シカゴvs. コネチカットです。
昨日のラスベガス vs. シアトルに引き続き、もう片サイドのセミファイナルの試合を見ていきます。どちらかというとシアトル側の方が皆さん興味ありそうな雰囲気を感じますが、どうなんだろう🤔
試合前ニュース
シカゴ、コネチカット共に1回戦、レギュラーシーズンと同じメンバーです。
(シカゴは少し前から中国代表のリ・ユエル選手がチームに帯同していません。コネチカットはベテランでスタートを務めるはずだったPGジャスミン・トーマス選手、シーズン途中で契約したブリア・ハートリー選手がどちらも前十字靭帯断裂でシーズン全休となっています。怪我よ、この世からなくなれ😢)
試合結果
先に結果から書いてしまいます。(もう一つのシリーズと一貫性がなくて申し訳ない。良い方法を模索中。)
アウェイのコネチカットが68-63で勝利しています。
19-16
15-18
20-12
14-17
気づいたことなど
なんでシカゴがオフェンスに苦しんでいたかが分かりづらかったのですが、個人的に感じたことをまとめていきます。
コネチカットのスクランブル・ディフェンス
「スクランブル」とはスクランブルエッグにも使われるように、かき混ぜてゴチャゴチャした感じのイメージで、プレッシャーディフェンスのひとつです。
スクランブルディフェンスのあまり分かりやすい動画がなかったのですが、こんな感じ。ボールにはダブルチームではなくてもいいのですが、とにかく脅かすようなプレッシャーをかける。後ろはゾーンで場所を守る。
コネチカットはボールにはトラップしてその後ろはゾーンっぽい陣形というディフェンスを多く使っていました。ただ毎回ギャンブルディフェンスをしてスティールを狙う、というわけではなく、ごちゃごちゃさせて判断をしづらくさせるという感じでした。
それに対するシカゴの対応
これまでのシカゴを見ていた方はわかると思うのですが、綺麗に作ってくるチームです。ご本人たちも「Extra Pass(余分にパスをする)」、つまりより良いシュートを選択するために、より多くのパスをする、ということを意識しているとよく語っています。それが良くない方向に働いてしまっているように見受けられます。
この試合でよく見られたのが空いていてシュートを打てそうなのにパスを探してしまう場面。綺麗に作り過ぎようとしてパスを見たけど実は自分が空いていた、といった感じでしょうか。そういったことから、特にスタートの選手達の思い切りの良いプレーがなく、シュートのリズムがおかしくなっていたかなと感じます。
シュートの判断だけではなくパスの判断も悪く、変なパスミス、「どうしたシカゴ」というようなミスが多々見られました。リズムが崩されていたようです。
2Qはベンチメンバーが出て、逆に思い切りが良かったのがこのクォーターに関しては勝っている一つの要因かなという気がします。
コネチカットのオフェンス
対するコネチカットのオフェンスは、どちらかというとシアトルスタイルです。そう言うと語弊がありますが、ミスマッチをとにかく狙うという意味です。ミスマッチを作るためにうまく作りこむというよりはパワーでこじ開けてポスト狙うみたいな💪
シカゴはフィジカル系ではないので、どこかのポジションでポストがどうしてもミスマッチになってしまうんですよね。
後半〜終盤の展開
シカゴは、オフェンスのリズムが悪いのをディフェンスにも引きずってしまって、トランジションディフェンスも悪く、それがさらにフラストレーションにつながって集中力が続かないといったような悪循環に陥っていました。(ミスティクスもシーズン序盤はそんなことありましたね。)
4Qの開始からようやくシカゴもいつものオフェンスができるようになって、そこからディフェンスも良くなり、ホームの歓声の後押しもあいまって追いついたのですが、最後までシュートを決めきれないことが続いたのが、この試合でシカゴがずっと抱えたもどかしさを表していたかなと思います。
最後の最後までチャンスはあったのですが、残り1分を切ってオフェンスリバウンドを連続して取られたのもチャンスを逃したことにつながりました。
選手器用など
コネチカット
選手の交代はずっとは追っていませんが、4Qコネチカットは、ジョンケル・ジョーンズ選手、ブリオナ・ジョーンズ選手、アリッサ・トーマス選手、デワナ・ボナー選手の4人がコート上に一緒にいました。皆さん背が高くてリーチ長く、動ける選手なのでこれは攻めづらそう。ジョーンズ選手、トーマス選手、ボナー選手の半端ない器用さからこういった布陣が組めるのですね。
オフェンスもこの選手達はゴリゴリ系なのでシカゴは相性が悪そうです。(シカゴはゴリゴリセンターがいないので)
シカゴ
ミースマン選手とバンダースルート選手がプレーオフのこのタイミングでシュートの調子が悪いです。何本かは入っているのですが、安定していなくて、この先心配です。
メンタル的なものなので、もう自信を持って打ち続けるしかないと思います。バンダースルート選手はこの自信の部分がプレーに大きく影響する選手だと個人的に思っていて、昨年優勝したことで余裕が出て安定していたのですが、ここ乗り越えてほしいです。
スタッツから
- どちらもシュート率は良くなくて、ロースコアにつながっています。
- リバウンドで47-36とコネチカットが勝っているのが一番差が出ている部分です。またペイントエリアでの得点も36-24とコネチカットがペイントを支配していました。
- アシスト数について、チーム間での差ではないですが、シカゴにしては少ないですね。思うようにパスを回せなかったということを示していると思います。
- コネチカットのファール数がかなり少ないです。チームとしてファールしないようにもしているとは思いますが、同時にシカゴがもっとアタックしなければいけないことも意味しているのではないかと思います。
- 速攻での特典は14-6でこれもコネチカット。攻めにくいハーフコートオフェンスを敷かれているシカゴとしてはもっと速攻を出したかったですね。
カギとなった選手など
コネチカット:デワナ・ボナー選手
以前注目選手にも挙げたんですがやっぱりキープレーヤーな気がします。サイズがありながら2番までプレーできるので高身長ラインナップが実現しています。またマッチアップではコパー選手を守ることもあり重要な役割を担っています。
オフェンスでもミスマッチがあれば攻められる、ディープスリーもあるというのは心強いですね。
シカゴ:キャンデース・パーカー選手
チーム全体でシュートに苦しむ中、試合がもっていたのはこの選手の奮闘があったからでしょう。19点、18リバウンド、5アシスト、4スティール、6ブロックというモンスタースタッツ。もどかしそうな様子でした。
それ以外の選手
コネチカットはとにかくフィジカルに戦っているのが功を奏しているようです。またスクランブルディフェンスも戦略勝ち。完全にシカゴのリズムを崩しています。
シカゴはとにかく外からのシュートが入らないと厳しいですね。4Qのオフェンスを続ければ入ってくるとは思いますが。こればかりは水物なので忍耐強く、といったところでしょうか。その悪さでディフェンスが悪くなることは避けたいですね。
Game 2に向けて
シカゴとしては(もし次回もコネチカットがスクランブルを続けるのであれば)思い切りのあるプレーをしてリズムよく自信を持ったオフェンスをしたいところです。ちょっと前に書いたと思うんですが、平均よりレベルが高い選手が集まっているのが仇となっている気がします。最初にパスという選択を切り替えたほうが良さそうです。また速攻も出したいですね。
コネチカットとしては、引き続きオフェンスではインサイドを狙って、シカゴが対応してくると思うので、外からのスコアももう少しほしいところ。まずは引き続きインサイド狙いになると思います。
こちらも心理戦、駆け引きとなりますね。ラスベガスvs. シアトルは元WNBA選手。こちらは男性コーチの対決です。
最後に
昨年チャンピオンのシカゴがこのまま黙っているはずはないと思うので、次戦はまた「怒モード」が見れるのかと楽しみにしています。昨年も追い込まれての試合を続けての優勝だったので、まだここから良い試合を見せてくれるはずです!
もし、昨日の時点でファイナルがあったら、シアトルが優勝するような雰囲気の強さですね。集中力、対応力、シュートの調子の良さが抜けているように感じます。
でも今後どうそれが変わっていくかわからないのがプレーオフです!どちらのシリーズもまったく予想できない展開ですね。面白い!
それではお読みいただきありがとうございました!

セミファイナルの日程は以下の通りです。
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#1ラスベガス vs. #4シアトル
Game 1: シアトル勝利1-0
Game 2: 9/1(木) 11AM
Game 3: 9/5(月) 4AM
3試合で決まらなければ
Game 4: 9/7(水) 11AM
Game 5: 9/9(金)11AM
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#2シカゴ vs. #3コネチカット
Game 1: コネチカット勝利1-0
Game 2: 9/1(木) 9AM
Game 3: 9/5(月) 2AM
3試合で決まらなければ
Game 4: 9/7(水) 9AM
Game 5: 9/9(金) 9AM
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ミスティクスロスな方へ。これまでのミスティクスの戦評のようなもの↓
https://wnba-japan.com/category/戦評
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