今オフに一番注目されているフリーエージェントの一人であるブリアナ・スチュアート選手。
ご本人が絵文字だけのTweetをしたり(絶対楽しんでいる笑)、どこと面談をするか、誰とのプレーを望んでいるか、何を優先させるかなどの噂や予想が各方面から巻き起こっています。
そしてこの度、こういったTweetがあり、波紋が広がっています。
発言内容
「シーズン中の移動について、WNBAのシーズンにおいてチャーター便で移動ができるよう取り組みを進めたい。WNBA選手の健康や安全を優先できる移動方法に対して、自分のマーケティングバリューや自身の発信を活用、貢献したい。それがひいては、より良い商品を生み出すことにつながる。誰か一緒に取り組んでくれる人?」
現在、WNBA選手たちは、ホーム、アウェイへの移動において、一般のお客さんと同じ通常の旅客機で移動しています。
チャーター機を使うのはルールでNGと決められており、1チームが勝手な判断でチャーター機を使うと、リーグの規定により罰金が課されます。金銭的余裕がチームによって異なるため、フェアではないという観点で。(何度も繰り返しになりますが、WNBAは決して裕福ではなく、むしろお金に困っています。)
アメリカ国内のフライトは6時間近くに及ぶものがあったり、遠近問わず、遅延やキャンセルが起こり、それによって空港待機があったりします。キャンセルがなかったとしても空港のゲートのところでフライトを待つのは他の一般のお客さんと同じです。
昨シーズンで個人的に一番印象に残っているのが、ミスティクスのPGクラウド選手がコロナに感染した時。
「感染しないよう不必要な外出をしないことを心がけていたが、旅客機の移動でマスクをしていない人(だったかな?)がいたことで感染した」というコメントをご本人がしていました。実際にどこからの感染かは分からないですが、不特定多数の人と接するという面において、一般旅客機では安全面でどうしてもリスクが高いことになります。
また、もちろん待機時間や他の方と一緒ということで、機内で試合での疲れをケアすることはほぼ不可能でしょう。(チャーター機であればより良い睡眠ができるでしょうし、何かケアグッズを使うことも可能)
「より良い商品」というのは選手自身がコンディションをより良く整えられることで、より良いパフォーマンス、試合が見せられるという意味です。
FAとしてこれからサインするチームとの契約に関してそう言っているというより、リーグ全体の動きで助成金制度を作りたいと言っているのかなと思います。が、所属するチームがどれだけそういった意向を汲んでくれるか、一緒に取り組んでくれるか的な部分も関わると思います。
サラリーの一部をそのお金として充てられる仕組みを作りたい、的な意味ですかね。
反応
選手会長のLA所属のネカ・オグミケ選手、ミスティクスのデレダン選手、引退したスー・バード氏をはじめ、あらゆる選手、関係者が挙手🙋🏻♀️コメントをしています。これからWNBAに入るであろう大学生選手、一般のファンの方も。(どこにでも嫌がらせのようなコメントをする人もいますけど😑)
選手からすればもちろんチャーター機移動のほうがいいでしょうし、ファンからしてもやっぱり選手には身体を大切にしてほしいなというのが当たり前なところですよね。
また別の視点で、ロシアに拘束されていたグライナー選手の移動において、一般旅客機は危険と言われています。彼女が優先的に解放されたことを強く妬む一部の方などがいるからです。(現在ロシアなど他国で捕まっている人の家族とかですね)
そうなるとまたこじれる話で、グライナー選手だけがプライベートジェットというわけにはいかないはず。
いずれにしてもチャーター機の方向には向かっていくのではないかと思います。が、金銭面でスポンサーが必要なのが現状ですね。
コミッショナーの以前の発言
スポンサーについてはコミッショナーが以前このようにコメントしています。
「すべての航空会社、チャーター機会社にはすでに相談している。これは私がリーグに入ってからずっと取り組んできたこと。スポンサーなしでは取り組むことはできない。スポンサーが手を上げてくれたり、資金を作り出す方法があるのであれば、取り組みたいと思っている。この件に関して各所から多くの連絡をもらったが、実際の金額を提示するとその後返事がなくなる。」
サラリーに関しても、NBAの平均は約6億円、WNBAは約1700万円と信じられないような開きがあります。
女子スポーツが持つ、簡単ではない問題です。
このスチュアート選手の発信が今後どう展開されていくか、チームとの契約が関わってくるか、またこの発信から選手中心でリーグ全体に動きが出てきそうですので、引き続き追っていきたいと思います。
最後に
スチュアート選手はなんだかリーダーシップというか、ご自身がリーグの顔の一人ということを意識した言動だなと感じました。
これまではそこまで感じなかったのはバード氏がいたからなのかな。大先輩バード氏からそう言ったことを言われたのかもしれないですね。もしくはご本人が感じ取ったのか。
現在28歳のスチュアート選手。これからオンコート、オフコートどちらにおいても、リーグと女子バスケの成長、拡大にむけてご活躍されることと思います。応援します。
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