(2022年3月23日時点の内容)
今回は町田瑠唯選手がバックアップをつとめることになる、スターティング ポイントガードをご紹介します。
そのおしゃれっぷりや、ミスティクスの歴史を踏まえてどんな選手かをご紹介。そして町田選手との比較について触れていきます。
#9 Natasha Cloud(ナターシャ・クラウド)選手
Natasha Cloud(ナターシャ・クラウド)選手、ニックネームでTasha(ターシャ)とされていることもあります。
1992年2月22日生まれの30歳。183cmの大型PG。背番号9番。
2015年のドラフトでミスティクスに2巡目で指名されてから同チームに在籍する選手です。
とにかくオシャレ
これを一番に取り上げるのはどうかと思いますが・・・
とにかくオシャレです。
ベルトがさりげないなあ。
これらはほんの一例で、もうオシャレじゃない姿がないんじゃないかと。
ワークアウトの格好だってキマってます。
前腕と腿に入っているタトゥーが映えていますね。
ちなみにこれはヨルダンのナショナルチームのユニフォーム。帰化選手として同ナショナルチームで2021年からプレーしています。
(そのうちオシャレ選手のまとめもしてみようかなと思っています💃🏽)
社会的な活動を積極的に行っている方でもあります。
Black Lives Matter運動や、LGBTQに関わる活動、女性の権利についての活動など、ご自身の立場や意見を積極的に発言しています。
ちなみにプライベートではプロソフトボール選手とご結婚されています。
どんな選手?ミスティクスの歴史を含めて解説。
派手なクロスオーバーで相手を抜き去り・・・というタイプではなく、どちらかというとしっかりと組み立てるタイプのポイントガード。
もちろん必要になればドライブも外からのシュートも決めることができる選手です。
ミスティクスの歴史とクラウド選手
ミスティクスの歴史を少し振り返って話すと、創立の1998年から2012年ごろまで、あまり強くない、どちらかというと弱い、というかだいぶ弱いチームでした。
順位が下であればドラフト指名権が得られますが、活躍する選手や噛み合う選手を指名できず、新人をはじめ色々な選手が入れ替わり入っても泣かず飛ばずの成績でした。
その流れが変わったのが2013年。現在も継続してコーチ兼GMをつとめるMike Thibault(マイク・ティーボー)コーチが同ポジションに就任してからでした。
このティーボーコーチ。1979年の大学卒業後に最初はNBAのロサンゼルス・レイカーズにスタッフとして加入し選手のスカウト関係を担当、その一年後に能力を買われスカウトのディレクターになっています。
その後、他NBAチームや他のリーグを経験し、2003〜2012の間にWNBAコネチカット・サンのヘッドコーチを経由して、2013年にミスティクスのコーチに就任。
WNBAにおいて最も勝った試合数が多い記録を持ち、300勝以上を達成している唯一のコーチです。
その2013年からミスティクスの快進撃が始まります。
- 2013年に後のチームの核となるセンターのエマ・ミースマン選手をドラフト指名。
- 2015年、ドラフト2巡目ではありましたが、クラウド選手を指名。
- その後、デレダン選手等、他チームからの獲得やその後チームにフィットし活躍する新人の獲得にも成功。
スカウトの経歴を持っているティーボーコーチの手腕でしょう。徐々に力をつけ強豪となったミスティクスは、ご存知のように2019年に優勝を果たします。
このようにクラウド選手は、チームが徐々に強くなっていく最初のあたりでドラフトされたチーム生え抜きの選手で、チーム内で最も在籍年数が長く、ティーボーコーチのバスケを最も理解しているとも言えるでしょう。
なんでもこなす器用さ
既出の通り、チームに必要とされていることができる器用な選手で、身長も他のPGに比べると大きいため、シューティングガードとしての起用もあり得ると予想されます。
先日まで開催されていたAthletes Unlimited Basketballというリーグでは、得点力と勝利数が評価される選手の順位で、2位の成績。得点力もあることを証明しています。
また身長と長いリーチを生かしたディフェンスにも定評があります。
町田選手との比較。一緒にプレーすることはある?
身長
町田瑠唯選手とは、身長は13cm離れています。(クラウド選手は右から2人目)
プレースタイルとバスケIQ
プレースタイルは、一見全く違うように見えて、実は結構似ているかもしれません。
WNBAには多々ガンガン攻撃系のPGがいるのに対して、コントロールができるというところ、その時のチームの状態に合わせてオフェンスを選択できるというところは同じです。
ティーボーコーチのもとでこれまでプレーしたPGを考えると、同コーチはバスケIQが高くて、しっかりと作れる選手を好む傾向にありそうです。
個人的にはバスケIQは町田選手に軍配が上がるんじゃないかなと思いますが、クラウド選手がミスティスクのバスケを知り尽くしているということでイーブンでしょうか。
得点力
どちらの選手もドライブも外もあり上手なのですが、やはり身長の部分でクラウド選手に分があると思われます。
町田選手がご自身でも会見でおっしゃっていたように、積極的にオフェンス機会を狙うことがどれだけ得点につながるか楽しみなところではあります。
パス
ここは町田選手に軍配が上がります。
日本人の多くの選手にも言えることですが、早い動きの中で正確なパスをする能力が世界トップレベルで高い選手です。
スピード
スピードは町田選手がずば抜けて優っているように思います。
ディフェンス、リバウンド
ここでは身長とリーチの差でクラウド選手に分があるでしょう。
同時にコートに立つ?
間違いなくあると思います。
これからのトレーニングキャンプで第3の控えポイントガードとして誰が残るか(それとも残らないのか)が大きなポイントで、
もし計算できる良いPGがいれば、クラウド選手がよりシューティングガードのポジションに入る機会もあり、その場合は町田選手がガードに入って3人でPGポジションのプレータイムをシェアするような形になるでしょう。
万が一残らない場合は、クラウド選手がベンチに下がるときに、町田選手がバックアップをつとめることが多くなると思うので、一緒にプレーするタイミングは少なくなりそうです。
ただ、一緒にプレーしたとして、そこまで多くのプレーの絡みはないかなと思います。
お互いのドライブに合わせてカットインや外で合わせるということぐらいでしょうかね。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はミスティクスで一緒にポイントガードをつとめるナターシャ・クラウド選手について書いてみました。
おしゃれなだけでなく、チームを知り尽くし、力強いリーダーシップを発揮するハワード選手。
試合の映像を見ているだけでこの選手は頼もしい選手と感じます。そんなリーダーシップに注目してみてください。
この記事を書いていて、町田選手の獲得ということについて、ティーボーコーチは本当に思い切ったことをしたんだとあらためて感じています。
前回ご紹介した通り、Wリーグが終わってからのトレーニングキャンプの合流後、10日程しか一緒に練習できません。
町田選手の契約は正式に確定のようですから、その10日もしくはもっと短い間で18名程のトレーニングキャンプ参加者から12名まで、登録選手を誰に絞るかというのを決めるわけです。
町田選手の実際のプレーを見たのは映像のみ(オリンピックのコーチでもなかった)のはずなので、大決断です。
ですがティーボーコーチの経歴を見ると、この決断がきっと間違っていないとポジティブな希望を抱かせてくれます。
次回はそのティーボーコーチの経歴について書こうと思います。
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