WNBAブリトニー・グライナー選手、薬物所持でロシアにて拘束。その最新状況。(2022年3月9日時点)

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アメリカ代表でWNBAのフェニックス・マーキュリーに所属する #42 Brittney Griner(ブリトニー・グライナー)選手がロシアにて拘束状態にあるというニュースが数日前に流れてきました。

長くなってしまったので、今回の第一回目で、現時点でわかっている最新状況、そもそもどんな選手か、周囲の状況について書いていきます。次回なぜロシアにいたのか、今後の展開について書きます。

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グライナー選手の最新状況。何を所持していた?

モスクワの空港にて、Vapeカートリッジ(カートリッジ式の電子タバコ)にはいったHashishオイルが荷物から見つかり、数日前に発表された時点で既に3週間拘束されているとのこと。

そもそもVapeカートリッジ、Hashishオイルって何?って感じですが、調べたところ、

azcentral. ウェブサイトより

Vapeカートリッジというのは、「電子タバコ」の本体のカートリッジ。厳密にはアイコスやグローなどの「加熱式タバコ」とは違い、さまざまなフレーバーの蒸気を吸引し、香りを楽しむ機器とのこと。

今回報道されている記事によって、CBDオイル、ヘンプオイル、ハシシュオイル、マリファナオイル等複数の名前が出てきていますが、これらもそれぞれ異なるものです。

大麻には数百種類のカンナビノイドという物質が含まれ、大きくCBDとTHCの2種類に分けられます。

CBDは大麻草の茎や種から抽出される成分で、鎮静化作用があり、中毒性がないもの。THCは大麻草の花、葉や根から抽出され、ハイになる作用があり、中毒性があるもの。

CBDオイルは日本でも合法的に販売されています。誤解されがちで大きなマーケットにはなっていないですが、海外では広く取り入れられています。

さらにヘンプオイルは大麻草の趣旨から抽出される植物性の油で、CBDやTHCなどのカンナビノイドはほとんど含まれていないそう。

ハシシュオイルというのは最もTHCを高く含むもので、マリファナよりも高い成分のTHCを含むもののようです。マリファナが10〜20%のTHCを含むのに対し、ハシシュは20〜60%

どの報道が正しいか、もしくはそもそも詳しく明言されているのか不明ですが、CBDなのか、THCなのか大きな違いではあります。

ロシアは薬物に対して厳しい国です。過去には同様の薬物所持で10年の禁固刑となったケースもあるよう。さらに、今回の場合はタイミングが非常に悪い。現在のロシア、ウクライナ間の情勢において、アメリカに対して有利な条件を提示できる「人質」となってしまっているからです。

最新の情報として、日本時間の本日朝にはMug shotつまり、拘束時の記録のための写真がロシアのテレビで映しだされたよう。

チクチクと出してくるところが怖いですね。

写真は出てきていますが、場所などは一切公開されていないようです。

Mug Shotは、大体の身長が写真でわかるよう身長の目盛りを背景に写すんですが、それを飛び抜けているところがグライナー選手の大きさを物語ります。206cmです。

報道では麻薬犬が薬物を見つけたとされていますが、公開された監視カメラの映像では犬は全く反応していないのに、なぜ彼女が止められたのか、ということもネットでは言われています。

206cmの高身長で目立つでしょうから、何か裏に背景があるのではないかと思わずにはいられないところです。

グライナー選手の代理人であるLindsay Kagawa氏は以下のコメントをしています。

「状況については認識しており、彼女や彼女のロシアでの法定代理人、家族やマーキュリー、WNBA、NBAと密に連絡をとっている。現在進んでいる法的な問題のため、詳細についてこれ以上コメントすることはできないが、彼女を取り戻すまでの、彼女の精神的、肉体的な健康が私たちが最も心配していることです。」

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そもそもグライナー選手って何者?

206cmのアメリカ代表センター。

そのタトゥーとドレッドヘアで東京オリンピックでの印象がある方も多いと思います。

WNBAで試合中にダンクを決めた選手3人目。その後ダンク数の記録を一人でじゃんじゃん塗り替えている選手です。

試合中に両足で踏み切ってダンクできるWNBA選手は今の所グライナー選手だけではないでしょうかね。WNBAにも大学生にもダンクできる選手は数名います。背が高くてジャンプ力、機動力のある選手がどんどん出てきます。

(このハイライトの1分10秒あたりでこの当時シアトル・ストームに所属していた渡嘉敷選手が写っていますね。ちょこっとですが。)

話は戻りまして、超支配的なセンターでローポストでの彼女の1−1を守るのはほぼ不可能なことから、このチームと当たるチームは、ボールがローポストでグライナー選手の元にいったら、ほぼダブルチームを仕掛けます。

日本代表もアメリカ代表と試合した際はそうしていましたね。

以前は足元が弱く、足元によられるとバランスを崩してしまったり、寄ったところで空いたチームメートへのパスがあまり上手ではなかったりしたのですが、フィジカルは強くなり逆サイドへのパスも上達しています。もうベテランの域(31歳)です。

ディフェンスも222cmのウイングスパンから、手を挙げているだけでプレッシャー。日本代表も苦戦していましたよね。もちろんWNBAでも同じようにブロックを量産しています。高校、大学でのブロック記録も保有しているようです。

これだけ背が高くて動ける選手というのは女子選手ではなかなかいません。数十年に1人の逸材という域でしょう。

高校、大学と注目され、大学では3年生の際に全米チャンピオン、その後WNBAでは2014年に優勝しています。それ以外にもオリンピックメダリスト、ディフェンスプレーヤー賞、ブロック王、オールスターへの選出など、数多くの受賞をしています。

それぐらい超超超有名バスケプレーヤーです。

私生活では2013年(大学4年)にスポーツ誌インタビューで同性愛者であることをカミングアウト。同時に、その身長や同性愛者であることなどから幼少期にいじめを受けていたことも話しています。

2014年(WNBAに入った後)にNikeと契約。今ではNikeは「多様性」を重視する企業で、おそらく意識的にそういったアスリート達との契約をしていますが、当時Nikeとしては同性愛者であることをカミングアウトしているアスリートと初めて契約を結んだことになります。その頃から多様性への重視に舵を切ったのかなと思われます。今から8年前です。

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初婚のエピソードがフィクションの世界を超えている件。身体能力もヤバい件。

2014年にWNBA選手のGlory Johnson(グローリー・ジョンソン)選手との「婚約」を発表。

2015年4月に警察沙汰になり一時逮捕まで行く喧嘩をし、お互い怪我までしてしまったようですが、翌月5月に「結婚」。

しかし、数日後にグライナー選手のDVが罪に問われ、両選手はそれによって2015シーズンで7試合の出場停止を食らっています。

翌月6月、ジョンソン選手が双子を妊娠していることを発表。

しかしその翌日、グライナー選手が結婚の破棄を申請。ジョンソン選手はそれを拒否。その後双子は10月に早産で生まれ、最終的に二人は2016年の6月に離婚となりました。

壮絶すぎるでしょ。壮絶というのか話の展開が早すぎる

これ自体は今ネットで調べて書いているんですが、当時インスタか何かでニュースを見ていたとき「???」ってなったのを思い出しました^^;

その後、グライナー選手は2018年に一般の方(WNBA選手ではない)と「婚約」。翌2019年に「結婚」しています。

ちなみに前妻のジョンソン選手。身体能力ヤバい系。

こんなダンクしちゃう系。

身体のしなりがすごい。迫力で言ったらグライナー選手超えていますね。

今回の拘束状態に関しての奥さんのコメント

の奥さんであるCherelle Grinerさんは、ニュースで報道された日にインスタでこのポストをしています。

たくさんの人から心配のメッセージや無事にグライナー選手が戻ってくるよう願うメッセージがあったようで、

「みなさんからのメッセージに感謝します。妻(グライナー選手)のことを愛している私にとって辛い時期なので心のサポートになります。みなさんが妻のことを心配し、詳細を知りたいと思うのは理解しています。安全に妻が帰れるよう動いているので、どうか私たちのプライバシーを尊重してください」というコメントを掲載しています。

また昨日、「会いたい。みんなが帰りを待っている。」という内容のポストをしています。

さらに、なんか複雑な気もするんですが、前妻のジョンソン選手もインスタでこのようなポストをしています。

ジョンソン選手のところにも同じように色んな人から連絡がいっているようで、このような内容です。

「この件に関しての電話やテキストに答え続けたくないのでいいます。

  1. 失礼な人はグライナー選手の行動を非難して、私に同意を求めてきますが、私はそんなことはしません。
  2. 私たちは離婚によってより近い関係になりました。今でも電話をし、相談や人生について話したりしています。彼女が成功しているところは見ずに、失敗するところを見たい人がたくさんいるようです。私はそんな人ではありません。
  3. 私は誠実な人間です。過去にどんなことがあったとしても、友達や家族、愛する人、元彼女、前妻に対していつも誠実です。大きな視点を持っています。

神様は今後何が起きるかをご存知です。グライナー選手は誤解されやすい人間です。私はそのような目で彼女を見ていません。もっと深いところを見ています。

グライナー選手は時に物事の決定を急いでしまいます。私たちは人生で学び、結果を受け入れ、そして前進するしかありません。彼女を好きな人もいればそうでない人もいることはわかっています。グライナー選手は私のベストフレンドなんです。

私たちは過去に一緒に独房に入れられ、一緒に出てきた経験をしています。サポートする気持ちは結婚状態になくてもあるものです。彼女の家族のためにお祈りください。」

(なぜこの写真を選んだか突っ込まないでおきましょう。)

各方面からの声。次回に続きます。

他著名人やWNBA選手も発表があってから毎日のようにコメントを出しています。

心配の声、恐怖だという声、何やっているんだという批判的な声。

Change.orgという「社会を動かす」ための署名サイトでは、彼女の解放に対して現段階で3万件以上の署名が集まっているとのこと。

今回一回にまとめようと思いましたがまた長くなってしまったので、ここで切りたいと思います。

次回、いったい彼女がなぜロシアにいたのか、そして今後どのような展開になりうるのか、書いていきます。

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