10月29日に開催された富士通 対 ENEOSの試合内容の振り返りです。
他の試合はほんの一部しか観られてないので最後にちょっとだけ書きます。
Wリーグ 10/29 富士通 vs. ENEOS
結果は91−54(前半で46−33)で富士通の圧勝。
この数字だけでもENEOSとして現状があまりよくないというのがわかる感じがしています。サイズで上回るENEOSの失点91は多すぎるかなと。
前半
富士通は序盤からオフェンスの流れが良いと感じました。ボールを持った人がイニシアチブを取って、他の選手はそれを汲み取って合わせるという感じの一体感あるオフェンスが噛み合っています。
さらに外からのシュートも高確率で決まる→ディフェンスが反応する→ドライブ、などの駆け引きができて、好循環が生まれていました。
藤本選手(富士通)の外が入ると、相手チームからすると嫌でしょうね。守っているセンターはゴール下から外に出なければいけないですし。打点が高いので反応せざるを得ない、そこからドライブというシーンも何度かありました。
チーム全体での高確率のスリーは、シュート力があるのはもちろんですが、ディフェンスをしっかり崩せているからこそだと思いました。しっかり崩せてそれぞれの選手が判断力、パス力高く、作り出している、そして思い切り打つ、というところから生まれているなと思います。
ENEOSは…あまりネガティブなことは言いたくないんですけど、オフェンスもディフェンスもあまり良くないです、というのが正直な気持ち。唯一、長岡選手がインサイドで奮闘していましたが、チームとして何を作りたいかも迷いながらプレーしているように見えますし、作る、という意識を統一しようとする気持ちもあまり感じられずでした。どういった方針でやっているのか良く見えないです。
インサイドを攻めるなら他はそれに合わせる、攻めないなら4アウト、5アウトでスペースを広げるともっとハッキリさせたほうがいいかなと。もう長岡選手5番でスモールラインナップしたほうが、スペース増えてドライブが出ていいかもとすら感じてしまった。
ENEOSは特に前半はディフェンスも良くなかったです。トヨタ自動車との試合でも感じましたが、ローテーションが良くないです。個人ディフェンスにもエネルギーをあまり感じませんでした。
2Qの終盤に宮崎選手がスリーを決めたあたりからENEOSのディフェンスが良くなって、富士通もちょっと受け身になった時間帯があり、点差が少し縮むシーンもありました。
ENEOSとしては2Q終盤〜3Qのディフェンスを試合を通じて継続したいところ。オフェンスは仕方ないとしてもディフェンスはもっとできる気がします。
後半
富士通は、前半同様ディフェンスを崩せていて良いオフェンスをしていましたが、シュート率が落ちて、お互いスロースタートな後半でした。こう言ったときこそ、ENEOSはサイズがある渡嘉敷選手のところで確率よく決めていきたいところ。実際ファールを継続してもらっていっていましたね。
ENEOSのディフェンスが2Qの終わりから継続され、富士通はENEOSのディフェンスプレッシャーに苦しんで、ボールコントロールがうまくできず、良いシュートが減っていきました。こういったときにやはり町田選手のPGとしての存在が大きいですね。プレッシャーをかけられたときの細かな気遣いなど、町田選手がいない時にその大切さが目立ちます。(相手チームからすれば町田選手がベンチにいるときにはガンガンプレッシャーをかけたいところでしょう。)
でも町田選手、宮澤選手がベンチから交代で出てきた後のプレー。町田選手は簡単にシュートまでもっていけるアシスト。宮澤選手はオフェンスリバウンドからリバースレイアップと連続でのプレーがあり、先週のENEOSの林選手を彷彿とさせるような交代後のプレーでした。
期待されていることをやってほしい時にやる、それがメダリストたちが共通で持っているものなんだろうか…。
そこから一気に点差が開きましたね。お見事でした。
ENEOSがここいけたらまだ流れくるかも、という時に富士通はディフェンスが良いのが強みですね。宮崎選手も一矢報いましたが、最後は40点近く開き、富士通の圧勝となりました。
スタッツと明日
スタッツを見るとシュート率が富士通52.9%、ENEOS35.8%と大差がついています。アシストも22-10、ターンオーバーは10-23、リバウンドも35-31とあらゆるチームスタッツで富士通が上回っています。
シュート率が良かっただけでなく、そこまでのプロセスや内容が良かったですよね。パスも回っているし、良いシュートを作り出せている、リバウンドもしっかりスクリーンアウトしている、ディフェンスもプレッシャーかけている、走っている、などなど。
この試合に限ってはチーム力の差を大きく感じました。
明日はENEOSとしてはリベンジに燃えるところと思いますが、今日だけ見るとどう改善してくるのかちょっと想像に難しいところです。
やはりセンターの高さを生かす、スペースを広く使う、走る、長岡選手はアウト気味でプレーする(もちろんミスマッチ時はインサイド)、という感じになるでしょうか。
戦略の前に、完全に個人的に…、ENEOSは長年優勝チームでしたし、なんというか良い意味の「王者のプライド」を持ってプレーするというイメージがあったのですが、それが感じられなかったです(バスケの強さ云々ではなく、気持ちの強さ的な意味で)。監督も、大半の選手も新しく、そんなものはもうないのでしょうか。うーん、実際のところはそうではないと思うし、そう思いたいくないので、明日は気持ちのこもったバスケを見たいなと思います。
町田選手に関しては、沸かせるパスに加えて、スリー、ミドルと高確率に決めていましたね。思い切りもよく、あれがあるとやはり更に守りづらくなりますよね。ティーボーHCからの課題に挑戦中というところでしょうか。
【ここで電撃ニュース】ベルギー代表のヘッドコーチ候補にティーボーHCの名前が挙がっているよう。最終的にどうなるかはまだわかりませんが、同代表は来月末に試合があるので早く決める方向でいるようです。
最後に。他に観た試合をほんのちょっと。
山梨QB vs. トヨタ紡織:QBを観たのは初めてでした。スクリーンに次ぐスクリーンでしっかりズレを作ってくるという印象。紡織は最初それに苦しんでいたように見えましたが徐々に対応。QBは逆にそこに固執してパスを探してしまうのが良くなかったかな。思い切り打つと良い流れができていたように思います。
トヨタ自動車、シャンソンを少し観たんですが、コメントできるほどではないので割愛。
明日はもうちょっと観られると思います。
Wリーグ素人の感想:週末2試合ずつの場合、第1戦を観ないとそこにあったストーリーを見逃してしまって、第2戦から観るとなんかドラマの第一話を見逃した感じになっちゃう…って感覚があります(見逃すのが悪い←)第二話を観てから第一話を観るっていうのもムズムズ😅
これってあるあるなんでしょうか笑汗
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