ミスティクス 5/27 練習後のインタビュー、銃乱射事件、アメリカの銃問題について

インタビュー日本語訳
この記事は約19分で読めます。

先日の試合の戦評のようなもの内では触れませんでしたが、先日の試合後、ミスティクスは「メディアブラックアウト」つまりインタビューの制限を行いました。

Twitter上であげられたクラウド選手とコーチのインタビューの内容だけ知りたい方は、(安定の)予想以上に長くなってしまったので、最初の部分は飛ばしてインタビューだけ読んでください。

ただ、背景を知っていただくことで流れとしてインタビューの意味が分かり、アメリカが抱える社会的問題が理解できると思います。(※私は日本人ですので、全てを知っているわけではありません。何かを知らずに見逃していることがあるかもしれませんが、これまで学んだことや調べて知ったことをまとめましたのでご参考になれば幸いです。)

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5/24に起こった事件から

メディアブラックアウトの直接の発端となったのはテキサス州で現地時間2022年5月24日の昼に起きた銃乱射事件です。

テキサス州ユバルディにあるロブ小学校に18歳の男(サルバドール・ラモス容疑者)が押し入り、銃を乱射。児童19名を含む21人が死亡。ラモス容疑者は近くの高校に通う18歳で、駆けつけた警察官にその場で射殺されました。動機は現時点で明らかになっていません。

問題になっていること、またクラウド選手、コーチ陣、NBAゴールデンステイト・ウォーリアーズのスティーブ・カーコーチが強く声を荒げて伝えているのには、当事件だけではなく、これまで過去に起きている事件や差別に関する社会的な問題が背景にあります。

つい先日2022年5月14日にもニューヨーク州バッファローで銃乱射事件があったばかりです。こちらも同じく18歳のペイトン・ジェンドロン容疑者がスーパーマーケットでライブ配信をしながら銃を乱射。10名が死亡。これはアフリカ系アメリカ人を狙っていた人種差別によるものだったことが明らかになっています。

(各事件の詳細は各ニュースなどでご覧いただければと思います。)

これ以外にも、アメリカでは2022年になってからすでに214件の銃乱射事件が発生しています(乱射事件の定義は4名以上が死傷した事件)。学校を狙ったものでは27件起きているそうです。

有色人種への差別に対してもナターシャ・クラウド選手をはじめとしたWNBAの選手は声をあげ続けています。2020年に起きたジョージ・フロイド氏が警官に窒息死させられた事件(くしくも2年前の5月)を発端に起こったBLM運動の際にもクラウド選手は積極的に発信。バスケよりも重要なことがある、とシーズンを全休しデモ運動を行いました。

Andscapeウェブサイトより。左にティアナ・ホーキンス選手、右はワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビール選手

「Systemic Racism」「System」という表現が多く使われるのですが、構造的な人種差別を指します。アメリカの社会構造に特定の人種が不利になる、不平等になる仕組みが組み込まれているということです。(例えば裕福さ、賃金、雇用、住居、行政からの監視、犯罪へ課される罪の重さなど)こちらが参考になります(英語)。

以下ような写真をSNSで見たことはないでしょうか?ある事件が起こった時に(事件でないものも含むが)白人は重武装/heavily armedしているのにただ逮捕されただけ、有色人種の人は何の武器も持っていない/unarmedにも関わらず殺されている、という構造的な人種差別を訴える画像です。ちなみに一番下の右から2人目は上で書いたバッファローの事件でのジェンドロン容疑者。逮捕され、容疑は否認しているとのこと。

話がそれましたが、アメリカではこのような問題が社会的問題としてあがり、クラウド選手はこれまでも積極的に発言をしてきました。それが先日ミスティクスのデレダン選手が、クラウド選手はチームだけでなくリーグ全体の「ボーカルリーダー」、つまり声をあげてくれるリーダーだ、と表現している背景です。

この度の事件も、銃による暴力の問題と人種差別が関わる事件となってしまいました。

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インタビュー日本語訳

25日試合後

エリック・ティーボー アソシエイト・コーチ

(同日マイク・ティーボーコーチの代わりに指揮をしたエリックコーチ)

試合についてはあまり話したくありません。ティップオフの前に事件のニュースを見て、試合に近づくにつれ詳細が明らかになってきてチームでも暗い雰囲気になっていました。

このようなことが続く状態を放置しており、国として狂っていると感じます。

特にワシントンDCに本拠地を置くチームとしては、サンディーフックの事件(2012年の小学校銃乱射事件)から繋がる事件が何度も起きているにも関わらず、連邦政府が何もしていないように感じています。

自分に子どもはまだいませんが、自分の奥さんの家族の家に行く時はいつもサンディーフックを通ります。あの事件で変わるべきだったのに。それ以来、全く何も変わっていないことが信じられないです。

これまで積極的に活動してきたターシャがこの後話すと思います。自分としてはこれ以外何とコメントしていいか分かりません。

民主側がこのことを優先的に考えてくれ、変わってくれること、何か対策がされることを願っています。

ナターシャ・クラウド選手

今日はメディアブラックアウトとします。みなさんテキサス、そしてバッファローで起こった事件についてご存知だと思います。最初の事件から2週間経たないうちに次の事件が起こりました。

この国は問題を抱えています。白人至上主義だけでなく銃による暴力の問題です。

私はこの場を発言の場として利用します。今日の試合は大きな問題ではありません。今回のテキサスでのばかげた銃暴力の事件で18名が殺され、これからも増えるかもしれません、小学校ですよ。

子どもが安心して学校に通えない社会にも関わらず、銃に対する意味のある法律が施行されていない。武装した人の問題ではなく、銃に対する法律を作り、それが起こることを未然に防ぐことを言っているのです。

この国でこのような同じミスを繰り返すことは許されない。お金や利益のために何も行動に移されない。

みなさんお願いですから、これについて声をあげて、地方だけではなく連邦政府に意見をしてください。「ばかげたことのために人の命が奪われるを見るのはもううんざり」「銃規制の法律を作りお金ではなく人の命を守る時」だと。

聞いてくださりありがとうございます。みなさん、愛する人に連絡してください。もしネットで異常な発言などを見たら警察や他の人にすぐ伝えてください。

政府が仕事をしないのであれば、私たちが動く時です。コミュニティーとして共に戦うときです。ありえない状態ですから。

被害者のご家族にはミスティクスより心からお悔やみ申し上げます。ミスティクスはあなたたちのために祈り続け、戦い続けます。

27日練習後

マイク・ティーボーコーチ

17歳か18歳かの人間が、銃ショップに入ることができ、2つの武器それも明らかに猟銃用ではない武器を合法的に購入でき、385発の弾薬を何も疑われることなく購入できているところに、一体どんなモラルがあるのか全く理解が出来ません。

また容疑者がネット上に予告の投稿をしていたのにも関わらず、その危険性が誰にも伝わることなく事件が起きてしまったことも理解不能です。

事件が起こるこういったシグナルがあったにも関わらず、何も対処されなかったということです。

法律や銃規制についても話すべきですが、常識として周りの人が一歩踏み出して何かを言わなければいけないと思います。

若い人が武器や弾薬を大量に購入して良いことが起こるはずがないのですから、銃ショップのオーナーは利益より優先することがあるべきです。

社会として周りの人を無視しがちで、一歩踏み出して発言することがなくなり、このような事件が起こる最初の部分を止めることができなかったのです。

もちろん法律が変わる必要があるし、NRA(全米ライフル協会:後述します)に操られる政治も変えなければいけないです。今週末にはNRAの総会で共和党の3名がスピーチする予定とのことですが、ふざけていますよ。

何年もそういったことが続いており、何かしなければならないです。めちゃくちゃな社会です。

クラウド選手

※スレッド表示のため順番が異なるかもしれません。また長く見づらいと思いますが、省略せずそのままの訳としました。

疲れています、本当に疲れています(うんざりという意味を含む)。コーチのインタビューも聞いていましたけど、一体私たちは何をしているんだろうという気持ちです。一体いつになったらもう十分だ、十分だから変えようと言えるのでしょうか。支持する政党が民主党だろうが共和党だろうが無所属だろうが関係ありません。人としての問題です。人間としての中心の部分に何を持っているか、モラルや価値観が何なのか、なにが正しいか間違っているかという話です。

人びとのために活動をすると誓いを立てた議員(選挙で選ばれた時誓いを立てる)であるはずが、仕事をしなかったせいで今回の事件が起こり、被害者家族は18名、19名の愛する人を失った、しかもその人数は2週間前のバッファローの事件の被害者を含まない人数です。

仕事をしてください。NRA(全米ライフル協会)の総会でスピーチがあるようですが、病気、異常ですよ。しかもその人たちは選挙で私たち自身が選んだ人たちなんです。

この2日間は本当に辛く、スマホを見ないようにもしましたが、同時に自分が持つプラットフォーム(発信ができる場。インタビューやSNSなど)を使って発信をするようにもしています。

(バスケットボールの話についてと記者さんが言ったところで)

今日はバスケットボールについては話しません。こんな状況でどうやったら話せるかわかりません。

私たちはバスケでお金をもらっていますが、国がこんな問題を抱えていてどう話せるでしょうか?銃の問題だけではありません。女性の権利やLGBTQ、構造的な差別、刑務所の改革など、アメリカの基礎は問題ばかりです。

アメリカ人が他の国がどうこうと批判して自分たちのほうが優っていると言いますが、私たちはクズですよ。本当の。フラストレーション以外の何物でもないです。私たちは、私たちが持つプラットフォームを使ったり、デモ行進をしたり、啓蒙することはできます。しかし、議員が仕事をしなければ、コミュニティーのために奉仕するという誓いを守らなければ、お金や権力を守ろうとしているのであれば、私たちは一体なにができるでしょうか。権力をもつ役職に腐敗した個人が集まっていたら、どうすればいいでしょうか。

私はWNBAでのキャリアが終わった後は政治の道に進もうと思います。こんなことが続くのはいい加減にして欲しいからです。政治的なゲームの一部になることに疲れました。

人々の命が関わっているのだから、権力やお金など問題ではない、問題とするべきではないことです。10歳から5歳の子どもの命が奪われました。お年を召した方が食料品の買物のためにコミュニティー内にあるたった一つのスーパーに寄ったんです(そのスーパーで銃乱射事件)。なぜ一つしかないかって?経済的に貧しいコミュニティーだからです。ブラックコミュニティーです。そして(小学校は)主にマイノリティーが通う学校です。警察が(容疑者のいる)教室内に突入するのに90分もかかっています。冗談ですよね。

(今回使用された)AR-15という銃。一体なんのために必要なんだって言いたいです。何のために半自動ライフルが必要なんですか。自分のことを守ることが大切なのは私もわかっています。私自身も銃を所有しています。しかし、使いたくないですよ。使わなければいけない状況なんておとずれてほしくもないです。ただ同時に私たちが住む世の中は所有していなければならない世界なのです。

記者さん:来週DCではデモ行進が行われると耳にした。シーズン中で難しいとは思うが参加する予定は?

もしできることならば参加します。(選手としての)仕事をしながら、私が持つプラットフォームを使い発信をしていきます。それが神の意思で、彼が与えてくれたものですから。私ができることは続けますし、ミスティクスができることは続けます。ウィザーズができることは続けます。これまで通りです。(同じくワシントンのスポーツチームである)キャピタルズやナショナルズ、他のスポーツチームも同様に一歩踏み出してほしいです。今こそ動く時です。ブラックだけではなく、白人の選手も同じように踏み出してほしい。白人の男子選手も同じように踏み出してほしいと思います。(アフリカ系アメリカ人、そして女性がマイノリティー。白人、男性がマジョリティーという歴史、社会的背景からのこのような発言です。)

記者さん:リーグの影響力、このリーグに所属する女性の影響力、プラットフォームを持つ若い女性として自信とともに発言することについて

クラウド選手:なんの秘密でもない。女性がこの国を救い続けるのです。女性が一歩踏み出し、国を育て、子どもが育つのを助ける。それが私たちがやっていることです。

私が持つプラットフォームを使って、次のロールモデルとなる、コミュニティーで何かおかしいことがあれば発言する人に影響があればいいと思います。しかし影響力を持つのにアスリートやセレブリティーである必要はなく、それは家や友人の間、学校や近所で生まれるものです。

次の世代は理解しています。もし私たちが変えることができなくても、次の世代で変化が生まれます。高年齢層の世代がいなくなるのを待たなければならないのは残念なことですが。

ここ2日間は辛かったです。タフスケジュールだからという理由だけでなくて。このようにするのが私なので休まることはないけど、スマホから離れられる時は好きなことをして自分のケアの時間に充てようとしています。だけどそんな時間はあまりなくて、メディアからの呼びかけが必要なので、私たちのプラットフォームを使ってすぐに行動をしていく必要があり、今はそれを行なっています。

ワシントンDCという世界で一番パワフルな都市にいて、その都市ではすべての議員が仕事をしている必要があるということです。私たちの肩にかかっています。

記者さん:ファンやこのことを気に掛ける人が取れる行動は何があるか?

クラウド選手:まず知識をつけてほしい。間違った方向に社会を導くよう作られたこのシステムについて学ぶことができる草の根組織が多くあります。

そして、これから11月に重要な選挙があります。連邦選挙についても私たちは考える必要がありますが、地方や州の選挙も同じように重要です。

自分が投票する人を知るだけでなく、全ての候補者について知ってほしいです。誰がいるのか、それぞれ何を重要視しているか、呼びかけているのか。投票したらその人が公約したことに対する責任をしっかりと果たしてもらうことも大切です。

学ぶこと、選挙への準備をすること。そして地元、州や連邦の議員への意見の発信もしてほしいです。もううんざりしており、今こそ議員がコミュニティーに誓いをたてたことを守る時、このようなことが2度と起こらないよう法律制定への行動をとる時だと伝えてください。

私が小さかった頃の(1999年)コロンバインの事件、サンディーフックの事件、バッファロー、そしてテキサスと同じミスを何度も何度も繰り返している。その理由はお金と権力。それらを命より優先しているんです。

それは、繰り返しになりますが共和、民主関係なく人間としての問題です。見て見ぬふりをするのはもううんざり。「お悔やみのことば」なんてうんざり。被害者の家族もお悔やみなんてうんざりです。

コミュニティーが知識をつけ、正しい人に投票し、そして投票された人が仕事をする、というようにそれぞれが仕事をするべきです。

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銃規制について

現状のルール

アメリカ連邦政府(国全体)のルールでは、購入者の最低年齢は、ライフル銃は18歳、拳銃は21歳とされています。銃購入の際には犯罪歴や病歴などのバックグラウンドチェックが必須となっていますが、2020年新型コロナによる治安の悪化から購入件数が増加し、そのチェックが大幅に遅れることがあったそう。また、今回のように犯罪歴、病歴を持たない人には対応はできません。

連邦でのルールに加えて、規制が厳しい州とそうでない州があります。例えば、カリフォルニア州ではアサルトライフルタイプの銃の新規購入は禁止され、安全基準を満たしたハンドガンのみが販売許可されています。今回の事件があったテキサス州を含む44州では、18歳になったら合法的にライフル銃を購入できてしまいます。

銃規制を阻むもの

これまでも今回のような事件が起こるたびに銃規制への声が高まっていました。それでもそれを妨げているものがいくつかあります。

長くなり恐縮ですが、とくに3つ目のNRAはインタビューでも出てきたので読んでみてください。

合衆国憲法

修正第2条 規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。

民兵=通常は民間人で緊急な時に兵士となる人なので、こう言った人の権利を侵害してはいけない、といったような意味。銃を持つのは「許可」ではなく、「権利」ということです。

アメリカには国全体としての憲法(合衆国憲法や連邦法)と、州それぞれの憲法があります。合衆国憲法や連邦法と州の憲法が矛盾する場合は、原則合衆国憲法や連邦法が優先されます。

そのため憲法改正をしないかぎり銃規制をすることは難しいと考えられているようです。

共和主義・民兵・銃規制―合衆国憲法修正第二条の読み方
共和主義・民兵・銃規制―合衆国憲法修正第二条の読み方

自衛のため

クラウド選手も上で述べていましたが、自分や家族が危険な目にあったときの自衛という理由です。身体的だけでは弱い人間が銃を持つことで対抗することができる、という考えです。またアメリカは広く、特に田舎のほうでは何かあった時に警察の到着までにかなりの時間がかかることがあるようで、それも背景にあるようです。

全米ライフル協会(NRA)

そして最後にインテビューで出てきたNRA、全米ライフル協会

スローガンは「人を殺すのは銃ではなく人。」民間人が銃を持って自己を守ることは、その権利であると主張。400万人以上の会員数を抱え、銃器メーカーや販売店などの法人会員から多額の資金を得て政治的な影響力を及ぼす活動を活発に行っている団体です。

1871年に設立され元々は射撃技術の向上が目的だったのが、1960年代以降のアメリカでの銃犯罪の増加から銃規制の声が高まった背景とともに政治的な活動を開始したそうです。

アメリカには民主党、共和党という二大政党がありますが、大きく分かりやすくくくると、民主党:マイノリティーを助ける、銃規制は必要、バイデン大統領。共和党:強いアメリカ、銃の事件は精神異常者のせい、トランプ元大統領、といった感じです。それ以外の思想はこちらがわかりやすいのでご覧ください。https://diamond.jp/articles/-/251606

NRAは共和党の大きな支持団体と言われていましたが、民主党にも献金があったり、逆に共和党候補に不利となる行動をとったこともあります。それはなぜかというと、候補者がNRAの方針を支持すると、NRAもその候補者を支持、逆の場合はその候補者を支持しないという戦略のためです。無言の脅迫、圧力のようなもので、候補者からすればNRAを支持していればお金、権力が手に入るということ。上のインタビューでのコメントはそういったことです。

実際に銃事件が起きてはNRAを支持し当選した議員は「銃が問題なのではなく、精神的な問題を抱えている人が問題」といった姿勢を打ち出します。ドナルド・トランプ元大統領が以前同様の事件が起きた際にそう発言したのは記憶に新しいことです。

(また今回のテキサスの事件においてはテキサス州知事グレッグ・アボット氏(共和党)が「もっと最悪のことにつながりかねなかった」という失言というのかもう呆れ返るようなコメントを残しています。ユバルディの市長もその人となりを疑うような発言がありました。詳細はここでは割愛します。)

統計的に見た銃世界アメリカ

こちらは100世帯あたりの銃所持数を表すグラフです。群を抜いて多いことがわかります。2018年のものですが、1世帯あたり平均1丁以上持っていることになります。(平均なので持っていない世帯もあるでしょうし、2丁以上の複数を持っている世帯もあるでしょう。)

新型コロナの影響で2020年は過去最高の銃販売数を記録したとのこと。また、今回事件がおきたテキサス州は最も所有数が多いと統計でわかっています。

bbcウェブサイトより

そしてこちらは全ての殺人事件のうち銃が関わるものであった割合です。100件の殺人があったら79件は銃が関わっているということです。

bbcウェブサイトより

アメリカの世論

ただ全ての人が銃規制を厳しくしろといっているわけではありません。

bbcWebサイトより

こちらの調査によるとより厳しくと言っているのは52%。数字は2020年のものですが、それまでも銃にまつわる事件が多発している中のこの数字です。約半分がそのままでいい、もしくはもっと緩和すべきという意見を持っているということです。

なお、調査はギャロップ社という調査会社では有名な組織なのである程度信頼性のある数字と思われます。

最後に

これまで最大の超大作となっていまいました。レポート状態(汗)インタビューだけでは分かりにくいのと、つながっているところを掘り下げて沼状態でした😅ですが、これでも浅い説明です。だいぶ端折っていますし、私が気づいたところだけしかピックアップしていません。(以下は私の個人的考え)

日本人はよく、平和ボケしていると言われます。批判っぽいネガティブな言い方で嫌だなぁと思います😑。海外の情勢とか自分の周り以外で起こっていることに何も関心がない状態、自身に関連づけない状態をそう呼ぶのかなと勝手に定義していますが、日本ではどうしてもそうなってしまうのは仕方ない部分もあるとは思います。国内にいれば大部分が同一民族で、治安もいい、インフラなどが整い安定している、などなど。日本は実際に他の国と比べて平和と言えると思いますから。(それにしても平和マインドぐらいの言い方がいいですね。)

同時に問題を提起すること、人と違う声をあげることが叩かれる文化でもあります。例えばこれを書いていて思ったのが、テニスの大坂なおみ選手。その背景から感性や価値観などはどちらかというとアメリカ人と近いとは感じますが、日本国籍をもつ日本人です。彼女に対して、メンタルが弱いとか子どもっぽい、スポーツに政治は持ち込むなというような批判が多いように見受けられますが、それは典型的な日本人選手はこうであるべき、という考えが批判する人の頭の中にあって、それと比べているからではないかなと。日本国籍を選んだからと言ってなぜその型にはまってなければいけないのかと個人的には感じるところです。(「アメリカ人」「典型的日本人」とくくるのは本当は嫌ですがここではそうさせていただきます。)

Time Asia [US] July 19 - 26 2021 (単号) 大坂なおみ選手表紙
Time is the world's largest weekly news magazine first published on March 3,1923. Time magazine was created by Briton Hadden and Henry Luce, making it the first...

「スポーツと政治は切り離せ」というのが日本では一般的のようですね。スポーツ選手は純白でなければならないような風潮があるように感じます。日本人スポーツ選手が今回のクラウド選手のように声をあげたらどうなるでしょうか?例えば自分が同じような立場だったら声をあげられるのかなと。

よく言われる「違いを受け入れない文化」「出る杭は打たれる文化」です。

日本、アメリカどちらがいい、どの文化が間違っているということではなく、その違いを知っていること、気づいていること、これからも知ろうとすること、自分に当てはめて考えることが大切だと感じています。そうすることで広い視点で物事を見ることができ、デレダン選手のような「世の中には知らないことがたくさんある」という謙虚な考えを持てる、そして最近よく言われる「他人に優しい社会」になれるのではないかと思います。

(まぁでもお金と権力のために上が動かないのはどの国でもあるんだな〜とは思いますよね・・「お悔やみ」なんてうんざり、ってとこなんて「遺憾の意」っていつも誰かが繰り返し言っているのと同じ・・・って思ったのはここだけの話🤫)

アメリカの銃文化、日本人からすれば理解し難いですが、この記事が、銃世界の背景やそれに対する意見があること、そもそもが日本と違う環境であることを知っていただくきっかけとなれば嬉しいです。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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