WNBAは現在オフシーズン。2023シーズンが開幕する5月に向けて、トレードや移籍で各チーム、選手の動きが出てきています。
現在Wリーグの富士通で奮闘する(試合は休み期間ですが)町田瑠唯選手。先日、Wリーグのオールスター出場選手一覧にその名前がなく、ザワつきが起きていますね。
WNBAのトレーニングキャンプは4月30日から開始します。そこからプレシーズンゲームを挟み、5月中旬までに各チームロスターが確定していくのですが(つまり選手がカットされていくということ😣)、4月30日はオールスターの日程とかぶっていますのでWNBAへの挑戦が決まっている可能性があります。
今回の記事は現状やら2022シーズン振り返りやら、2023の契約に関わる事など、最初こんな長くなかったのに、私がササッと早く書き上げなかったせいで継ぎ足しにつぐ継ぎ足しで長くなってしまいました😅 ひとことで言うと「現状&予想のまとめ」です。
お時間があるかたは良かったら読んでいただければ嬉しいです。時間がない方は「契約に関係すること」あたりからがいいかもしれません。(それでも長い)
(FAの動きも追いつかなさすぎて更新できていなくて🙇🏻♀️ 来週休暇が取れて、まとまった時間ができそうなのでやろうかと🔥)
これまでの現状
まず現状をまとめていきます。
先日ミスティクスが「リザーブド」の権利を放棄することを発表しました。(詳細は以下よりご覧ください)
ミスティクスとしてはガードポジションが過多になりすぎて町田選手に機会を与えられないと言う理由で解消、これによって町田選手は制限のない完全なFAとなり、他チームと交渉が出来るようになりました。
2022シーズン終了後に町田選手はこのように明言しています。「WNBAに来てよかった」「チャンスをもらえるのであればまたWNBAでプレーしたい」
また、上記の契約の変更がミスティクス発表された後も「自分にとって特別な場所のひとつになった!!これが次に繋がるように…」とご自身のインスタで発信されています。
応援する側からしてもWNBAへの2年目の挑戦があるのではないかと期待してしまうところです🔥
各チームの状況
各チーム、大型FAの移籍や再契約などが始まっていますが、各チームのロスターは大体半分ぐらいは固まっていない状態です。もちろんチームにもよりますが、簡単な言葉で表すと、半分はスター級の選手たち、それ以外の枠をサポートメンバー(といっても皆さんすごい方々なんですが)で固めていくという感じになります。
WNBAの経験年数がある程度あるベテラン選手に関してはその能力がある程度保証されているので、他チームでも普通にシーズン終了まで、もしくは複数年契約ということが多いですが、若い選手、経験の少ない選手に関してはまず「トレーニングキャンプ契約」を結ぶことが多くなります。
「トレーニングキャンプ契約」とは、WNBAのルールで上限が決まっているチームに所属する選手の合計年俸(サラリーキャップ)にはカウントされない契約で、シーズン開始前に行われるトレーニングキャンプに参加し、そこで本契約かカットされるか、見極められる契約です。本契約になればもちろんサラリーキャップにカウントされることになります。
町田選手がWNBAで2023シーズンにプレーすることになれば、おそらくトレーニングキャンプからになるのではないかと予想されます。(もしくはどこかのチームのGMやHCにすでに高く評価されていて、いきなり1シーズンもしくは複数年契約となる可能性もなきにしもあらず。)
では、町田選手の2023シーズンの契約において、チームから評価の対象となる項目はなんでしょうか?昨シーズンのパフォーマンス振り返りを含めて、それについて書いていきたいと思います。可能性として考えられるチームも予想します。
2022シーズン 挑戦一年目振り返り、WNBAのロスター枠
2022シーズン、WNBAのワシントンミスティクスに所属し、レギュラーシーズン全36試合、プレーオフ2試合に出場。
日本のファンだけでなく現地のファンにも愛され、応援されていたのは記憶に新しく、2022シーズンの平均スタッツは12.9分の出場で、1.8点、1.1リバウンド、2.6アシスト。シーズンハイでは、9得点、4リバウンド、9アシストという記録を残しています。
シーズンを通じて、全試合に出場し、対戦相手によって出場時間の上下がありましたし、チームの戦略との兼ね合いで本来の力はまだまだ出せていなかったとは思いますが、安定した役割を務めていたと思います。(課題については後述します。)
しかし、WNBAはご存知の通り、ロスターが12名の登録まで、そしてチーム数は現在12チーム。NBAの30チームに比べても半分以下です。12×12の144枠のみ、と世界で最高レベルに入るのが難しいと言われているリーグです。
この枠の少なさが今回町田選手がミスティクスからリザーブ解除に繋がったとも言えるでしょう。
2023シーズンの契約に関係すること
では2023シーズンにおいて、町田選手がどこかのチームと契約するにあたってどのようなことが関わってくるでしょうか。次の4点が考えられます。
(1)チームづくり、チームの方針・考え
(2)コミュニケーション
(3)通訳の費用
(4)NBAのチーム
それでは一つずつ詳しく見ていきます。
(1)チームづくり、チームの方針・考え
チームのGMやHCがどんなチームを作りたいと考えているか。
例えばミスティクスでいえば、2022シーズンリーグ1位の平均失点を誇る、ディフェンシブなチームでした。
それについてティーボーGM(2022シーズンHC)、と2023シーズンからHCを務めるエリックヘッドコーチは、「ディフェンス面は良かったが、オフェンス面において、ボールをシェアし、動きを増やし、ドライブが増えるよう、よいスペーシングを保つチームにしたい」と言っており、ディフェンス面の強さを保ちつつ、オフェンスを改善したいことを明言していました。
実際に2023シーズンに向けて補強したのは、ガードのブリトニー・サイクス選手。
リーチが長く、身体能力が高い選手。スティール平均2本とディフェンスに高い評判があり、一方のオフェンスでは身体能力を活かしたドライブやプルアップが得意な選手です。
昨シーズンからシューターポジションがいないと個人的には思っていましたが、どちらかというとアトキンス選手と似たタイプのガードの補強です。他チームのラスベガスやニューヨークがオールスター級の選手を集めてスーパーチームの変貌を遂げている中で、ミスティクスはガチガチのディフェンスを目指していくことが予想されます。
町田選手のディフェンスはシーズン中から評価が高く、「ヤッカイ」なディフェンスと表現されていました。また、ミスティクスが目指したいオフェンスの「ボールシェア、動く、スペーシング」という部分だけを見ると、町田選手にピッタリと感じますが、同時に町田選手の課題は「得点すること」と言われていました。
サイクス選手は決してアウトサイドシュートがうまい選手ではないですが、サイズがありフォワードの選手も守れること、さらにミスティクスは、スリーが上手で得点力のある2019シーズン優勝時のPGクリスティ・トリバー選手を獲得するなど、ガードポジションがいっぱいになっていき、チーム作りにおいて機会を与えられないという判断となりました。
これはミスティクスの例ですが、チームごとに核となる選手が複数名いて、もしくは獲得していって、それをサポートメンバーで固めていく、その中でサイズやシュート力、ディフェンス力などのバランスをそれぞれのチームが目指すチームにむけて組み立てていきます。
そのチームの方針に合うには、現時点だけで考えると「タイミングと運」としか言えないのではないかなと思います。
もうWNBAのGM、HCは町田選手がどんな選手か知っており、もちろんWリーグの試合もスカウティングしていると思いますが、今になって評価が劇的に変わる事はないはず。(代理人である楽◯さんがめっちゃプッシュするとかもありなのかな🤔)
そんな中でチームの構想に入るには、チームがある選手を探している、「これぐらいのガードの選手で年俸がどれぐらいで・・・」というときにマッチするには、今だけで考えれば祈るのみです。
Wリーグでは1月末時点で平均10点7アシストを記録しています。パス能力、組み立てる能力、ディフェンス力があることはWNBAでも高く評価されているので、それ以外の部分、得点への積極性やサイズ、コミュニケーション能力と年俸のバランスがどう評価されるかというところでしょう。
(2)コミュニケーション
コーチ陣やチームメイトとのコミュニケーション、つまり英語力です。
特に町田選手はポイントガードなので、コート上のコーチとして何をしたいか、何をした方が有利に進められるんじゃないか、ということを発信する必要があります。
ルーキー年であればそれはあまり求められなかったかもしれませんが、2年目となれば経験を活かしてある程度ひっぱる側となることも必要です。
通訳の方がつけるのはコートサイドまで。コートに入ったら自身での発信が必要になります。
周りから言われることをやればいいという面も正直ありますが、今後例えば現地の選手で同じようなパフォーマンスの選手と比べたときに、どうしてもチームとしてやりやすいのはコミュニケーションが取れる選手を選んでしまいますし、結局勝負がかかった場面でプレーさせられないのではないかなと思います。
ミスティクスではHCがエリック氏になったことで、この部分も影響があったのではないかなと個人的には思っています。
HC経験の長いマイク・ティーボーHCから、他のカテゴリーでは経験があるものの、WNBAのヘッドコーチは初のエリック氏に交代。マイク氏に比べれば経験が少ないと言えます。その状況下では、コート上のコーチと言われるポイントガードがより重要となってくるのは言うまでもありません。コーチとの会話、チームとの会話において、英語力が2022シーズンより重要となってきていたのではないかと予想しています。
(3)通訳の費用
ゲンキンな話になってしまいますが、通訳者の費用も発生します。
2022シーズンにおいてはミスティクス側が負担したというのを目にしました。
いくらかはわからないですが、年俸に加えて、もし2023シーズンも専属の通訳をつけるのであれば、かつそれをチームが負担するのであれば、他の選手に比べてその分費用が増えるということです。
ちょっといやらしい話ですが、その負担をしのぐパフォーマンスとマーケットバリューがあるか、というバランスをチームは判断することになります。
(4)NBAのチーム
なぜ?関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、大きく関係すると私は考えています。
ワシントン・ウィザーズとミスティクスは、どちらもモニュメンタルスポーツ&エンターテイメントという会社が運営しています。
2022シーズンは町田選手への厚いサポートがあったことが記事やSNSで語られていました。その中の一つが言語面でのサポートです。
スカウティングレポートは訳され、フィルムには字幕もあったという話を聞いています。それは同社で日本人のサポートやマーケティングをするチームがあったからでしょう。
それは八村塁選手がウィザーズに所属していたからでもあります。
現在4年目のシーズンを戦う八村選手は先日トレードが正式に決まり、レイカーズへ移籍。パープル&ゴールドのユニフォームを着て、奮闘しています。
八村選手の場合はもう言語面ではサポートはいらなさそうですが、マーケティング面では日本マーケットにフォーカスしたチームがあるのではと思います。ウィザーズから八村選手が移籍し、ウィザーズ内の日本サポートチームを女子チームの選手のサポートだけに構えておくというのは正直想像しづらいです。
それも町田選手とのリザーブ契約解消に関わっていたのではないかと思います。
特にWNBAはNBAに比べて金銭面で経営が厳しいチームが多いので、WNBAのチームはそのチームが所在する同州のNBAチームと同じオーナーが保有しているところが多いです。
予想
個人的な予想です。(これをお読みの皆さんもそう予想されている内容だと思います😊)
渡邊雄太選手が所属するブルックリン・ネッツと同じオーナーが保有するニューヨーク・リバティーへの挑戦がもっとも可能性が高いのではないかと思います。
日本サポート
そう考える根拠としては、1つ目は組織内に日本チームがあるであろうということ。渡邊選手ももう通訳は必要なさそうですが、日本関係のサポートは他チームと比べれば厚いはずです。
年俸、チーム状況
また、2つ目として、リバティーは現在超スター選手が集まってきている状態で、すでにラスベガスと共に優勝候補とされています。集まってきたスター選手も減俸を飲んでいるようですが、それでも良いサポート選手を集める&引き止めるためにはやはりお金も必要です。
町田選手は2年目でドラフトにかかった選手でもないため、経験がある程度ありながら比較的年俸が安い選手でもあります。サポート選手にそこまでお金を出せないチーム、ということでマッチしている気がします。
また、チーム状況としても他のチームに比べると国際色が強いのかなという印象。
他のチームでは、例えば若い選手で溢れていてグイグイ引っ張る系のPGが必要のチームとはマッチしないと思うんですよね。比較的安定していながら、変化をもたらせるPGというところはNYにはいいのではないでしょうか。(・・・と思ってロスター見たら、超ベテランのエピファニー・プリンス選手もシアトル→NY移籍していたのね。いつ?!汗。こうなるとイオネスクが完全SGになってくれないと出番が厳しいか。プリンス選手もSG寄りではあるが。)
シカゴから移籍のコートニー・バンダースルート選手がスタート、2番手で出られたらいいなぁ。
サンクロレラ社
3つ目として、Twitterで早いタイミングでご連絡くださった方からのご指摘として(ありがとうございます!)、先日町田選手がサンクロレラ社との契約を発表しています。
サンクロレラ社はもともと、2019年から渡邊選手をサポート。2020年からブルックリン・ネッツ、ニューヨーク・リバティーの両チーム(同じオーナーなので、おそらく両チームを入れることが条件に入っていると予想)のパートナーとなっています。
この度サンクロレラ様と契約させていただきました。去年から飲み続けて、効果は絶大です!!! 人生初のCM撮影もさせていただき、とてもいい経験ができました! 今後ともよろしくお願いします!! https://t.co/ZKqw2f2gSL— Yuta Watanabe 渡邊 雄太 (@wacchi1013) April 25, 2019
なんとなくニューヨークに行く動き、つながりがあるのではないかな〜と勘繰ってしまいます。(が同時にサンクロレラ社は結構今マーケティングとして色々なスポーツチーム、選手と提携しているので、町田選手の人気ぶりを魅力に感じているということだけの可能性も・・・?)
という感じです。
ミスティクスが契約を解消してくれたことで、言わばどのチームにも挑戦する可能性はあります。が、現状況から最後まで契約に至る可能性が高いのはニューヨークではないかなと思います。
それか・・・八村選手のLAか。
はたまた、もう英語がバリバリ話せるようになっていて、シカゴ、フェニックス、シアトルとか行く可能性もあるかもーーー
最後に
トレーングキャンプ契約からのスタートだとしても、WNBA以外の挑戦だとしても、海外に挑戦する町田選手の姿を見られることを願っています。
現在シーズン中のWリーグ、富士通でのご活躍、チームの成功もお祈りしております!
お読みいただきありがとうございました!
もうすぐクラウド選手が出場するリーグも始まるし、徐々にWNBAが始まるなと言う感じ!楽しみ!
コメント