ちょっとトゲのある題名ですが、こんな視点も面白いかなと思って書いてみました。ミスティクスの今後の見どころと一緒によかったらご覧ください。
ミスティクスの今後の見どころ
ミスティクスは開幕から3勝1敗で、ESPN発表のパワーランキングでも1位となるなど、開幕前の評価と比べると、幸先良いスタートを切っています💪
正PGのクラウド選手が、衛生安全プロトコルをクリアしたためすぐの復帰(ダラス戦出場の可能性もあり)、そして正センターとも言われている、エリザベス・ウィリアムス選手もアトランタ戦には帯同、出場予定とのことで、さらにチーム力(特にディフェンス)が上がっていくことが予想されます。
クラウド選手の復帰によって、町田選手のプレイタイムは「多少は」減ってしまう可能性が高いですが、開幕戦、2試合目において見られたように、クラウド選手との出場も問題なく、さらに、いない場合も第3戦、4戦と実力を示していましたので、引き続きある程度の出場は確保されるでしょう。
特に第4戦では、デレダン選手はもちろん、復帰したクラーク選手(走ってくれるし、ドライブにあわせて外から打てる、タイミングよくポストアップしてくれる)とも相性が良さそうでしたので、今後様々なラインナップが見られると思います。誰と一緒に出ている時がいいか、という見方も楽しいですね。ティーボーコーチも大変そうですね😊
その中で、先日のコーチのインタビューでも引き続き町田選手の外からのシュートの重要性が語られていました。現地記者さんの練習後インタビューです。見ていない方はこちらでご覧ください。(現地記者さんがTwitterにあげてくれているものの和訳です。)
正ポイントガードで2番ポジションの役割も出来るクラウド選手がいる、いないに関わらず、今後はさらに各チームがスカウティング分析を進めるので、多くのチームがダラス・ウィングスのように守ってくる(アンダー:スクリーンの下側をくぐりぬける守り方で外からのシュートを打たせる)と予想されます。また、他チームにはゾーンをやっているチームもあります。
ここで、そのまま思うようにやらせておいたら=つまり外から積極的に打たなかったら、さらにその守り方が続き、町田選手は攻めづらくなるわ、チームとしても流れが生まれないわ、という悪循環になってしまうため(それが続けばプレイタイムにも影響してしまう恐れありだと思います)、アグレッシブに、というティーボーコーチのコメントでしょう。
シュートを打たないPG?
では、能力が高い選手で溢れるこのWNBA。さらにクラウド選手やデレダン選手のような複数のポジションができる器用な選手ばかりが生き残っているように見受けられますが、
過去に「外からシュートを打たない選手」は生き残れないということでしょうか?🤔
結果から言うと・・・
生き残っています🧞♂️
さらに、現役バリバリで今もいます🔥
そんな選手を一部ですがご紹介していきます。
現役選手
Jordin Canada(ジョーディン・カナダ )選手 | ロサンゼルス・スパークス #21
168cm 26歳
2018年から2021年までシアトル・ストームに在籍。レジェンドPGであるスー・バード選手の控えPGとしてプレー。2018年、2020年に同チーム優勝の際、ベンチから勢いをもたらす選手として、重要な役割を果たしていました。
そして、2022年にホームタウンであるロサンゼルスのチーム、ロサンゼルス・スパークスに移籍し、大ブレイクしている選手です。レギュラーシーズンのスタッツの比較をすると・・・
- 2021シーズン シアトル:平均18.7分出場 5.8得点、3.0アシスト
- 2022シーズン ロサンゼルス(4試合消化時):平均28.5分出場 15.5得点、4.5アシスト
MIP(最も成長した選手に贈られる)アワードもありえそうです。
プレースタイルはこんな感じです。
個人的にシアトル・ストーム在籍時は、スピードがあってボールをプッシュする、ゲームの流れを変える選手だけど、外からのシュートはないし、ゴール下までドライブするけどボールを止めてしまって、もう一歩だなぁと思っていました(ごめんなさい😅)
この選手はスリーはほぼ打ちません。スリーどころかミドルもあまり安定的な印象はないです。ほぼ、ドライブからのフィニッシュやアシストが多い。シュートを見ると、あ、シュートが上手でない方のシュートだなってわかるかも(失礼💦)
スタッツをみると、2022年で5シーズン目ですが、これまでのキャリアで131本スリーを打ったうち24本成功(18.3%)とあまりよろしくないですね。この打っているのも、24秒やドフリーだったので打たざるを得ない状況ではないかなと思われます。投試数もキャリア116試合で131本なので平均して1試合に1本うつぐらい。
それでも!この選手はドライブで生き残っています。
2点のフィールドゴールはキャリア通算789本のうち310本(39.3%)の確率です。決して最高に良いとは言えないですが、ドライブを警戒されて守られてながら、この確率は悪くはないかもしれないですね。
何よりも評価されているのはボールプッシュとドライブです。
今シーズンのブレイクを見ると、シアトルのチームスタイルよりもロサンゼルスのスタイルやチームメイトが合っていたのですね。ある程度自由度があって、周りもフィニッシャーに囲まれているので、伸び伸びやれているようです。
ちなみに小ネタをはさむとこの方は歌が上手です。
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Danielle Robinson(ダニエル・ロビンソン)選手 | インディアナ・フィーバー#3
175cm、33歳のベテランPG。
2011年にドラフトされたサンアントニオ・スターズ(現ラスベガス・エースィズ)で5年、その後フェニックス・マーキュリー、ミネソタ・リンクス、ラスベガス・エースィズ、そして現在のインディアナ・フィーバーと複数チームを渡り歩くジャーニーウーマンです。
レギュラーシーズンキャリア平均9.3点、4.2アシストを記録していますが、
WNBAでプレーし始めて6シーズンの間はスリーを決めておらず(33本投試)、2008年にようやく決めています(そのとき盛り上がったでしょうね😅)。その後のシーズンは少しずつ決めていますが、これまで11年のキャリアで135本中24本という、5年目のカナダ選手の現時点の数字とほぼ一緒!
なのでよっぽど打たない。むしろスリーを打つのを見られたら超レア、みたいな選手ですね。
プレースタイルはカナダ選手と同じかそれ以上にドライブ、ドライブ、ドライブ系です。ヘジテーションをおりまぜて細い身体でグイグイインサイドに入ってきます。
2選手の共通点
共通点はご覧の通り、ボールをプッシュすること、そしてドライブからの積極的なレイアップ。ゴール下付近まで持っていってフィニッシュ。という形が多いことでしょうか。
ドライブがくると警戒されながら、それをかいくぐってシュートまで持っていきます。もしくはファールをもらってフリースローをもらうというスタイルですね。
決してパスが超上手というわけではありません。ハイライトになるアシストパスはありますが、パスだけを見た能力でいえば町田選手のほうが高いというのが私の意見です。
引退選手
次にすでに引退されている選手です。
リンジー・ウェイレン氏(元ミネソタ・リンクス、コネチカット・サン)
こちらは2022年の殿堂入り選手、リンジー・ウェイレン選手。
2004年から2009年までコネチカット・サン。2010年から2018年までミネソタ・リンクスで同チームがDynastyと呼ばれた黄金期の一員を担っていました。
175cmのPG。2018年を最後に引退し、現在は自身の卒業校ミネソタ大学のコーチをしています。
アメリカ代表、WNBAファーストチーム、オールスター、リンクスの歴代キャリアアシスト記録保持者など、輝かしい経歴をもち、同チームが2011、2013、2015、2017シーズンに優勝をした際のポイントガード。自身がつけた13番はリンクスの永久欠番となっています。
こちらハイライトです
既出の2人と少し違うタイプです。
スピードがあったり、伸びがある動きだったりするわけではないですが、フィジカル、ボディーバランスに優れていて、身体を相手にぶつけてのプレーや、サイズはないのにゴール下をねじ込んでくるようなプレーが特徴の選手です。
2004年からプレーしていたコネチカットではスタッツを見ると1試合平均2本程度スリーを打っていましたが、ミネソタに移籍後、特にキャリア晩年は1試合に1本以下となっています(最後の2年で再び微増)。
私のイメージとしては、スリーはあまり入りそうにないけど、コントロールだったり、リーダーシップに長け、アツく、ミドルは結構高い確率できめるPG。
特に当時(優勝をしていた頃)のミネソタは点を取れる選手が多くいたので、しっかりと形をつくってExecuteするのが重要だったのでしょう。
ちなみに、この選手がコネチカット・サンにいた頃のコーチは現ミスティクスコーチのマイク・ティーボーコーチです。(その頃は打てと言われていたから少し試投数が多いのでしょうか😆また、現在お勤めのミネソタ大のアシスタントコーチは少し前までティーボーコーチのお嬢さんでした。)
この選手たちから見る町田選手の今後
スリーを打たない選手といえば、という視点でまず思いつく3名を挙げました。
それ以外もいると思うのですが、パッと思いつかず、それ程限られていることだと思います。なので、いると言ってもほんのひと握りということですね。
そしてこれらひと握りの選手は、スリーはほぼ打たないけど、フィニッシュの能力やボールプッシュ、リーダーシップ、ゲームメイクなどの、シュート力以外に突出した能力があることで生き残れているということでしょう。その突出した能力があるため「確率が良くないから打たない」という選択なのですね。
町田選手に関してはティーボーコーチがコメントしているように、スリーポイントが打てば確率が良いのに、打っていないだけ、それはキャリアでの慣れからくる積極性の部分が大きく関係しているのかなと見受けられます。記者さん達の映像から毎日のようにその練習をしている姿が見られますし、チームとしても、ご本人としても課題として取り組まれているようです。
だからといってシューターみたいになる必要はなく、あくまで引き出しをいくつか持っておくということが今後スカウティングされ対応されてくる中で重要です。
今回あげた選手たちと同じように、町田選手には突出したスキル=ドライブ+パスがあるので、それに加えてある程度のシュート力があることで、WNBAで今までにないタイプのプレーヤーになっていけるでしょう。
スクリーンの下をくぐられたときに、外から打たれるのはシュートが入る入らないに関わらず、ディフェンスにとっては嫌なものです。それをある程度の確率で決められたらよっぽど嫌ではないでしょうか。対応しづらい!
最後に
ということで今回はシュートを打たないPGを紹介しました。
出身の国によっても特徴があったりしますし、ポイントガードも色々なタイプがいて面白いですね。
アメリカ選手はとにかくガンガン系が多く、パス系は少ないです。パス系もいるけど、パス系の選手のドライブはスピードコントロールされててそこまで速くなくて、どちらかというと外角シュートが得意なことが多いです。なのでドライブ+パスの町田選手はWNBAで言うととても特殊系に入るのではないかなと。
今後慣れていって、さらに進化した姿がみたいですね!
それでは今回もお読み頂きありがとうございました。
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