ミスティクス 5/29 コネチカット戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
この記事は約15分で読めます。

今日はタイムラインにもありましたが、日本バスケ界にとっては忙しい1日だったようですね。私は今はBリーグは追っていないのでミスティクスと女子日本代表戦のみでしたが。Bリーグはブレックスが優勝されたのですね。選手がたくさん抜けて、そこまで前評判も高くなかったような印象でしたがこうやって下馬評を覆すのはカッコいいですね!(ほぼ何もと言っていいほど追っていないので見当違いなこと言ってたらすみません!🙏)

さて、今回のワシントン・ミスティクス vs コネチカット・サン、実況の方も言っていたのですが、2019シーズンのファイナルで対戦した2チームでした。その時は3勝2敗でご存知の通りミスティクスが優勝。その頃からそこまで主力が変わっていない2チームの戦いとなりました。

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試合前ニュース

ロスター関係

ミスティクス

  • デレダン選手は帯同せず
  • アリーシャ・クラーク選手が休み(健康安全プロトコル)
  • ティーボーコーチは復活

デレダン選手の今後の予定は

  • 6/1(水) アウェイでのインディアナ戦は帯同
  • 6/4(土) ホームでのニューヨーク戦は出場
  • 6/6(月) アウェイでのシカゴ戦は未定

アウェイの試合での調整が今後も多くなることが予想されます。

試合前にはティーボーコーチから得点の30%分がないことになるとコメントがあり(ツイートで30点て書いてしまった、すみません🙏)、他の選手にステップアップしてほしいというような気持ちが表れているようでした。

ちなみに、ティーボーコーチにとってはコネチカットは古巣。2012年にミスティクスのGM兼ヘッドコーチに就任する前に2003年から同チームのHCをしています。

コネチカット・サン

コネチカットはコーチ、アシスタントコーチが安全衛生プロトコルのため欠場。

また、数試合前に正PGのジャズミン・トーマス選手が前十字靭帯断裂の怪我を負い、残りのシーズン全休が発表されています。

Wear Orange

Wear Orangeというのは、WNBAの選手がその他多くの同じ考えを持つ人々と共に、銃暴力に立ち向かうという意思をオレンジ色の服を着て示す活動で、6月3〜5日が啓発デーと設定されています。6月に入るとより多くの選手がオレンジの服を着用すると思われます。

https://wearorange.org (英語)

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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F ケネディー・バーク
F マイーシャ・ハインズアレン
C シャキーラ・オースティン

ちなみに、これまで9試合で9通りのスタートメンバーとのことでした。コーチが色々試したいというよりは、怪我や健康安全プロトコルで欠場の選手が多いことが理由と思われます。

1Q

ミスティクスのオフェンスはいきなり24秒バイオレーションでスタート。先が不安になるスタートだったが、バーク選手、ハインズアレン選手のスティールが得点につながる。(相手がミスをしてくれている感はあったが。)ハーフコートオフェンスでは相手のサイズのあるリーチの長いヘルプディフェンスのためか最初は思い切りがなかったが、クラウド選手がドライブからアトキンス選手のゴール下、ハインズアレン選手のスリーをお膳立て。それ以外にも積極的なドライブがいい流れを作り出す。

ディフェンスではいつものレベルの高いチームディフェンス。24秒バイオレーション等を取り、相手のターンオーバーが嵩んでゆく。昨シーズンMVPのジョンケル・ジョーンズ選手をオースティン選手がうまく止めている。同選手にとっては相性が良い相手かもしれない。

その後、アトキンス選手、クラウド選手が続けて痛み一旦ベンチへ。(クラウド選手は一度処置室へ。試合はその後出たけど、選手あるあるでアドレナリン出ているから大丈夫だった可能性もあり。しっかり診てもらったって考えていいんだろうか。今後嫌なニュースがないことを本当に祈るのみ🙏)

キンブロー選手、ウィリアムス選手、町田選手が登場。

町田選手は早速マッチアップの相手がスクリーンに対してアンダーで対応しているのを見て外からシュート。外れはしたが早速積極性があって良かった。ウィリアムス選手とのピック&ロールのアシストや、さらにアーリーからボールをプッシュし流れをつくる。

コネチカットも同様にベンチメンバーの活躍からオフェンスがリズムに乗り始め、バランスよくスコアを重ねていった。

23-21で1Q終了

2Q

スタートは(敬称略)

アリエル・アトキンス
ティアナ・ホーキンス
ルイ・マチダ
エリザベル・ウィリアムス
ターシャ・クラウド

人の動き、ボールの動き(逆サイドへのボール展開など)が減り、オフェンスの流れが悪くなる。サイズがありカバーする範囲が広い選手がゾーンのような感じで間にいるのでパスアウトもしにくい。

ディフェンスでは、悪いディフェンスではないのだが、オフェンスリバウンドをとられ連続でスコアをされてしまう。2Q開始以降 コネチカットの8-0ラン(1Qの終わりを含めると11-0ラン)。バーク選手がスリーを決めようやく得点も、引き続きボールや人の展開が遅く、よいシュートが打てない時間が続いた。

一方コネチカットはコートニー・ウィリアム選手やベンチ出場のブリオナ・ジョーンズ選手(ミスティクスがシーズン序盤に契約をしていたステファニー・ジョーンズ選手の姉)の確率の良いシュートでスコアを重ねる。Bジョーンズ選手はオフェンスリバウンドにも積極的にからみ続けた。

残り2:15、引き続き流れが悪い中、クラウド選手がドライブで意地のAnd1。気持ちのこもったプレー。その直後にクラウド選手のスティールから速攻がでて、ようやく流れが変わる。

相手のターンオーバーに引き続き助かっている感はあった。

最後はまたコネチカットに返され37-41でハーフタイムへ。

3Q

メンバーはスタートの5人。

人が動き、パスが回るいい流れでバーク選手がスリー連続で決める。しかし、ボールを動かすその流れがなくなり、1on1中心に難しいシュートを打ち始めてしまう。

ジョンケル・ジョーンズ選手がファールによって制限があるなか、次はアリッサ・トーマス選手がインサイドプレーで攻め始める。ミスティクスは引き続きディフェンスリバウンドに苦しみ続け、セカンドチャンス、サードチャンスでコネチカットのスコアが積み重なる。

残り2分ごろ、ベンチメンバーの時間帯へ。後述するがこのメンバーのほうがボールのまわりがよい。相手のターンオーバーから速攻、町田選手のドライブパスアウト、パスがまわりスリーと連続で得点。

スタートメンバー、ベンチメンバーがいつものように支え合う形。54-57で4Qへ

4Q

スタートは(敬称略)

アリエル・アトキンス
シャトリ・ウォーカーキンブロー
エリザベス・ウィリアムス
ティアナ・ホーキンス
ルイ・マチダ

町田選手のドライブからプレーがうまれ、ホーキンス選手のスリーをアシスト。(ホーキンス選手も最近調子を心配していた選手の1人だったので町田選手のパスから気持ちいいスリーが決まってなにより🙏😊)同点になって町田選手のドライブ&ウィリアムス選手のバックカットへのバウンズパス(代表戦のようだ👏)これまでも見せていた2人の合わせが今日も多くみられた。そして町田選手はまた相手がスクリーンをアンダーしているのをみて、少し離れたところからスリーも決める。

コネチカットは引き続きターンオーバーが繰り返されるも、Jジョーンズ選手がようやくスリーを決めたり、ゴール下でファールをもらうなどMVPの本領を発揮し始める。そこから忍耐強いパス回しの後24秒ギリギリでスリーが決まることで、会場が盛り上がる。(ホームアドバンテージを感じますね)

5:05のタイムアウト明け、コネチカットはティップオフ直後に行ったプレー(アリッサ・トーマス選手とガードの2on2からトーマス選手のゴール下ダイブ)を繰り返し点数を重ねる。

一方ミスティクスは流れが悪いときのオフェンスが出始めてしまう。流れも得点も止まってしまった。

コネチカットはデワナ・ボナー選手のコーナーからのスリー、タイムアウトをはさんでC.ウィリアムス選手のミドルと4Q終盤になって15-2のラン。さらにJ.ジョーンズ選手のブロック、オフェンスリバウンドからのファールをもらうプレーなどMVPの存在感を見せる。

1分をきり、望みをかけたアトキンス選手のスリーが連続して外れ、そのまま71-79で試合終了。

1Q 23-21
2Q 14-20
3Q 17-16
4Q 17-22

Bitly
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気になったこと

全体

スタッツから見て

  • リバウンド:ミスティクス19、コネチカット41
  • うちオフェンスリバウンド:ミスティクス7、コネチカット10
  • FG確率:ミスティクス40%(28/70)、コネチカット49.1(28/57)
  • 3pt確率:30.8%(8/26) 46.7%(7/15)
  • ターンオーバー:ミスティクス9、コネチカット23
  • フリースロー:ミスティクス7/11、コネチカット16/19

気になるスタッツを取り上げてみました。リバウンドが結構負けてしまいましたね。オフェンスリバウンドで結構負けたかなという印象だったのですが、見たらディフェンスリバウンドの差でした。ミスティクスのFG率が低かったのでそのディフェンスリバウンドの数だったようです。シュート数はミスティクスの方が多いので、確率が上がればチャンスはあったかもしれないですね。相手がこれだけターンオーバーをしてくれていた(&相手はコーチが不在だった)ので、勝ちたかったところです。

あとは試合前の課題の一つとして上がっていたファール。19本フリースローを打たせてしまっています。ここからの失点が16点。もう少し抑えたかったですかね(ファールをしなかったら普通に決められていたという可能性もありますので😣🥲あくまでスタッツ上の仮定です。)

不在のデレダン選手、クラーク選手の約25点分のうち5〜10点ぐらい足りなかったのと、ディフェンスではいつもより取られてしまった(クラーク選手分かな😏)という感じでしょうか。70点前後に抑えたいです。

オフェンス

試合後にコーチが言っていた(記者さんのツイート)ように、突如1on1をし始めてしまうのが流れを悪くしていた原因のようでした。パスが回る中で、もしくはピックなどで動きがあってからの1on1はいいのですが、ボールがコートの一部で停滞しての突如の1on1はディフェンスとして守りやすいですし、決まればいいのですが、入らなかった時オフェンスリバウンドにも行きづらいことから相手の早い攻めに繋がりがちです。コーチも認識されているのでこれはフィルム(試合映像の確認)の際などに強調されると思います。

流れが悪い他のパターンとしては、パスが回っている時のアクションが合っていないもしくは遅い時。センターやフォワードがボールにスクリーンをかけにいくことがよくありますが、ボールが展開されて、はい、セット、とテンポが遅めのため、相手のディフェンスもセットされ対応されやすくなっているように見受けられました。

良い流れの時は、逆サイドへのボール展開や、素早いスクリーンセットなどの人の動きがあるように感じました。

ガードの選手、起用

アトキンス選手

いつも苦しいところでタフショットやスリーを決めてくれるアトキンス選手。

しかし、今日目立ったのが上記の1on1で流れを止めてしまうプレーでした。身体能力が高すぎて、1on1をすると外から打てちゃうようなので、ミドルのシュートを多く打っています。今日は良いシュートセレクションとは言えなかったように見られました。

遠めの2ポイントはよく一番効率の悪いシュートと言われるのですが(スリーより得点が少なく、ゴールに近いシュートよりも確率が低いため)、今日はちょっと無理に1on1からのシュートだったかなと。「Don’t settle for jump shots」という言葉があって、(ゴール下にアタックするのではなく)ミドルシュートで妥協する、とかそれでよしとすると言った意味なのですが、アトキンスがそうなってしまっているような気がします。(チームとしてそれでOKなら仕方ないのですが、どうなんでしょうかね。)

見ていた中で、ポストプレーを身につけたら更に止めにくい選手になりそうだなと思いました。身体は大きく強いので合うような気がします。

クラウド選手

ここ数試合外からのシュートではなく気合のこもったドライブからの得点が多いクラウド選手。苦しいな、というときにあのドライブはチームの雰囲気を変える力を持っています。

(クラウド選手もちょっとトップあたりで止めてしまう気ありなので気になりはしています。お二人ともシュートが入ればいい、ってなってしまうところが難しいですよね。)

今日の出場選手の組み合わせ

今日後半にアトキンス選手、クラウド選手、町田選手のガード3人同時出場の(たぶん)初の組み合わせがありました。フォワード2人が欠場の理由だと思われますが・・・あまり良くなかったですね😅

クラウド選手、アトキンス選手2人は能力が高いのが仇というのか、特に流れが悪い時に弾離れが悪く、ボールの展開がなくなるため、町田選手が一緒に出ると同選手の良さが出なくなってしまう気がします。4Qの5分あたりのタイムアウト明けから離された時に悪いオフェンスが出続けたのが痛かったです。

町田選手の良さが出るのは、自身がコントロールして周りがシンプルに合わせてくれるシチュエーションだと思うので、ウィリアム選手のシンプルなダイブだったり、バーク選手のオフボールの動き(+ここにアリーシャ・クラーク選手が入ると私は信じている😊)が合っているようです。コーチ陣も気付いているとは思うので、ウィリアム選手は一緒に出してもらうことが多いですね。バーク選手は万能すぎて誰とでも合うみたいになっていますが🤣

ティーボーコーチとしてはやはりスタートのメンバーに高い信頼を置いているようで、重要な時間を彼女たちに託しがち。それで流れが作れているときはいいのですが、今回みたいに1on1になってしまうのは考えものですね。特に今日はベンチメンバーの時間帯が良かったので、難しい選手起用だっただろうとはお察しします。

相手チーム、コネチカット・サン

正PGを欠いていながらこの強さ。選手それぞれの役割がはっきりしていて、さらにどこからでも点が取れる、次々に活躍できるという止めづらいチームでした。

ベテラン、中堅と若手がうまく融合した良いチームです。特にナティーシャ・ハイデマン選手。以前は完全にスポットシューター枠の3番手のPGのような存在で、リーグで生き残れるかな、ぐらいの選手だったのが、ベテラン選手にもまれてかとても良い選手に急成長しています。周りの選手に気を取られていると彼女がスルスルっと決めてきますね。

チームとしてはターンオーバーが平均で16.6、今日は18。平均16.6は下位のチームや若いチームに次いで4位なので、ここを減らすことができれば更に強くなってしまいそう。

優勝候補として挙げられるだけのチームでした。

町田選手

15分出場、3得点、1リバウンド、5アシスト、0ターンオーバー

オフェンス

オフェンスはこれまでで一番よかったのではないかなと感じました。ハイライトのアシストがあるとかアシスト数が多い云々もあるんですが、それだけではなくて、積極性の部分で。

完全に個人的な目線で本当かどうかわからないですが、特に何もプレーが発生しないような時のドライブ仕掛け→パスアウトのドライブが、今までより1ドリブル2ドリブル多く保持して(=つまりディフェンスをその分寄せて)パスアウトしているような気がしました。そこからディフェンスがずれて得点につながっている部分が何回か。今までは長い手を警戒してか早めにパスアウトしてたのですが、今回は深めに行っていて(いる気がして)、どんどん調整されているなぁ🥺と感じました。そして今日はターンオーバーもゼロというところが光りますね!

ウィリアムス選手とのツーメンゲームはこれからも見られそうですね!(「Rui-lliams」と勝手に呼ぶことにします😆)彼女はオフェンスもディフェンスも常に細かく動き続けている選手です。オフェンスも最後まで真面目?という表現がいいのか合わせるし、オフェンスリバウンドはいつもいるし、目立たないけどいい選手。ブロックのボールの吹っ飛ばし方が個人的には大好きです🤘☄️

話は町田選手に戻って、スリーのシュートセレクションもかなり適切だったと思います。あれでやっぱりディフェンスとの駆け引きで選択肢が増えるので、いいですね。(欲を言えばもっとミニッツもらってディフェンスとの駆け引きをやり合っているところが観たい😤😊👊)

キンブロー選手からパスが何度かもらえなかったのが結構目立ちましたが、たぶん以前触れたあれです。シュート決めないんだったら自分が1on1やるよ、というやつ。あれは別に選手間で個人的に好き嫌いがあるわけではなく、シュートを決める=価値があるとみなされがちな文化で、キンブロー選手としては勝ちたい一心で無意識?なので致し方ないです。町田選手が継続してシュートを打って、確率を上げていくことで解決するはずです。

あとは、みなさんも見られたと思いますが、町田選手がスリーを決めて終了というコート上のアップがありました。

クラウド選手がシュートをもっと打ってほしいと言うインタビューの内容やこういったアップの盛り上げ方を見ると、チームで一番伸びしろがある、シュートを打つだけで即効のインパクトがあるって思ってもらっていることではないかなと感じました。

今後も引き続き打つことで慣れて確率が上がって、ドライブも効率よくできるようになればいいなと思います。

ディフェンス

コメントしづらい部分。特に今日はマッチアップの相手がガツガツくるわけでもなく、ポストアップされるわけでもなかったので、そこまで目立った部分はなかったでしょうかね。

スクリーンにかかってしまっている部分は何回かあって、あとはコネチカットのチームの性質上ヘルプが来れなくて点数を許してしまったことはありました。そつなくという感じでしたでしょうか。チームディフェンスなので決まっていたことをやっていたと言う印象でした。

クォーター終わりのリバウンドルーズは速かったですね。あの後時間が続いていればよかったのにって思いました😑

Bitly

最後に

負けはしたのですが、前回の負けシカゴ・スカイに比べると嫌な加減が低いのは勝てそうだったからか、町田選手が良かったからなのか。シカゴに比べると相性的にはコネチカットのほうが良さそうな気はします。

ミスティクスはこれで6勝3敗で3位。まだ各チーム、エンジンがかかりきっていない状態なのと、合流組がいなかった序盤の敗戦などが影響して、これからまだ順位の変動がありそうです。

ミスティクスの次戦は、日本時間6/1 (水)朝8:00から引き続きアウェイで、開幕戦で84-70で勝っているインディアナ・フィーバー戦です。若いチームですが油断せず、この後のシーズンを優位に進められるように確実に一勝したいところです!

今回もお読みいただきありがとうございました!

Bitly
Bitly

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