シアトルとの2連戦が終わったと思えば、今度はこの試合まで4連勝中でリーグ2位の強豪ラスベガス、そして次は土曜にアウェイで1位シカゴ戦が待っています🔥
ラスベガスはリーグ2位ではありますが、ミスティクスはこれまで2戦2勝と相性が良いチームです。今日も相手のリーグ1位のオフェンス力をどこまで止められるかがカギとなった試合でした。
試合前ニュース
ミスティクス
デレダン選手を含む全員での試合です。
試合前に前回の試合でWNBAキャリア通算1000点を記録したハインズアレン選手、1000アシストを記録したクラウド選手がコート上で称えられました。
相手チーム:ラスベガス・エースィズ
ラスベガスのケルシー・プラム選手(先週のプレーヤー・オブ・ザ・ウィーク受賞)試合前コメント:
(Q:平均20点と素晴らしいシーズンを過ごしていますね。ハモンコーチのシステムはどうでしょうか?)
昨シーズンと比べて平均得点が増加しているのはプレータイムが10分ほど増えたことよるものが大きいと思います。そこまで違うことはしてい無いと思うので、時間が増えスコアの機会が増えたということです。
(Q:飛行機移動が最大のディフェンスということを言っていましたが、身体のケアはどうしていますか?)
ヨガ、フォームローラー、マッサージ、アイスバス、サウナなどより時間をかけてケアをして、すぐプレーするという信じられないハードスケジュールです。うまくリカバリー出来たチームが優勝というぐらい。
ミスティクスもここ最近タフスケジュールになっていて、私たちも同じで、移動もあちこちしています。同情している暇はなくやることをやるしかないとは思うので、個人としては頑張って対応しているつもりです。
(Q:NFL選手トム・ブレイディーからギフトがあったのを見ました。)
パッケージが届いて何かよく分からなかったので2週間ぐらい放置していました。受け取ってクリスマスの時の子どものような気持ちになりました。ギフトに時間をかけてくれたことが嬉しいです。好きなアスリートですから。
プラム選手のプレーヤー・オブ・ザ・ウィークに加えて、アジャ・ウィルソン選手が今シーズン2度目のプレーヤー・オブ・ザ・マンスに選ばれています。(絶好調なチームということですね💦)
その他ニュース
そして、ルーキー・オブ・ザ・マンスはまたしてもアトランタのライエン・ハワード選手。(納得の活躍、数字なんだけど、一回シャキーラさんに取らせてくれないかなー😗)
備考
試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。
試合の流れ
スタートは(敬称略)
G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン
1Q
ミスティクスは相手に注意しすぎて思い切りの悪いオフェンスからの開始だったが、オースティン選手が、他の選手がガッチリ守られる中で積極的にアタックし、ファールをもらいAnd1やフリースローを得て得点を重ねていく。
ラスベガスはウィルソン選手が3連続得点、それ以外の選手も個人能力の高さから1on1を決めてくる。
ミスティクスはデレダン選手がベンチに下がると、アグレッシブなラスベガスのディフェンスもあり、オフェンスでさらに流れの悪さが目立つようになり、一方ディフェンスではラスベガスの1on1が止められなくなり、15-21で2Qへ。
2Q
メンバーは(敬称略)
ルイ・マチダ
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
エリザベス・ウィリアムス
シャトリ・ウォーカーキンブロー
デレダン選手への厳しいディフェンスが続く中、ディフェンスのずれを見て町田選手がウィリアムス選手へのアシスト、そしてコーナースリーを沈める。デレダン選手へのマークはその後もボックスワンのような形も見られ、徹底的に続いた。
ラスベガスはグレイ選手が積極的な1on1のオフェンス。ドライブ、アシストと余裕のあるプレーでシュートを作り出す。
残り約6分にラスベガスはゾーンを敷くが、ミスティクスはシアトル戦に続き最初の一本で決める。その時間帯からアトキンス選手がスリーを含む3連続得点(すべてクラウド選手アシスト)。そしてスティールからクラウド選手の速攻で29-32としラスベガスのタイムアウト。
タイムアウト明けはプラム選手も個人能力を見せ始め、自身のスリー、そして寄ったところにパスを捌き味方のスリーを演出。
対するミスティクスはクラウド選手がここまで決まっていなかったスリーを沈め、続いてデレダン選手によったところからパスの展開がうまく決まりゴール下で連続得点と、どちらも譲らない流れで39-41のスコアで前半終了。
ミスティクス、サンダースACのハーフタイムコメント
「デレダンにディフェンスが寄って他の選手がフリーで打ててはいるので、それらを決める必要がある。同選手をダブルチームされるローポスト以外で攻めさせるというオプションもあると思う。」
3Q
開始は(敬称略)
ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャキーラ・オースティン
クラウド選手のドライブからのレイアップ、徹底マークされながらもデレダン選手のミドル、それにアトキンス選手もスリーで続き、徐々にミスティクスのペースとなるかといった雰囲気に。
一方のラスベガスはグレイ選手がスリー、1on1と引き続き奮闘。そしてウィルソン選手に対してはオースティン選手が良いディフェンスを見せるもののやはりMVP。2連続でAnd1を決め、流れを引き戻す。
ラスベガスがまたゾーンを駆使する中、ハインズアレン選手が2連続スリーを含む3連続ポイント。
さらにクォーターを締めくくるプレー。デレダン選手のブロックから、残り時間を使って町田選手のドライブレイアップと65-59とリードを広げ、ミスティクスとしては良い形で3Qを終える。
4Q
メンバーは(敬称略)
ルイ・マチダ
アリエル・アトキンス
マイーシャ・ハインズアレン
エレナ・デレダン
シャトリ・ウォーカーキンブロー
ミスティクスが連続でシュートを決められない中、ラスベガスは連続ポイントで一気に同点にされてしまう。しかしハインズアレン選手からの丁寧なアシストからキンブロー選手のスリー、オースティン選手のミドル。ディフェンスでは個人ディフェンスで相手にファールをせずにプレッシャーをかけ続ける。
お互いディフェンスの強度の高さからターンオーバーやファールも増え、緊張感がさらに高まる。
残り約4分時点から、ディフェンスでは相手の単発のスリーが立て続けに落ち(ほぼ出ずっぱりなので疲労もあるでしょう)、オフェンスはクラウド選手、オースティン選手のツーメンゲームからオースティン選手のAnd1。デレダン選手によったところでクラウド選手のスリー、タイムアウトをはさんでクラウド選手のターンシュート等、15-0ランで一気に81-68と点差を広げる。
ヤング選手にスリーを一本返されるも、1分を切りディフェンスはスイッチで丁寧に対応。その後は時間を使い切り、相手にファールゲームをされることもなく83-73で試合終了となった。
1Q 15-21
2Q 24-20
3Q 26-18
4Q 18-14
気になったこと
スタッツから
- オフェンスvs.ディフェンスの第3戦。今回もミスティクスのディフェンスが勝ちました。
- チームのFG率、3pt率ともに5%程の差が出ています。ラスベガスのシュートは26/64と成功数/投試数どちらもシーズン平均の32.1/70.3より低く抑えています。試合を通して70点台に抑えるのはまさにミスティクスのペース、ディフェンスの勝ちでした。
- リバウンドは30-38。ミスティクスはオフェンスリバウンドは取れていませんでしたが、同時に相手にもオフェンスリバウンドを許すことが少なく、相手のオフェンス回数を減らすことができていたということが言えるでしょう。(合計リバウンド数もシーズン平均の35.9より少なく抑えています。)
- アシストは25-14。ミスティクスとしては平均より多く、ラスベガスをシーズン平均の20.6より低く抑えています。
- などなど、勝ち試合なのである意味当たり前かもしれませんが、多くのスタッツにおいてシーズン平均よりも低く相手を抑えることができているミスティクスのディフェンスの良さがスタッツからも見て取れます。
- また、ベンチ得点が25-5と(ラスベガスはベンチが薄いことで有名ではありますが)、圧倒的な差を記録しています。
- 前回のシアトル戦に引き続きターンオーバーが10-9とどちらも少なく、プレーオフモードの質の高い試合でした。緊張感がすごかったですね。
- デレダン選手が5点ですが+/-が+23!
ディフェンス
基本的にはスイッチせずについていくけれども、難しい時はスイッチで対応というディフェンスでした。ここ最近のダラス、シアトル、ラスベガスのディフェンスを見ていると、スクリーンに対してハードショー、スイッチ、ドロップ(スクリーナーのディフェンスがゴール方向に下がりながら守る)など、相手に合わせて取り入れており、ディフェンスの練習に時間を割いているんだろうなぁと感じます。
個人ディフェンスではオースティン選手のスイッチしてもガード選手についていけるフットワーク、そして特に後半のアトキンス選手のフィジカルなディフェンスが印象的でした。
これまで相手のウィルソン選手には相性の良いデレダン選手をつけていたのですが、試合開始から連続で取られたことを見てかその後はオースティン選手がほぼマッチアップし、所々やられながらも、MVP相手に素晴らしいパフォーマンスでした。彼女に対する評価の声も多く見かけます。ルーキー・オブ・ザ・マンス獲ってほしいなぁ。ルーキーベスト5は間違いないでしょう🔥
アトキンス選手はフィジカルにディフェンスしながらも相手からオフェンスファールをかなり引き出しています。更にすごいのが大袈裟にのけぞりながらも(オフェンスファールを取られなかったとしても)オフェンスについていく身体能力。身体の後ろの筋力が凄そうです💪
クラウド選手が自分はオールディフェンスチームに入るべき選手、と言っていますが、ミスティクスの上の3選手(敬称略:クラウド、アトキンス、クラーク)全員入ることってあり得るでしょうか。入ってほしいけどなー。選べないですよね。
オフェンス
デレダン選手には、シアトルと同じように1試合を通じてほぼダブルチームで守られていました。今後もこのようなディフェンスをされる可能性は高いと思います。
前半はチームのオフェンスのリズムが作れず、心配になる場面もありましたが、特に後半にアジャストしてデレダン選手に寄ったディフェンスを見た展開などができていました。ダブルチームまでいかないまでもボールサイドに人を多めに多く置くディフェンスが見られましたが、それをしっかり見てパスの展開、シュートの選択ができていたと思います。
相変わらずデレダン選手の判断とタイミングが素晴らしかったのと、最後の最後までアンセルフィッシュなところがデレダン選手のすごいところだなと感じました。いつもエースとして20点近く決めていたら自信もあるでしょうし、決めたいとも思うでしょう、自分も決めなきゃといった責任も感じると思いますが、最後までより良いシュートの選択をしてパスを捌いていました。それが+/-の+23に出ています。
(デレダン選手は学生時代はガードをしていたとのこと。それを考えると日本もポジションレスでやればああいった選手が生まれるのか・・・逆にポストの動きもサイズに関わらず全員が学ぶのがいいのか🤔)
あとは(敬称略)クラウドーアトキンス、クラウドーオースティンのホットラインが最近とても目立ちます。クラウド選手は本当に今シーズン成長著しく感じます。アシストを楽しんでいるように見え、必要な時にはシュート、ドライブと、今日の前半はシュートが入らず苦しみましたが後半になって本領発揮してくれました。心強いです。アトキンス選手、オースティン選手としてもパスがくると信頼できるから準備しやすく、攻めやすいだろうなと思います。クラウド選手はアシスト王獲りますね。嬉しい。
デレダン選手がここまでスコアしなくてもここまで得点できるのはかなり心強く、強いなと感じました。こんな試合ができれば優勝もあると思います。
相手チーム:ラスベガス
ミスティクスが勢いに乗るかというシーンが何度もありましたが流石の強豪で、簡単にはやらせてくれませんでした。
4Qに大ブレーキ。疲れもあったと思います。ラスベガスはスタートの上3人は恐ろしいけど、ベンチが薄すぎますね。(オフシーズンの失敗)
復帰したての9年目ラクイーナ・ウィリアムス選手(爆発力のある選手)がベンチからもうちょっと点をとれば少しは変わるかもしれませんが、チームのプレースタイル的にも1on1が多くて消耗が激しく、さらに最近はディフェンスも力を入れているので、かなりの疲労につながると思います。個人的には優勝は難しいのではないかなと思いますけど、どうなんだろう。相性もあるし当たる相手次第?!。
プラム選手の試合前コメントにもあるようにリカバリーしたチームが優勝、つまりベンチの貢献がかなり重要になってくるでしょう。
町田選手
9分出場、5点(2/2)、2アシスト、1ターンオーバー
ここ最近の良さが再び出た試合となりました。出場時間はそこまで多くなかったものの、期待されていることを全てやったと言えるような濃い9分だったのではないでしょうか。
ドライブもスリーも決めて、良いミニッツ(出場時間でのパフォーマンス)でした。シーズン当初から中盤にかけてはプルアップの練習に時間を割いていたようですが、スリーもかなり打ちこんでいるように見受けられます。練習会場に早くきて遅く帰って個人練習をしているという他の選手からの声がありましたので、見えないところでご自身の貢献できる部分を磨いているのですね。
ミスティクスファンのみんなに愛されているようで、会場からもRuiコールがあったようです☺️
最後に
これでミスティクスは20勝12敗と、同勝率だったシアトルが今日試合がなかったため、かなり久しぶりに5位から4位に浮上しました👏
シアトルが明日勝てばまた順位がひっくり返る(直接対決で1-2のため)ので、毎試合が重要、見逃せない展開となっています。
ミスティクスは次は8/6 午前9時〜アウェイでシカゴ戦です。シアトル、ラスベガス、シカゴと上位3チームとの戦いの最後で、ここをまず乗り切りたいですね。シカゴはこれまで3試合してきて、1勝2敗です。
前回はこんな感じ勝利でした。
シカゴが終わればその後は月曜にホームでロサンゼルス。そして最後に土曜、月曜にそれぞれアウェイ、ホームでインディアナです。
ロサンゼルスは現在4連敗中。キャンベージ選手が契約バイアウトでいなくなってからは3連敗です。やはりゴールまわり、リバウンドが弱くなっていると感じます。
インディアナは5勝27敗とメンタルにこたえるようなシーズンとなっています。ドラフト指名選手やこれまで数年で集めた能力の高い若手選手がたくさんいますが、チームづくりのコンセプトのようなものがうまく作れていない、もしくはスカウティングで選手の能力、性質を見極められていない、そんな感じかなと思います。
今シーズンはプレーオフの望みがなくなっています。さらにエースのケルシー・ミッチェル選手が怪我で今シーズン残り全休を先日発表していますので、来シーズンに切り替えているようです。
チームづくりで言えばティーボーコーチがリーグトップクラスのGMだと思うので、一回任せてみたらどうなるかなと🤭 ミスティクスはご子息にゆくゆく譲ると思うので、その後アドバイザーなんてどうでしょうか。(半分冗談、半分本当にあったら面白い)
では次回また土曜に🙇🏻♀️今回もお読みいただきありがとうございました。
ミスティクスの残りの試合はこちら(日本時間。@はアウェイ)
- 8/6 午前9時 @シカゴ
- 8/8 午前4時 vsLA
- 8/13 午前8時 @インディアナ
- 8/15 午前4時 vsインディアナ
これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊
https://wnba-japan.com/category/戦評
コメント