ミスティクス 6/20 コネチカット戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
この記事は約13分で読めます。

ニューヨークからホームに戻り、この後ロードが続くため、勝っておきたい1試合でした。

と、その前に・・・

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日本vsトルコについて

第一戦は1Qちょっとだけ、第二戦は全部観ました。前回オーストラリア戦は一記事にしたのですが、そこまで集中して観ていなかったのと(言い訳👈)、差がありすぎてしまって戦略突っ込めるほどでないと感じたので、ここにちょこっと感想メモ。

  • 個人レベルの基礎力、そこから派生する対応力、判断力のレベルが違い、圧勝。点差以上の差。(トルコ戦が先でオーストラリア戦が後という逆の順番だったらもうちょっと合宿の成果が明確になって面白かったのになーと。)
  • ディフェンスはマンツーのプレッシャー(オンボール、オフボール含む)、オフボールのスクリーンへの対応が丁寧で素晴らしい。(特にスタート、2番手ぐらいまでの選手。4Qを見るとそれ以外の選手はこういった部分でのチームディフェンスのための視野、頭を使ってローテーションできるかという部分が起用の理由になっているよう。)
  • オンボールはオーストラリア戦と同じように各種守り方を使っている。おそらく各選手の判断ではないかなと。ダブルチームをしたらもちろん後ろの選手はしっかりとその後のスティールを狙いにいくなど、全選手が繋がっているディフェンス。ローポストもベースライン側から常にダブルチームを狙っている。
  • 相手からしたら常に当たられる準備をしていないといけないから精神的にも疲れるだろうし、身体ももちろんぶつかっているから疲れるだろうし、そうやって心身削っていく作戦。
  • ハーフコートオフェンスはシンプルによりあいている人が攻める、攻めさせるスタイル。
  • オールコートで当たられて多少リズムを崩したがポストのフラッシュで対応。
  • ディフェンスリバウンドからアウトレットパスの流れを少し改善すればもっと速攻が出そう。あまり意識していないのかな?
  • オールコートのいつものマンツー以外にもオールコートゾーンもやっていた。色々ディフェンスの引き出しを増やしていくんだろうなと感じた。
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ミスティクス試合前ニュース

話は戻りましてミスティクス。

ワシントン・ミスティクス

デレダン選手は出場。しかし、前日にオースティン選手、ハインズアレン選手が体調不良(コロナではない)、ホーキンス選手が足首の捻挫のため微妙という発表。当日の判断だったようで、3選手とも出場となりました(が出場時間はコントロールしていた感あり)。

デレダン選手のアウェイ遠征は、ロサンゼルスが低めの確率の微妙。その後のシアトル、ラスベガスは少し高めの確率の微妙。彼女がいるかいないかによって戦略を変えなければならないので、チームとしても対策が難しいですね。コーチ陣は大変そうです。

ティーボーコーチの試合前の会見の一部では、ミスティクスのスタートメンバー(今日のスタートメンバー)は今シーズン合計で35分しか一緒にプレーしていないという記録があり、それに驚いたということをコメントしています。

相手チーム:コネチカット・サン

先週、以前ニューヨークに所属していたガードで能力が高いジャズミン・ジョーンズ選手と契約。能力が高い選手が入ったことを主に言いたいわけではなく、コネチカットの選手の名前の被り方について。

混乱するー。

備考

試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。

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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン

1Q

(時間になっても始まらないリーグパス・クオリティーで、配信開始はもうティップオフから数十秒過ぎている時間から開始。私だけ?🤔)

ミスティクスは序盤から早い運びを意識。ディフェンスからオフェンスのプッシュはこれまでにないスピード感があった。

セットオフェンスではデレダン選手の存在の大きさをいつものことながら再認識(毎回書いている気がする💦)。彼女自身のシュート力は相手のファールも誘うし、彼女についているディフェンスはヘルプに寄れないため、他の味方選手に対しても影響が大きい。また、チームメイトも彼女に点を取らせようという意識で統一されているため、合わせやすそう。(前回の試合などデレダン選手がいない時にはこういった意識統一がないので、どこで攻めようか定まっていない感が出るのが課題。)

一方のコネチカットはハイデマン選手のディープスリー、デワナ・ボナー選手とアリッサ・トーマス選手のステップインとバランス良く得点。

その後ミスティクスはハインズアレン選手の速攻、アトキンス選手のスリー、ウィリアムス選手のレイアップが気持ちよく高確率で決まってゆく。そこからコネチカットは焦りからか一発狙いのパスミスが続く。ジョンケル・ジョーンズ選手の個人技で返されるも、キンブロー選手のスリーや、バックカットからファールをもらうプレーも続き、1Qは29-17とミスティクス優勢の雰囲気で終了。

1Qのフィールドゴールは、ミスティクスFG 11/16 (66.7%)、コネチカット 6/16 (66.7%)。ターンオーバーはミスティクス0、コネチカット4とスタッツでも明らかな差が出ていた。

2Q

メンバーは(敬称略)

シャトリ・ウォーカーキンブロー
ルイ・マチダ
アリエル・アトキンス
シャキーラ・オースティン
エレナ・デレダン

引き続きデレダン選手が絶好調で彼女のシュートから開始。

コネチカットのルーキー、ニア・クラウデン選手と町田選手のマッチアップ。ドライブでスコアされたかと思えば、直後のポゼションにドライブでやりかえす。町田選手はその後も積極的なドライブが見られ良い。(デレダン選手が外にいることでマッチアップをしているディフェンスがついていかざるをえないため、中のスペースが広がるためこういったドライブもやりやすくなっている。)ミスティクスはデレダン選手へのディフェンスのよりをみてボール展開する、シンプルで良い流れ。

続けて、早い展開からデレダン選手に引き付けられたところからクラーク選手のバックカット。クラーク選手は続けてチャージングも取る。そのディフェンスではジョンケル・ジョーンズ選手へのダブルチーム、コートニー・ウィリアムス選手へのダブルチームからトラベリングで相手のターンオーバーを誘発し、フラストレーションを与え続けた。

ミスティクスの良いディフェンスからキンブロー選手の速攻へというところでクリアパスファール(ファールをした選手よりゴール側に誰もディフェンスがいない時に取られる。フリースロー2本+ミスティクスボールで開始)も起こり、ミスティクスの勢いが増していく。

コネチカットはコートニー・ウィリアムス選手、ハイデマン選手が繋いでくるも単発。ミスティクスのしつこいディフェンスが効いている。

2Q終わり間際にジョンケル・ジョーンズ選手がブザービーターを決めたと思ったが、レビューの結果コンマ数秒でノーカウント。本日のコネチカットのフラストレーションを表すようだった。

27-43でハーフタイムへ。

3Q

開始は(敬称略)

ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャキーラ・オースティン

ハイデマン選手のスリー、同選手のアシストからA・トーマス選手の速攻からの2点と、3Qからギアをあげてきたかと思われるスタート。ミスティクスもアトキンス選手のミドル、オフェンスリバウンドからクラーク選手のスリーで、流れは譲るまいと対抗。続いてコネチカットは立て続けにファールをもらい、フリースローでスコアを積み重ねていく。コネチカットとしては前半に比べ雰囲気が落ち着いたか。

その後2分弱の間、どちらもシュートが入らない時間帯があり、アトキンス選手へのフレアスクリーンからのスリーでノースコアの時間を終わらせたが、お互いシュート率は低くなる。ミスティクスはスコアまで至っていないものの、パスの数、人の動きも多い、良い時のオフェンスが展開された。ミスがあればディンフェンスで取り返すというシーンも見られた。

そんな中、キンブロー選手がドライブからファールをもらいフリースロー、プルアップ。スティールとここ数試合の好調を継続。最後にクラウド選手がドライブからのレイアップを決めて61-41で最終クォーターへ。

4Q

メンバーは(敬称略)

アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
ナターシャ・クラウド
エリザベス・ウィリアムス
エレナ・デレダン

コネチカットはガードを出さないビッグラインナップ(A・トーマス選手がガードの役割)を敷く。

ミスティクスのオフェンスは、デレダン選手のところによった後のスペーシングが悪く、思い切りもなくなる。デレダン選手も判断が悪い時間帯となりフラストレーションが見られた。お互いコート上で意見を言い合っていたのが印象的だった。

一方コネチカットはジョンケル・.ジョーンズ選手の1on1や、オフェンスリバウンドからファールをもらいフリースローでかせぐ。コネチカットがディフェンスをゾーンに変えたことでゲームはスローダウン。ミスティクスの課題の一つでもあるゾーンに対するオフェンス。危ういところをクラウド選手がフローターを決め落ち着く。(あれが決まっていなかったらまた試合が大きく変わっていたかなと感じる。)

3分を切りコネチカットはスタートを下げ消化試合と思われたが、ミスティクスはここで集中を欠いてしまう。スリー、速攻を決められ12点差とされ、一度ベンチに下げたスタートをコートに戻す。

ゾーンへのオフェンスでオースティン選手のローポストの合わせ2本が出て、嫌な雰囲気を一掃。ディフェンスではクラウド選手のヘルプサイドからのスティール、相手の速攻からのターンオーバーが続き、残り1分で勝負あり。

71-63で試合終了。

1Q 29-17
2Q 14-10
3Q 18-14
4Q 10-22

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気になったこと

スタッツから

フィールドゴール確率:ミスティクス 27/65(41.5%)、ニューヨーク 22/60(36.7%)
アシスト数:ミスティクス 21、ニューヨーク15
ターンオーバー:ミスティクス 10、ニューヨーク17
リバウンド:ミスティクス 30、ニューヨーク43

  • 1Q序盤にリードしてからずっと優勢での試合運びとなりました。
  • シュートの確率も後半になって落ちたものの、1Qは60%以上で29得点とハイスコアペースでした。
  • アシスト数も多く、無理な1on1でなく、パスが多かったことを示しています。
  • リバウンドでは大きく差をつけられているのですが、相手のターンオーバーが多く、シュート数も少ないです(シュートにつなげられていない)。
  • 最終クォーターのターンオーバー6はいただけないですが、それまで4とミスの少ない試合運びでした。

参考:https://www.espn.com/wnba/boxscore/_/gameId/401391743

オフェンス

既出ですが、デレダン選手の存在ですね。彼女自身のオフェンス能力、彼女にマッチアップするポストプレーヤーが外に出されて、ヘルプに寄れないことで広がるスペース、さらにそのマッチアップのディフェンスの選手はショットブロッカーなことが多いですから、オフェンスがしやすくなっているようです。またデレダン選手というファーストオプションがはっきりしているので出ている選手もどうやって彼女に合わせるか、ディフェンスがよっていれば別のところにパスを展開する、と判断がしやすいのでプレーしやすそうです。

あとは1Qからテンポをかなり上げていきました。意識的に早い展開にしたかったようですね。速攻も出て良い流れでした。(町田選手のがその時間帯に出られたら理想的でしたが、そこは言っても仕方ないですね。)

4Qのゾーンに対してのオフェンスは少し不安が残ります。ロサンゼルスもゾーンをしてくるチームなので出来れば試合前に何かしら意識統一をして臨みたいところです。LA戦はデレダン選手がおそらく不出場と言われているので、勝敗のカギとなるかもしれません。

ディフェンス

前回やられたブリオナ・ジョーンズ選手のローポストには寄る、コートニー・ウィリアムス選手のスリーは打たせてもしょうがない、といった決まり事だったのかなと思われます。それ以外はバチバチに良いディフェンスだったと思います。

コネチカットは2022シーズン平均得点が86.4点なので、それを63に抑えるのはすごい。コネチカットもミスティクスと同じようにタフスケジュールで1週間に3試合ぐらいなので、疲労は溜まっていることと思われます。というかもうどのチームも同じようなハードスケジュールなので、ベンチをどう使うか、どう疲労を回復するかというのが重要になっていますね。(かわいそうというと何か違う気がするし、残念というのか、なんと表せばいいのか分からない感情😔)

町田選手

7分、2点(1/2)、1ターンオーバー

ドライブが2回見られましたね。ヘルプが寄ってないところを見て割って入っているようです。ディフェンスでクラウデン選手にやられた直後にやり返したのは好印象ではないかなと。

ミニッツが限られてしまったのは、やはりコネチカットの爆発力を恐れてのことでしょう。また、4Qにはビッグラインナップ、からのゾーンをやられてしまったので、あの状態だとコーチからすると出すのは難しくなってしまうのは仕方ないと感じます。

最近の町田選手のミニッツ制限はハーフコートオフェンスの時の噛み合わなさが課題となっているかなと思います。町田選手がどうこうということではなくて、これもデレダン選手がいるいないも関わってきますが、どこで攻めるかというのがチームとしてもハッキリしていないので、(アメリカバスケ文化を考えると)ただパスを回しているという風に見られてしまっているのかなと。そこでうまくオフェンスが作れないとどうしてもPGがフォーカスされがちだと思います。クラウド選手だったら意地でも自分でシュートまで持っていくので、そこの印象の違いではないでしょうか。もちろん違ったタイプのPGなので、クラウド選手みたいにプレーしろというわけでは全くないです。本当なら積極的に発言してこうして欲しい、こういったプレーがしたいと提案してほしいですが、難しいようであれば、町田選手としては出ている時に今回みたいなプレーを続けることで、信頼を得ていくしかないと思います。(なので本当は最後のターンオーバーは出来れば避けたかった!)

これから1週間アウェイが続きます。さらに慣れない地で、時差もあり、疲れると思いますが、まずはこの1週間を乗り越えて欲しいです🔥これを越えれば7月の月末までちょっとは試合は落ち着きますので🙏

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最後に

リベンジでした!まさかこんな展開になるとは予想していませんでしたごめんなさい😅
選手の勝ちたいという気持ちがノリノリで、ホームコートというのもあり良い雰囲気でした。日本時間は3時開始で外は暗い中始まりましたが、徐々に世が明けていく風景もイベントとして月に1回ぐらいはいいですね(勝てたから尚良い)😅

これでミスティクスは11勝7敗、順位は変わらず5位です。次回は今シーズン初の対戦となるロサンゼルス・スパークスとの試合。それを含むロード遠征が続きます。アメリカ国内での時差もあるので、日本時間は昼ごろの試合になります。

ロサンゼルスは現在5勝9敗と10位ではありますが、ポストのオフェンス力あり、能力高いガードもそろえていて、平均得点では82.9点でリーグ4位(ミスティクスは平均78.9点)決して楽な相手ではないです・・・WNBAには楽な相手などないですね💦 ただ、結構特徴がハッキリしている選手が多い(外を打たないガード選手が多かったり、ゴール下を抑えたい選手だったり)のでスカウティングがかなり重要な気がしています。

他のスタッツとしてはフリースロー投試数がリーグ2位なので、ファールも抑えたいところ、そして既出ですがディフェンスではゾーンをしてくる可能性があるのでそこも要注意、要準備ですね🔥

本日もお読みいただきありがとうございました!

これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊

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