ミスティクス 6/17 ニューヨーク戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
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2日前のホームでの試合からニューヨークに移動しアウェイ、ニューヨーク・リバティー戦。

町田選手がシーズン当初の会見で行ってみたいアウェイの街として(咄嗟だったかもしれませんが)挙げていたニューヨーク。プレシーズンで組まれていたリバティー戦は諸事情によりキャンセルになっていましたので、今回ニューヨーク行きが叶った形となりました。少し観光ができたようですね。試合とアウェイへの移動でハードなスケジュールで疲労が溜まっていることと思われますが、少しでもリラックスした時間が過ごせていたらいいですね🗽

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試合前ニュース

ワシントン・ミスティクス

デレダン選手が調整のため遠征に帯同せず不参加。

チームの情報として、ミスティクスの今シーズン平均失点が75.2点でリーグ一位ということが取り上げられていました。ディフェンスが良いことを示す指標の一つです。(試合終了後も75.3点で一位は変わらず)

相手チーム:ニューヨーク・リバティー

イオネスク選手が平均22点、9リバウンド、9アシストのスタッツで先週のイースタン・カンファレンス・オブ・ザ・ウィークを受賞しています。ほぼトリプルダブルの成績ですごいの一言ですね。

力強さ、スキルも優れていますが、それに甘んじた雑なプレーがなく、一つひとつの細かい動きをとても丁寧にやっていることがわかります。日本人にも参考にしやすそうな選手の1人ではないかなと思います。ベテランのような風格がありますがまだ24歳。精神力も兼ね備えており、これから楽しみな選手の1人ですし(シーズン平均トリプルダブルを目指しているのではないかなと個人的には予想🥸)、ニューヨークも今後中期的に強くなっていきそうです。

前回の対戦時にいなかった選手として、フランス代表マリン・ジョハネス選手が数試合前から合流しているのと、これまでのハムストリングの怪我で欠場していたディディ・リチャーズ選手が復活しています。(今回リチャーズ選手はコーチの判断で出場せずでした。)

シアトル・ストームのスー・バード選手引退公表

アメリカ代表PGスー・バード選手が今シーズン限りで引退することを表明しました。シアトルにドラフトされてから約20年、同一チームで(怪我などで欠場したシーズンなどもありますが)プレーし続けた選手で、WNBA優勝4回、WNBA累計アシスト記録保持(日々更新中)、オリンピック5回の金メダリストをはじめ数多くの受賞歴を持っています。また所属したチーム全てにおいて優勝したことがある(学生時代、プロ含む)という、尋常ではないエピソードもあります。

個人的な話をすると、私がWNBAを観始めた時から現在も現役で続ける数少ない選手で、大好きな選手の1人なので、とても寂しいですし、Twitterを見た瞬間の気持ちと言ったら😭。特に2018年頃のシアトルは推していたチームで(アリーシャ・クラーク選手も当時シアトルに在籍)、今のミスティクスのようにスタートとベンチメンバーとどちらも強力な、とても楽しいチームだったことを覚えています。(リーグパスを契約している方はその年のシアトルをぜひ観てほしいです😊)バード選手については戦評のようなものの中の一部ではとても語りきれないので、またの機会に書きたいとは思っています。

備考

試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。

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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F マイーシャ・ハインズアレン
C シャキーラ・オースティン

1Q

まずミスティクスはクラウド選手、オースティン選手の2-2。デンジャーフィールド選手のミスマッチをついてからオースティン選手とのピックアンドロールでスコア。その後ニューヨーク(以下NY)の8-0ランとなるも、タイムアウトを挟んでデンジャーフィールド選手のミスマッチをついたプレーをメインに。カバーが寄ったところでクラーク選手がスリー、クラウド選手のドライブが生まれた。

NYは週間賞受賞のイオネスク選手と、センターハワード選手ツーメンゲームをメインに。ハワード選手は1Qから絶好調でピック&ダイブだけでなく、ローポストでもスキルを見せつける(ちなみにハワード選手、2017、2018、2020年と優勝経験が3度ある選手。2018年にミネソタからシアトルに移籍しMIPの活躍でスー・バード選手と同チームの優勝に貢献したお方。シアトルからNYに同じタイミングでNYに移籍したサミ・ウィットコム選手も同じく優勝に貢献した選手)。

NYの高めのピックに対して、スリーをケアするため(イオネスク選手をはじめとするボールハンドラーがディープスリーを決めることができるため)、スクリーンの上から追いかけなければならず、どうしてもディフェンスのずれができてしまう。また高めのピックなのでスペースが広いため、またNYは全員外が打てる選手を揃えているので、ディフェンスがカバーしづらく、センターのダイブが綺麗にきまってしまう状況だった。また、NYはスペインピック(ボールマンへのスクリーナーにさらに別のプレーヤーがスクリーンをかけるプレー:詳しくはググると沢山出てくると思います)も使い、ハワード選手のダイブプレーで執拗に攻めてくる。

1Q後半は前回の試合で積極的だったキンブロー選手が早い展開からスリー、ウィリアムス選手へのアシストと引き続き好調。またクラウド選手がドライブでスコア、そしてその後2連続スリーで得点を重ねていった。

24-20で1Q終了。

2Q

メンバーは(敬称略)

ケネディー・バーク
エリザベス・ウィリアムス
ティアナ・ホーキンス
シャトリ・ウォーカーキンブロー
ルイ・マチダ

どちらのチームもスタートを休ませ、ペースダウン。NYはフリースローや、ミスティクスのギャンブルディフェンスでのミスからスリー。対するミスティクスは単発でバーク選手のドライブがあるもボールと人の動きが少なく、良いオフェンスとは言えない時間帯が続いた。

残り6分頃にスタート選手がコートに戻ってくるとボール、人の動きが活発になり、スコアが動き始める。クラーク選手、オースティン選手のオフェンスリバウンドからのゴール下で連続ポイントや、クラウド選手のスリーが出る。

しかし、ディフェンスではイオネスク選手にひきつけられ、ゴール下、フリーのスリーなど簡単なシュートを作り出されてしまう。さらにスクリーンからのダイブという決まり事があることでオフェンスリバウンドにも飛び込みやすい状況でハワード選手のプットバックも生まれてしまう。

2Q終盤はNYのショーディフェンスに苦しむ。ミスティクスがピックのずれなどからドライブを試みると一瞬ペイントエリアにショーディフェンスするので(一瞬ヘルプに行くぞと見せるディフェンス)ミスティクスは思い切りよいプレーに繋がらない。一方で寄る時は寄って潰すという意識がはっきりしており、ミスティクスはシュートに繋がるようなパスアウトが出来ず、気持ちの良いオフェンスがなく、7-0ラン、35-40で2Q終了となった。

ハーフまででミスティクスはクラウド選手がスリー3/4を含む13点で唯一の二桁得点。ニューヨークはナターシャ・ハワード選手がフィールドゴール8/10で16点6リバウンド、イオネスク選手は自身のスコアこそ少ないですが6アシストや、プレーの起点となっていた。

3Q

開始は(敬称略)

ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
マイーシャ・ハインズアレン
シャキーラ・オースティン

早い展開から立て続けにスリーを決められられ前半からのカウントで13-0ラン。そのランはアトキンス選手のスリーで終わらせ、同選手が連続でスリーを決めるものの単発感が否めない。

ディフェンスでは前半なんどもやられたダイブに対してはローテーション方法を変えて対応するも、別アングルでの同様のプレーが続く。

約2分間シュートが入らない時間帯があり時計も止まらず、お互い体力が削がれ、集中力の低下もありスローダウン。イオネスク選手がフリースローをもらいその流れを終わらせると、ミスティクスもようやくクラウド選手、ウィリアムス選手の2面ゲームで得点。続けてクラウド選手のプルアップと同選手が奮闘。しかしディフェンスではハワード選手のローポストが継続して止められなかった。そんな状況からミスティクスはオフェンスに焦りうまれ、ミスマッチに対してのパスが雑になったり、ボール展開がなくなり得点にうまくつなげられない場面が続いた。

46-56と点差を広げられ最終クォーターへ。

4Q

メンバーは(敬称略)

ルイ・マチダ
ティアナ・ホーキンス
シャトリ・ウォーカーキンブロー
エリザベス・ウィリアムス
ケネディー・バーク

NYはハーフコートオフェンスで中国人センターのハン・シュ選手、速攻からはイオネスク選手に引き付けられスリーが気持ち良く決まる。
ミスティクスは引き続きオフェンスが停滞しながらも、キンブロー選手が唯一奮闘。ドライブからリバースレイアップやAnd1をねじ込む。

ミスティクスのディフェンスはローテーションが改善するも、ミスティクスの悪いオフェンスが生み出してしまうNYの早い展開からの得点や、オフェンスリバウンドからのスリーが立て続けにあり、5:04で54-68と最大得点差となってしまう。

その後クラウド選手のミドルが決まりスイッチが入ったか集中したディフェンスが見られたが、それを上回るNYのスペーシングを保ちながら動きのあるオフェンス。アトキンス選手の個人技でのスリー。速攻でのバークのミドルが決まり、どうにか繋ぎ、ディフェンスでは守り切るポゼションもあったが、その後スリーが決められず勝負が決した。

オースティン選手がゴール下で2本返すも点差は縮まらず77-65で試合終了。

1Q 24-20
2Q 11-20
3Q 11-16
4Q 19-21

Bitly
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気になったこと

スタッツから

フィールドゴール確率:ミスティクス 24/65(36.9%)、ニューヨーク 31/69(44.9%)
スリーポイント確率:ミスティクス 8/29(27.6%)、ニューヨーク 6/31(19.4%)
アシスト数:ミスティクス 14、ニューヨーク17
ターンオーバー:ミスティクス 13、ニューヨーク11

  • 2Qと3Qが11点しか取れていないことで、試合を通じての点数が65点と2022シーズンこれまでで最低のスコアでした。特に2ポイントだけでみると16本しか決めることができず、こちらもシーズン最低。アシストの数と合わせて考えると、パス、ボール展開が少なく、ゴール付近の簡単なシュートを作り出せなかったということが言えると思います。
  • また、相手のフィールドゴール確率について、2ポイントだけでみると25/38と65.8%の確率。これが60%以上になっている試合は2022シーズンこれまで全試合負けています。(つまりイージーシュートを作り出されてしまっているということ)
  • 相手のターンオーバー11もシーズン最少でした。(ニューヨークのチームとしてもシーズン最少、ミスティクスの対戦相手としてもシーズン最少タイで相手のTOが少ない時は敗戦になる傾向があるようです。)

参考:https://www.espn.com/wnba/boxscore/_/gameId/401391737

オフェンス

ここ数試合改善が見られていたボールの展開、人の動きが悪く、オフェンスに苦しみました。

デレダン選手がいれば彼女が第一オプションとなって、そこにディフェンスが寄るところを見ることでセカンドオプションと意識が統一されていますが、いない場合にどこで攻めよう、どこで攻めさせようという気持ちがないときにオフェンスが停滞してしまう気がします。今回は1Qこそデンジャーフィールド選手のミスマッチをつくということを徹底していましたが、悪い時間帯はなんとくパスを回してどこかが空けばいいな〜ぐらいのように見えます。意図がないというか。

また、オフボールのゴールに向かったカットやその他の動きがないので、ディフェンスとしては守りやすくなってしまう状況を生み出していました。ある箇所でプレーが起こっている時に他の選手がただ見ている状況が多かったです。ここ数試合でやっていたフレアスクリーンもあまり見られなかったです。(なにか指示があったのか意図があったのか分からないですが)

ニューヨークのショーディフェンスをはじめとするヘルプディフェンスにも苦しみました。ここでもオフボールのカットをはじめとする動きがあればもう少し上手く対応できたのではないかと思います。

あとは、ここ数試合のよかった試合の中で目立ったオフェンスリバウンドへの参加が少なかったように見えます。オフェンスの流れが悪いのでオフェンスリバウンドにも行きにくい、タイミングを取りづらいといったこともあると思いますが、疲労もあるのかすこしエネルギーに欠けていたように見えました。

ディフェンス

イオネスク選手、ジョハネス選手への高い位置からのピックプレーを終始止められませんでした。とくにボールハンドラーだったイオネスク選手はまあよく見ていますね。キープ力もあり自身の外からのシュートもでき、ドライブもでき、10点、7リバウンド、9アシスト、4スティール。ターンオーバーは2と目立ったミスはなく、どうやって止めるんだよと言った感じでしたね🥶

ミスティクスとしては早めに対策したかったところです。前回ディープスリーを何度も決められたことから今回全てスクリーンの上をいくということを徹底したと思いますが、イオネスク選手を少しでも迷わせるため、試合の早い段階で色々な守り方を織り交ぜてもよかったのではないかなと個人的には思います。(といっても対応してくると思いますし、実際後半はハードヘッジ等に対応されていました😑)今回は幸い、同選手からの外からのシュートが入っていなかったので、どちらに舵を切るかは難しいところだったと思います。

そのピックプレーが起きているときのヘルプディフェンスについて、前回のフェニックスではティーボーコーチも仕方ないところは諦めるとしてティーナ・チャールズ選手のミドルを諦めました。今回はその諦めがなく全てを平均的に守ろうとしてしまい、特に序盤はダイブのプレーが気持ち良く決まってしまったように見受けられます。

あとは所々トランジションディフェンスのピックアップが雑というか、これもボールハンドラーに注意がいってしまうことも関係しているのですが、意識の問題なのでこちらも課題だと思います。

色々書きましたが、失点は77点とそこまで酷いわけではない(ミスティクスの平均失点は75.3、NYの平均得点が76.6)ので、今回は特にオフェンスが大きな敗因だったと思います。

気持ち的にも戦う気持ちがそこまで感じられませんでした。4Q最後のプレーでイオネスク選手に決められてしまったところに、強いミスティクスは見られませんでした。もう試合が決しているのであれを止めようが何も生まれませんが、プライドを見せて欲しかったと個人的には思いました。疲労が溜まっていることは分かりつつも厳しいコメントをさせていただきます。

町田選手

10分出場、1リバウンド、1アシスト、1ブロック、3ターンオーバー

投試は2本ありました。

ブロックの記録はデンジャーフィールド選手のドライブをはたいた時の記録のようです。アシストは4Q最後のプレーでオースティン選手へのオーバーヘッドパス。

今回は少し印象が良くありませんでした。ターンオーバーは数というより質が良くなかったかなと。パスミスや滑ったのかハンドリングミス(パスしようとした時の)。特にその滑った?やつは、トラベリングやファールになってもいいからダイブするぐらい守って欲しかったと個人的には思ってしまいました。

疲れもあるでしょうか。ミスティクスのみなさん、それからリーグ全体の皆さんが疲労が溜まってきているようで、SNSでもそう言ったコメントをよく見ます。いつもこういったことしか言えないですが、怪我だけには気をつけてほしい限りです。

来週は(日本時間)月曜にホーム、水曜にロサンゼルス、金曜にシアトル、そして日曜ラスベガスと西海岸でのアウェイが続き、さらに慣れない環境での日程が続きます。怪我だけでなく体調にもご注意ですね。その後の週は一度ホームに戻って少し落ち着きますので、来週をまずは乗り越えてほしいです🙏

Bitly

最後に

これでミスティクスは10勝7敗です。

各チームがシーズンが進むにつれチーム力を高めていく中、ミスティクスはデレダン選手がいる、いないの試合にうまく対応できていないような印象を受けます。特にいないときにどうまとめていくか、チームでの意識合わせのようなものが必要なのではないかと思います。相手がどうこうというよりも自分達の試合運びの問題というか。まだまだまだまだこれからだと思うので改善を楽しみにしたいと思います!

(インタビュー動画は追ってあげます!)

次回は日本時間20日(月)3時から🥱ホームで現在リーグ2位のコネチカット・サンとの試合です。以前の内容はこちら。

今日はコネチカットvsシアトルがやっていました。(大学がコネチカットのバード選手のコネチカット凱旋で観たいというのもあったのですが、やはりコネチカット大学選手にはアウェイでも歓声が多かったです。)やはりコネチカット・サンは強いですね。守りづらいチームですし、ディフェンスも良い。前回もうまい試合運びで負けたなという感じでしたよね。でも苦手意識も持ちたくないですし、勝っておきたいところ。ディフェンスもオフェンスでも、ミスティクスのやりたいバスケをしてリベンジをしたいところですね。

本日もお読みいただきありがとうございました!

これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊

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今日の13時からはまたダブルデーですよ〜!

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