しい展開になりましたね。
またジョンケル・ジョーンズ選手を終盤ギリギリまでコートに出さないという采配があり。たしかにああいって囲まれてしまい、ねじ込めない、ファールもならない、本人はフラストレーションをためて…、となるとその方がいい選択だったのかもしれません。
一方のシカゴは特にパーカー選手がいるとやはりボールと人の動きが変わりますね。3Qの序盤、4Qの途中で出てきたときに大きく変わったのが印象的でした。
4Qの途中、どちらもターンオーバーが多く、シュート率も落ち、4分間スコアがない時間帯が続いたんですが、残り2:30ぐらいでミースマン選手が得点、その後も1分を切るぐらいでまた得点と、これまでのシリーズで調子の悪かった同選手が終盤にこういった活躍をみせて、シカゴのチームとしての強さを感じました。
最後のコネチカットのフルコートディフェンスに対してはちょっと危なかったですが、どうにかぬけて勝利となりました。
スタッツ
- どちらもシュート率が良くないですね。シカゴはスリーが20%台だったのも突き放せなかった部分かなと思います。
- リバウンドはコネチカットが10以上多い一方で、セカンドチャンス得点が多いわけでもなく、スティールの数がシカゴ12、コネチカットのターンオーバー17。せっかくオフェンスリバウンドをとってもそれを奪われていた、潰されていたというシーンが浮かびます。
- コネチカットは、ジョンケル・ジョーンズ選手、アリッサ・トーマス選手が6点だと厳しいです。(トーマス選手はスコアラーというわけではないですが、今日の展開だったら点を取らないときつい。)
総括
コネチカットとしてはゴール下を制しているのにそれを活かしきれていないのが悔しいところですね。
個人的にはジョンケル・ジョーンズ選手に自由にやらせるセットとかやればいいのではないかなと思いますが、アリッサ・トーマス選手、ブリオナ・ジョーンズ選手の外がないからジョンケル選手にダブルチームが行きやすい状況になってしまっているので、それこそラスベガスが導入しているスモールラインナップとか?
ロスターを見るとシューターが少ないから難しいのか。このリーチのかかったGame 4でやるのはギャンブル過ぎるかな。いずれにしても昨季MVPのジョーンズの良さを出せる展開が見たいですね。
(といっても個人的にはシカゴがFinalに行くと思っているけど…、負けている方を応援したくなるタイプの人間です😅 バスケ選手全員好きなのです。)
シカゴはクイグリー選手、コパー選手が不調感がありましたが、それをカバーできる全員バスケが強さを見せています。それを引っ張るパーカー選手。さすがですよね。(未定らしいけど引退しないでおくれ…😭🙏)ミースマン選手、バンダースルート選手も不調から脱却しつつあるようで安心です。
ラスベガス vs. シアトル
第1シードのラスベガス vs. 第4シードのシアトルは…
すごいエンディングでした。見ていない方は4Qだけでも見ていただきたいです。
公式のハイライトはこちら(貼り付けられないようなのでYouTubeリンクです。)
結果はオーバータイムにもつれ込み、ラスベガスが敵地で110-98で勝利し、シリーズを2-1にしています。こちらも3勝に大手をかけています。
スコア:110-98
各クォーターのスコア:
1Q 28-20
2Q 20-20
3Q 20-24
4Q 24-28
OT 18-6
お互いの戦略、全体的に
ラスベガスのオフェンス vs. シアトルのディフェンス
ラスベガスの1on1の破壊力をあたらめて強く感じた試合でした。
ラスベガスPGのチェルシー・グレイ選手に、シアトルは脳震盪から復帰のディフェンスの良いギャビー・ウィリアムス選手をつけたのですが、1Qから圧巻のシュート力。ガンガン稼いでいって、うわこれはヤベーな、って観ていて感じました。早い段階で2ファールをしたこともありベンチに下がりましたが、ラスベガスに開始の火をつけたのはこのお方でした。
さらにウィルソン選手もパワー、ねじ込み力がすごい。身体のバランスどうなってるのと感じさせるタフショットを継続して決めていました。
シアトルのディフェンスはこれまで通りスイッチでインサイドはサイズのある選手が守るようにする作戦ですが、インサイドに入ったら高い確率でやられていた印象です。
この2人が攻めてきたら50%守れればまだ良いぐらいのオフェンス力でした。これまで試合全体のスコアを70点台に抑えていたのが、OTの分を除いても92点とハイスコアになってしまい、こうなるとラスベガスペース。シアトルとしてはこのオフェンス力についていくのはきつかったと思います。
ラスベガスはまたスモールラインナップを使っていましたね。復帰のハンビー選手は4分の出場のみで目立ちませんでした。
それよりも目立ったのはラクィーナ・ウィリアムス選手。スリー4/8を含む14点。インサイドにヘルプが寄った後のパスがきたところを高確率で、嫌なタイミングで決めてきました。
あれがあるとシアトルとしては中にヘルプによりづらいです。
あとは4Q終盤のセットプレー。選手もすごいんですが、その指示を出すハモンコーチの的確さ。どんなときに自チームの誰が当たっていて、相手のマッチアップはどうで、とか全部考えてああいったプレーを指示しているんだろうなぁと思うとやはりすごい。NBA初の女性HCになる日も近いでしょうね。
シアトルのオフェンス vs. ラスベガスのディフェンス
シアトルはこれまでの2戦は1Qからシュート率よく勢いに乗れていたのが、今日はそれがなかったというか、ラスベガスの勢いに消されてしまっていました。
守り切られている部分をチャールズ選手がつないで、その後ベンチ出場のマグべゴー選手やタルボット選手が確率良く決めていったのが、スコアラー2人が絶好調というわけでもない中、接戦となった要因でした。
ロイド選手も途中から調子が出てきてオフェンスの起点となっていましたが、外からのシュートが入らなかったですね。
相手がスモールラインナップの時にミスマッチを起点にしたオフェンスで逆点してからはお互いGame 1、2のような感じでやりあい。
両チームオールスイッチでミスマッチ狙い、インサイドにヘルプがよればパスの展開からスコア。というお互い同じようなオフェンス、ディフェンスをしていた印象です。
全体的に
個人的には、よくシアトルが追いついて、勝てるところまで持っていったなというのが正直な感想です。今日は序盤から決定力の差が出ていた中で、シアトルのベンチメンバーの活躍が大きかったです。
ですが、敗因の一つはスタッツのところでも後述しますが、フリースローの決定力。シアトルは通常フリースローの確率が良いチームです。レギュラーシーズン82.5%でリーグ1位。(2位はラスベガスの82.3%)それが今日は非常に悪く、それが最後の最後にも出てしまいました。
4Q最後に2連続で外し、延長でも外したところで集中がきれ、ラスベガスのオフェンスについていけなくなりましたね。
あれだけベンチメンバーが当たっていて勝つチャンスがあったところを逃してしまった感じです。
(でも4Q最後ウィルソン選手の1on1はトラベリングでしたね。しょうがないけど悔しい😣)
スタッツ
- シアトルのシュート率は悪いわけではないのですが、ラスベガスの脅威的なシュート率が目立ちます。
- リバウンドと、ペイントエリア内の得点どちらも10以上ラスベガスが多く、ゴール下はラスベガスが有利となっています。ラスベガスのウィルソン選手のゴール下、ガード陣のドライブなどで取っている部分ですね。
- フリースローがシアトルは70%。特に終盤に落とすことが多かったのが直接負けに響いてしまいました。
総括
シアトルとしてはオフェンスではフリースローの部分はもちろん、あとはロイド選手からもう少し点が欲しいというところですが、そっちよりも失点が多い部分が気になります。
これまでのディフェンスで70点台に抑えていれば勝てた試合なので、どうにかあの破壊力を少しでも抑えるディフェンスができればいい方向にむかうはずです。
グレイ選手にはギャビー選手よりもロイド選手のほうが相性が良さそうかなとも終盤観ていて感じました。他の選手をぶつけるのか、シアトルがどんなディフェンスをするか注目したいです。
ラスベガスとしては今日の流れが理想だと思います。シアトルにリードされている時間帯や負けそうにもなりましたが、スモールラインナップになったときにウィリアムス選手が外からシューターとして決めてくれるのが理想なはず。同選手やグレイ選手の活躍でシアトルとしてはディフェンスを考えなければいけなくなり、ラスベガスとしては有利な駆け引きの材料になるはずです。
最後に
どちらの試合も結局最後の瞬間まで競って、実力が均衡していますね。勝ち上がった2チームがファイナルで当たるとどっちが強くなるんだろうって感じますね。印象だとラスベガス、シアトルのシリーズの試合内容のほうが質が高い気がしますが、また直接対決したら違うんでしょうね。
でも今日は、シアトルからしたらあんだけがんばって、あと1秒で勝利というところをかっさらわれて、また一から試合って精神的にキツそうというのをとにかく感じました。あんな激しいバトルを。
シアトルが次回負けたら敗退=バード選手、ジャニュアリー選手の引退になってしまう😭 そんな準備はできていない!ので、勝って欲しいです(ラスベガスと予想しておきながらですが😓)
Game 4は9月7日(水)です!
それでは、本日もお読みいただきありがとうございました!
セミファイナルの日程は以下の通りです。
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#1ラスベガス vs. #4シアトル
Game 1: 73-76 シアトル勝利 1-0
Game 2: 78-73 ラスベガス勝利 1-1
Game 3: 110-98 ラスベガス勝利 2-1
Game 4: 9/7(水) 11AM
Game 5: 9/9(金)11AM
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#2シカゴ vs. #3コネチカット
Game 1: 63-68 コネチカット勝利1-0
Game 2: 85-77 シカゴ勝利1-1
Game 3: 76-72 シカゴ勝利2-1
Game 4: 9/7(水) 9AM
Game 5: 9/9(金) 9AM
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ミスティクスロスな方へ。これまでのミスティクスの戦評のようなもの↓
https://wnba-japan.com/category/戦評
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