WNBAプレーオフ2022 セミファイナル (ラスベガス vs. シアトル Game1) 8/29

2022 Playoffs
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1回戦は結局アップセットが起こることなく、レギュラーシーズンで1位から4位だったチームがセミファイナルに勝ち上がりました。

セミファイナルの組み合わせは1位のラスベガス vs. 4位のシアトル。2位のシカゴ vs. 3位のコネチカット。ザ・強豪といったような4チームで、どこが優勝してもおかしくない実力のあるチームが揃っています。(ミスティクスもここに入れるチームだった🥲)

個人的にはラスベガス、シカゴを予想しています(気持ちはシアトルに優勝してほしい)が、さっそくGame1の内容をそれぞれ見ていきたいと思います。

※2試合をまとめて書こうと思ったのですが、コネチカットの戦略がよくわからずもう一回見直したいので2つに分けます。

今回はラスベガス vs. シアトルを見ていきます。

ミスティクスの時と違う形式でちょっと見づらいかもしれません。書いていて、時系列だとおかしくなってしまって、さらに1チームだけじゃなくて両チームを書くとなると…って落ち着いた形式がこれです😅

Bitly
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試合前ニュース

ラスベガスはフォワードのハンビー選手(レギュラーシーズン32試合スタート出場で平均9.3点7.1リバウンド)が膝の負傷により引き続き欠場で、あと数週間は戻ってこれないと言われています。他に、フェニックスとの1回戦で捻挫や脳震盪で途中交代した選手がいましたが、この試合は問題なく出場となっています

シアトルはギャビー・ウィリアムス選手(36試合スタートで平均7.5点、5.0リバウンド、3.1アシスト)が脳震盪プロトコル入りで欠場となっています。Tweetで練習中と書いてしまいましたがミスティクスとの試合中に起こっていたようです。

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試合の流れと気づいたことなど

試合の入り方

ゲームのスタートは、シアトルが1回戦のミスティクス戦から見せていた集中力を引き続き見せて、最高の試合の入りでした。一方のラスベガスは硬いというか、いつものスキあらば噛み付いてくるような怖さがなく、シアトルのほうがチャンピオンシップチーム感のある出だしでした。

特に開始の数ポゼションを見ても、シアトルが使うロイド選手がスクリーンをかけて外にポップするシンプルなスクリーンプレーに対応出来ていなくて、集中力のなさを個人的には感じました。

その後の展開

内容的にはずっとシアトルペースだったと感じます。3Qでタルボット選手がファールトラブルでベンチに下がった時が大チャンスだったラスベガスは、追いついて一気にリードすることが出来ず、逆に速攻を連続で許してしまったことが大きかったと思います。

会場の雰囲気もありラスベガスペースっぽい時間帯もあったんですが、その時間帯もシアトルとして悪いオフェンスだったわけでもなくただ自分達でシュートを外していただけのように見えました。終始余裕とまでは言わないですが、自信を持ってプレーしていたというのか。

最後は僅差になり、ラスベガスはチェルシー・グレイ選手、シアトルはジュエル・ロイド選手に攻めさせるオフェンスをメインで。ロイド選手が立て続けビッグショットに決め、ラスベガスはターンオーバーが出てしまうなど、経験の差が出たのかなという気もしました。シアトルが76-73で勝利、1-0として、ホームコートアドバンテージを奪った形となりました。

それぞれのディフェンスと対応

シアトルのディフェンスはオールスイッチの方法をとって、インサイドにいく選手にはできるだけサイズ、強さがある選手をつけて、間に合わなければダブルチームの準備をするという守り方。(これまでもよくあった方法です。)

大きいフォワードの選手(タルボット選手、いればギャビー選手も)と、下のポジションに動ける選手(スチュアート選手、チャールズ選手、マグべゴー選手)がいることで成立していて、ラスベガスはそこからうまくオフェンスを作れなかったようです。

ラスベガスのディフェンスは、ところどころでダブルチームやゾーンを取り入れていましたが、シアトルがそれに準備・予期できていて対応力、パスの判断の良さ、パスの丁寧さで攻略され、崩していたように思います。既出ですが、4Qにラスベガスが追いついた時は、ディフェンスが成功していたというよりも、シアトルのシュートが外れていただけのように見えました。フリーのシュートは打てていたと思うので。

ラスベガスはダブルチームをするのであれば完全に潰さないと良くないです。シアトルの判断、対応も良いのですが間を割られたり、ボールを扱う余裕を持たせてしまったり。ただラスベガスとしてはベンチ層が薄いのもあり、ファールをしたくないので難しいところですね。潰そうとしてファールを取られるのは避けたいはず。

それぞれのオフェンス

一言で表すとすると、シアトルの方が頭を使って攻めている、という印象です。

(もちろんそれぞれの選手のスキルや得点力もあるし、決してラスベガスが考えていないとかそういったわけではありませんので!)

どうやってミスマッチを作るか、どこにミスマッチができているか、誰に攻めさせるかなどの全体の状況をシアトルはより意識して攻められている気がします。

コート上にコーチ🦜がいらっしゃることと、常日頃からそういった練習をしたり試合中のコミュニケーションなどでこれまで培ってきたことだと思いますが、やっぱりコート上で考えているように見えます。

一方のラスベガスは作り込むのはあまり上手ではないなと感じます。シアトルにスイッチをされているので、必ず攻めやすいマッチアップがあるはずなのですが、そこをうまく突けていない感あり、もしくは突けていても、そこにディフェンスが寄った際の対応が上手ではないかな…。

あとは、これも私の考えですが、ラスベガスはキャッチ&シュート(誰かからパスがきてドリブルなどなしでそのまま打てること)が得意な選手が少ないかなと。上の3人が(程度はそれぞれ違うとは思いますが)自分が1on1で作ったリズムで打つシュートが得意な選手、というのが良さが活かし合えない部分じゃないかなと感じます。控えのラクィーナ・ウィリアムス選手、ルパート選手ぐらいでしょうか。

外への合わせで入ったシュートって限られている気がします。インサイドはちょくちょくありましたが。

4Q最後のプレーではさすがベッキー・ハモンコーチ、完璧なプレーが描かれてプラム選手の良いシュートチャンスとなったんですが、やっぱり彼女もドリブルからのシュートの方が得意なんだろうなと個人的に感じた場面でした。

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スタッツから

差があるのがファーストブレークからの得点、セカンドチャンスの得点がどちらもラスベガスがゼロという部分。レギュラーシーズンではファーストブレークは平均11.7点(リーグ3位)、セカンドチャンスは8.9点(ワースト2位)とっています。

速い展開を好むラスベガスからすると速攻なしというのは好ましくはないはずです。その分オフェンスの回数も減る、ロースコアになります。

シアトルとしては、確率が低そうなオフェンスリバウンドには飛び込まず、ゴール付近の1人以外全員はハリーバックすることを徹底して速攻を防いでいたようです。

それ以外のスタッツではアシスト数に少し差がある程度ですね。

ベンチポイントもお互い少ないですね。スタート選手の疲労が心配な部分ではあります。

カギとなった選手など

シアトル:ステファニー・タルボット選手

ギャビー・ウィリアムス選手の代わりにスタートを務めたタルボット選手が1Qから最高の活躍。ディフェンス、オフェンス共に良さが出ていました。試合前にロイド選手からウィリアムス選手の代わりになる必要はなく、自分らしく、という声がけがあったようです。

ファールトラブルで後半は出場時間が限られてしまい、シアトルはその間ガードの選手を出さざるを得ずサイズが小さくなったのですが、そこでラスベガスが一気に勢いに乗れなかったのはラスベガスとしては痛かったです。

シアトル:ティーナ・チャールズ選手

ティーナ・チャールズ選手も1Qから、試合を通じて要所要所で勝利には欠かせないプレーをしていました。欲しい時の得点だったり、リバウンド、ディフェンス、ルーズボール。リバウンドは18リバウンドとっています(!)

シーズン終盤まで噛み合っていなくて不安でしたが、チームとしてスチュアート選手とロイド選手を第一オプションにする方向にしっかりと舵を切ってやったことで、縁の下の力持ち的な存在でこのタイミングでバッチリチームにフィットしているように見えます。

このシリーズでは特にディフェンスとリバウンドが大きいと思います。シアトルはフィジカルなセンターがいなかった(マグべゴー選手はまだ若さがある)ので、身体を張ってアジャ・ウィルソン選手に簡単にやられないこと、更に、上にも書きましたが、横にも動けることでオールスイッチ戦略ができるのが強みです。

オフェンスも、そもそもボールを持てば得点力のある選手ですし、オフボールでもシュートを打てるので、相手としてはそれ以外の選手にヘルプに寄れない状況になり、チームとしての負担をかなり減らしているように見えます。

シアトル:ジュエル・ロイド選手

4Q最後のクラッチプレー連続はもう触れるまでもない、すごいとしか言いようがないご活躍でした。それだけではなく、同時にディフェンスではラスベガスの超オフェンシブなガードの選手たちを守って、さらにボールハンドラーとしても相手のダブルチームにミスすることなく素早いながら丁寧なパスで対応していました。すべてが「一流」って感じました。

それ以外のシアトルの選手

それ以外にもバード選手が12アシストで0ターンオーバーという記録。今年のプレーオフ3試合で102分出場で24アシスト、1ターンオーバー、そして全勝と素晴らしい活躍です。

スチュアート選手もレベル違いのタフショットを含み高確率で決めていました。あれは止められないですね。打点高い。MVP争い、ウィルソン選手とどちらが選ばれるでしょうかね。

ラスベガス

選手を挙げるのが難しかったので一括りとさせていただきます。

チャンスはありましたが、最後のターンオーバーなどに、そういえば1位ではあるけど優勝していないんだと思い出させられました。経験の差もあるのかなぁと。今日の試合に関しては上にも書きましたがシアトルがチャンピオンのようなプレーぶりでした。

最後は(ロサンゼルスでキャンデース・パーカー選手と)優勝経験のあるチェルシー・グレイ選手にやらせてもよかったのではないかなと思うのと、試合を通じてウィルソン選手、ヤング選手の存在をもっと感じられるような展開のほうがシアトルとしては嫌だろうなと思います。

でもあれだけ1on1の能力が高い選手ばかりだとシェアするのも難しいんだろうなぁ🤔

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Game 2に向けて

ラスベガスとしては、中途半端になってしまったダブルチームのディフェンスをどう変えてくるのか、スイッチディフェンス、ゾーンをどう組み込んでくるのか。オフェンスではどうウィルソン選手をもっとオフェンスに関わらせるか。どうガードの選手達のオフェンスを作ってくるか。

シアトルとしては、スイッチのディフェンスを継続するのか、ウィルソン選手にはデレダン選手にやってきたようにダブルチームをするのかなど。

今日の結果、内容に対してお互いを読んでの心理戦になりますね。

元WNBA選手のコーチ2人のやり合いが面白いです。

最後に

結局長くなってしまった…。そうだ、前から短くするの苦手なんだった💦でもやっぱり必要なことを書くとこうなってしまいますよね。すこしでも楽しんでいただければ幸いです!

もう1試合については最初に書いた通り、コネチカットの戦略がいまいち分からずだったので明日もう一度見て、ちゃんと書きたいと思います。

どちらにしても両シリーズとも自分の予想が外れて複雑😅 シアトルは1回戦の強さが本物だったということですね。応援しているくせに信じずに大変失礼なことを申し上げてしまいました🙇🏻‍♀️

このまま流れを一気にもっていって勝ち上がるか、ラスベガスがやり返すか、次戦が楽しみですね。

それではお読みいただきありがとうございました!

Bitly
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セミファイナルの日程は以下の通りです。

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#1ラスベガス vs. #4シアトル

Game 1: シアトル勝利1-0
Game 2: 9/1(木) 11AM
Game 3: 9/5(月) 4AM
3試合で決まらなければ
Game 4: 9/7(水) 11AM
Game 5: 9/9(金)11AM

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#2シカゴ vs. #3コネチカット

Game 1: コネチカット勝利1-0
Game 2: 9/1(木) 9AM
Game 3: 9/5(月) 2AM
3試合で決まらなければ
Game 4: 9/7(水) 9AM
Game 5: 9/9(金) 9AM

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ミスティクスロスな方へ。これまでのミスティクスの戦評のようなもの↓

https://wnba-japan.com/category/戦評

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