ミスティクス 6/15 フェニックス戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
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2日前に引き続きフェニックスとの試合。

シーズン序盤のダラス・ウィング、先日のシカゴ・スカイとの2試合続けての試合はどちらも1試合目は敗戦、2試合目は勝利でした。今回3回目となる連続して同じ相手との試合。相手の戦略への対応力が試される試合でした。

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試合前ニュース

ワシントン・ミスティクス

デレダン選手が、前日に微妙(Probable)と発表されており、当日動いてからの判断だったよう。ウォームアップも通常通り行い、問題なさそうなため出場となったようです。全選手、コーチ陣が揃っての試合となりました。

ブリトニー・グライナー選手について

ロシアの空港で薬物所持の疑いからロシアに2月から身柄を拘束されているグライナー選手。拘束期間がまたも延長という発表がありました。これで3度目の延期。記事ではロシアのメディアによると7月2日への延期とありますが、同様のケースでは10年以上の拘束になったこともあること、政治や戦争の情勢も関係していることが記事では触れられており、これまでのことを考えるとその通りに釈放される保証はありません。

もうとにかく無事に帰ってきてほしいと願うばかりです。

試合間の日にはフェニックス・マーキュリーの選手、コーチ陣で国務省からの現状の説明を受けたそう。関係機関において出来ることはすべて行なっていると言う内容だったようです。

タウラシ選手は、グライナー選手が安全により早く帰ってくるという最重要なことに対して関係者が必死に働きかけていることが知れて良かったとコメントしています。

これまでの流れはこちらをご参考にしてください。

https://wnba-japan.com/tag/ブリトニーグライナー

備考

試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。

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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン

1Q

デレダン選手のドライブからのミドルが決まりスタート。その後、タウラシ選手の連続スリー、デレダン選手のスリー、そしてダシールズ、クラウド、チャールズ(敬称略)と続き、約3分弱の間どちらのチームもシュートが外れないというアップテンポな開始。

フェニックスは前回の試合から引き続き、スカイラー・ディギンススミス選手がドライブやフリースローを得ての得点など、積極的。フェニックスのチームとしてもこれまでと同じくスペースを広く取り、パスのタイミング、場所も計算し尽くされた効率的なバスケで組み立てる。

4分頃に町田選手登場。(敬称略)バーク、ウィリアムス、ウォーカーキンブロー、バークといったベンチメンバーでの時間帯となったところで、得点が止まってしまう。ミスティクスベンチはそれにすぐに対応してハインズアレン選手の代わりにデレダン選手をコートへ。

町田選手が外したプルアップのリバウンドからのAnd1、ミスマッチをついてインサイドでファールをもらうなど、バーク選手が奮闘する。ディフェンスがデレダン選手に引き付けられているところをうまく攻めた。

ハイスコアペースだった1Q前半に比べ、後半はどちらも得点が伸びずに21-19で2Qへ。

2Q

メンバーは(敬称略)

エリザベス・ウィリアムス
ルイ・マチダ
アリーシャ・クラーク
ティアナ・ホーキンス
ケネディー・バーク

フェニックスの得点力があるタウラシ選手、ダシールズ選手を守ろうとそちらに引き付けられセンターがどうしても空いてしまい点を重ねられてしまう。また、ミスティクスのシュートミス等から早い展開でダシールズ選手の速攻など、フェニックスはうまさ、効率の良さが光るオフェンス。

そのフェニックスのお株を奪うようなミスティクスのオフェンス。片サイドで2on2をやっているのに合わせて逆サイドでフレアスクリーンをしてスリーを打たせるプレー。お互いがやり合っていた。スペースを広くとりハインズアレン選手、クラーク選手が連続スリーを決める。

それに続いてオースティン選手がゴールへのカットやドライブ、ディフェンスではアメリカ代表ティーナ・チャールズ選手に対しても良いディフェンスが光る。さらにデレダン選手がローポストから決めて12-3ラン。42-28となり相手のタイムアウト。

タイム明け後、ダシールズ選手にAnd1、ディギンススミスに立て続け決められ危うい雰囲気が漂うも、その後の相手のターンオーバーでチャンスがつぶれ助かった場面も。

その後は均衡した試合内容となり44-34で2Q終了となった。

3Q

開始は(敬称略)

ナターシャ・クラウド
シャキーラ・オースティン
エレナ・デレダン
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク

ミスティクスのオフェンスは、ピックプレーなどでディフェンスのズレが起きたと思って出すパスのスティールを狙っているフェニックスのディフェンスをさらに見てパス展開ができている。(わかりにくいですね・・最初のピックでヘルプディフェンスが寄ることでディフェンスのずれが出来ていて、そのズレをみて正直にパスをだしてしまうとフェニックスがスティールを狙っています。それを我慢してもう一つ先にだしているという意味😅)オースティン選手の積極的なプレーやアトキンス選手のディフェンスからのワンマン速攻でさらにリードを広げる。

3Q序盤のディギンススミス選手のフリースローから得点が止まっていたフェニックスだが、少し空いたところで決めたチャールズ選手のスリーで落ち着かれ、ディギンススミス選手、ダシールズ選手の速攻、そしてまたチャールズ選手のスリーと8-0ランとされてしまう。

途中、クラウド選手が肘を痛め一旦ロッカーへ下がる場面もあったがその後出場し問題はなさそう。

オースティン選手のチャールズ選手に対するグッディー。チャールズ選手はそれによって火がついたのか、連続で得点し、意地を見せる。対するミスティクスもここのところシュート確率が落ちていたキンブロー選手、ハインズアレン選手のスリー、そして最後のプレーでは自身の1on1での攻めを選択したハインズアレン選手がフリースローをもらい、2本しっかりと決め、65-51で最終クォーターへ。

4Q

メンバーは(敬称略)

ルイ・マチダ
シャトリ・ウォーカーキンブロー
エリザベス・ウィリアムス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン

4Q序盤からのフェニックスのゾーンディフェンスを見て、町田選手からクラウド選手にすぐに交代があった。ゾーンに対してはうまく崩せないポゼションがありながらも、デレダン選手がひきつけてのプレーが生まれ、やはり彼女の存在は大きいことを再確認。

フェニックスのオフェンスは展開からのチャールズ選手のロングツーが継続して決まる。おそらくミスティクスとしてはこれは打たせても仕方ない、それよりもガード、フォワード陣を止めたかったということだと思われる。

ミスティクスのオフェンスはゾーンに慣れてきて、シュートを決める、決めないに関わらず、より良いシュートを選択できるようになった。クラウド選手の判断がとても良く、デレダン選手とのピックプレーからオースティン選手のミドルを演出したと思えば、オースティン選手がまた良いディフェンスにスコアと継続して存在感を見せ、7-0ランとなる。

78-65で2分を切ったところでフェニックスはスタートメンバーを下げ、同じくミスティクスも選手交代。デレダン選手、オーステイン選手がベンチに下がる時は会場ではスタンディングオベーションが湧き上がっていた。

その後キンブロー選手が2本決めて83-65で試合終了となった。

1Q 21-19
2Q 23-15
3Q 21-17
4Q 18-14

ちなみに前回は・・・

1Q 16-23
2Q 23-15
3Q 22-22
4Q 24-25
OT 5-14

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気になったこと

スタッツから

フィールドゴール確率:ミスティクス 30/71(42.3%)、フェニックス 24/62(38.7%)
フリースロー:ミスティクス 12/13(92.3%)、フェニックス 7/16(43.8%)
ファール数:ミスティクス 14、フェニックス17
ターンオーバー:ミスティクス 10、フェニックス17
ベンチ得点:ミスティクス30、フェニックス5

ちなみに前回は

フィールドゴール確率:ミスティクス 30/75(40.0%)、フェニックス 36/70(51.4%)
フリースロー:ミスティクス 22/34(64.7%)、フェニックス 17/21(81%)
ファール数:ミスティクス 19、フェニックス28
ターンオーバー:ミスティクス 20、フェニックス17
ベンチ得点:ミスティクス24、フェニックス18

  • 「試合の流れ」の中で記載した各クォーターの点数を見ると後半の点数に差があるようです。相手の疲労もあると思いますがミスティクスは集中を切らさず忍耐強いといえる試合展開でした。
  • (繰り返し相手の疲労も考えられますが)相手のフィールドゴール率が前の試合に比べ大きく下がっていること。ヘルプに寄るところはしっかりと寄って、ディフェンスの的を絞ったとも言えると思います。
  • フリースローは前回と全く逆でミスティクスが確実に決め、相手は今日は50%以下となっています。
  • ターンオーバーは前回の1/2としています。
  • ファール数も(どちらのチームもですが)減りました。余計なフリースローを与えていなかったと言えると思います。
  • ベンチポイントが30-5と圧倒。そもそも前回の試合も同様でしたが出場時間がフェニックスはスタートメンバーに偏っています。そのあたりの疲労も2戦目の勝敗に影響したことが考えられます。フェニックスの怪我人の多さやグライナー選手のことを考えて、選手たちの気持ちのこもったプレーを見ると複雑な心境になります😣

参考:https://www.espn.com/wnba/boxscore/_/gameId/401391732

オフェンス

以前に比べ、急に1on1が始まったり、ボールの動きがなくなることがかなり減りました。逆サイドのスクリーンを含めたボールの展開を意識的に取り入れているようです。アトキンス選手がたまに能力高すぎるゆえの1on1、ジャンプシュートをしてしまうのが気になりますが、それもだいぶ減っています。シーズン1/3時点でこうやって変化が見えているので、これからも決まり事のようなものが増えていくことは考えられます。

先日苦しんだゾーンに対してのオフェンスは、まず何よりデレダン選手の存在感デカし、ということでした。存在だけでミスマッチを発生させてしまう彼女が動くだけでディフェンスの注意が引き付けられていました。最初は戸惑いながらも慣れて、後半にはだいぶスムーズに崩せていた気がします。

ちなみにこの試合を含むデレダン選手出場、欠場によるミスティクスの成績
出場試合:7勝3敗
欠場試合:3勝3敗

やはり大きな存在です。

ディフェンス

タウラシ選手はまず外を打たせない徹底マーク。ディギンススミス選手に対してはヘルプを意識していました。そのため外にポップアウトするティーナ・チャールズ選手(本来はフォワード/センター)に何度もほぼフリーで打たれてしまいましたが、あれはチームでディフェンスすべき重要度を彼女に対しては低くしたということと思われます。

あれだけスペースを広く使われ+得点能力のある選手がドライブしてくれば空いてしまうのはある程度は仕方がないので、得点力あるフォワード、ガードを抑えようという選択をしたのでしょう。

オースティン選手

16点10リバウンドとダブルダブルの活躍。しかも相手はアメリカ代表のティーナ・チャールズ選手でした。

ディフェンスでは身軽にカバー範囲が広く、ヘルプにも積極的に出て相手のシュートをチェックしたり、オフェンスではスピードのあるドライブ&打点の高いシュートで貢献しています。特にオフェンスが停滞して悪い流れになりそうかな、という時に決めてくれている感があります。

チームメイト、実況解説の方、相手チームやコーチの誰の言葉をとっても可能性に溢れているといったようなコメントがあり、さらに性格も(じつは)真面目のようで今後も成長していきそうです。若く吸収も早そうですから、シーズン終了、プレーオフに向けて重要な選手になりそうです。

以下、試合直後のホリー・ロウさん(ESPNのキャスター)の試合直後のインタビューです。

Q:シーズン2度目のダブルダブルの活躍。1度目はミネソタ戦ファウルズ選手に対しての記録でしたが、偉大な選手たちに対して恐れがないのはなぜですか?

オースティン選手:私がそういった人間だからです。これまで練習してきて自信もありますし、それを見せる準備ができています。

Q:本能的なものもありそうですが?

オースティン選手:大学時代にバスケIQを培って、リーグでもそこから1試合ずつ学んでいるところです。

Q:スタンディングオベーションがありました。1戦目の負けの後の勝利について。

オースティン選手:1試合目も勝つべき試合でした。勝つべきチームだと思っているし、今日は勝てて良かったと思います。

町田選手

11分出場、1アシスト、2リバウンド、1ブロック、1ターンオーバー

投試が4本ありました。

うち3つはツーメンゲームのプルアップです。前までだったらパスを探してしまうであろうシチュエーションと思いますので引き続き積極さが見られます。もう1本のコーナーからのスリーは残念ながらエアーボールとなってしまいましたが、どれもあとは本当に決めるだけだと思います。焦って打っている感もちょっとあって、ヘルプが飛び出してきていたりするので、ヘジってその先へいけなくもなさそうです。シュートをバシバシ決めてからより効果的にできるようになりそうなので今後に期待したいと思います。

4Qに相手のゾーンを見てすぐに町田選手を代えたところをみるとシュートが欲しいときの起用には至っていないようですが、積極性をとにかく継続していって、シュートを決めていくしかないと思われます。

ブロックの記録はシェイ・ペディー選手のコースに入ってレイアップを止めたのがブロックとしてのカウントでした。ディギンススミス選手に対してはフィニッシュの能力の高さからねじ込まれてしまう場面もありましたが、ペディー選手に対しては相手が嫌がるようなナイスディフェンスをしていましたね。

やはりミスマッチを気にしてか起用のタイミングには気をつけているようです。WNBAはどのチームも波に乗れば一気に乗ってくるチームが多いので、そこは致し方ないですね。

ターンオーバーのパスミスは早い展開からキンブロー選手へのパスをタウラシ選手が見ていないと思ったら見ていたと言う感じっぽいですね。

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最後に

2戦目に勝利し、これまでの2連戦と同じ、星を分ける形になり、対応力があることを見せてくれました。これで10勝6敗です。シアトル・ストームが今日の試合で4連勝となり徐々に順位を上げ現在4位、まだまだ混戦となりそうです。

次回は日本時間17日(金)8時からアウェイでニューヨーク・リバティーとの試合。町田選手にとっては初のニューヨーク行きですが、明後日試合があって、月曜にはホームでコネチカット・サン戦なのでお忙しそうです。

ニューヨークは先日イオネスク選手の支配力によってやられてしまったので、こちらもリベンジしたいところ、そしてその後に控えるコネチカットもリベンジ・・・と今日を含めて3連続リベンジ戦が続きます🔥

そしてその後、水曜に初めての相手ロサンゼルス・スパークスとアウェイでの試合。西海岸への移動、時差があるのでかなりタフスケジュールです😰

怪我、体調管理にお気をつけてどうか戦い抜いて欲しいです🙏

本日もお読みいただきありがとうございました!

これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊

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