昨日2月18日、ミスティクスの公式インスタで、新しいTraining Camp Inviteの紹介がされていました。
Training Camp Inviteをざっくり説明すると、正式契約ではなく、これから始まるトレーニングキャンプ中にいい結果、印象が残せればシーズンに向けてチームと契約できる選手ということです。
Training Camp Inviteの制限人数があるかは分かりませんが、トレーニングキャンプ時の各チームメンバーの合計は、16〜22選手ぐらいが多いよう。
ミスティクスの場合、公式の発表では現時点で15名なので、もしかしたらあと数名増える可能性がありますね。
新しく発表された選手がどんな選手か、町田選手の契約に影響はあるのか、など見ていきたいと思います。
現在WNBAではないリーグでプレーするSG
Meme Jackson(ミーミー・ジャクソン)選手
180cm、シューティングガード、25歳です。
テネシー大学を卒業後、2019年にドラフト外でWNBAのアトランタ・ドリームというチームに今回と同じく「Training Camp Invite」で参加。プレシーズンゲーム(シーズン前の練習試合)の2試合プレーした後にカットされています。
WNBAとは別に、ATHLETES UNLIMITED(アスリートアンリミテッド)という2020年に設立した色々なスポーツを運営しているプロリーグ(セミプロ?)があり、バスケのリーグは今年2022年から開始。
オフシーズンに参加しているWNBAプレーヤーがメンバーの大半を占めているんですが、今回の第1回のリーグ(1月末〜2月末までの予定)でジャクソン選手を見ることができます。
このリーグの少し変わっている所が、チームのメンバーをどんどん変えていくという面白いシステム。個人得点合計の週ランキングで上位4名が次の週のキャプテンとなり、チームメンバーをドラフトで選んでいきます。
その繰り返しでシーズンを進めていき、シーズン終了時に最も勝敗成績の良い選手がチャンピオンとなる、というリーグです。
WNBAトップ選手が全員参加しているわけではなく、どちらかと言うと若手〜中堅選手が多いですね。こちらのATHLETES UNLIMITEDの公式YouTubeでフルゲームを見ることができます。
ジャクソン選手は本日時点で得点ランクでは29位。平均得点は10点前後、上位はやはりWNBAの少し名前が通った選手がずらっと並ぶので、その少し下につけています。
ハイライトや試合を見ると、プレースタイルとしてはシューターです。あとはディフェンスプレーヤーとしても優れているようなので、NBAでも最近言われる3-And-Dという、オフェンスではシューター、ディフェンスではエースキラーのような位置付けでしょうか。
もちろん昨年アトランタのチームに参加したこともあり実力はあると思いますが、それ以外に、今回ミスティクスのキャンプに参加が決まったのは、ATHLETES UNLIMITEDに参加しているミスティクスの選手、ベテランPGのナターシャ・クラウド選手、Cのティアナ・ホーキンス選手も関係しているのではないかなと思います。
ちなみにそれぞれ得点ランク3位、1位とやはり長年WNBA選手でやっている選手はすごいですね。(右上がクラウド選手、左上がホーキンス選手)
あとはジャクソン選手のインスタや大学時代の公式動画を見ると、勝手なイメージですが、真面目で、ハードワーカーという印象です。
大学卒業して、プロになれそうかなれないかという選手ってなれなかった時に結構すぐ辞めていって、遊び始める選手が多いのですが、ジャクソン選手はトレーニングを継続して、プロリーグに入って、そのこと自体に天狗になることもなく、感謝の気持ちも忘れていない、という姿勢が非常に好感を持てます。(*ネットの情報からだけで判断しています)
町田選手の契約への影響はあるの?
先に結論を言ってしまうと、ほぼないです。
特に町田選手が「正式」契約であるならば影響はないです。
しかし、他情報サイトで町田選手もTraining Camp Inviteである、ということが書かれていたので、万が一その場合は影響があるのですが、正式と発表されているのは「正式契約」という意味と認識するならば全く影響はありません。
正式でない場合は、やはり登録選手を12名に絞る必要があるので、ガードを選ぶときにPG、SG、SF複数ポジションをプレーできる選手や、ディフェンスで背のミスマッチが起きない選手がやはり重宝されてしまう傾向があるでしょう。(厳しい言い方ですが、その方がコーチにとってプランを立てやすいのは当然なので致し方ないところです。)
この選手が加入したことによってプレータイムが増減するということもあまりないかなと。ポジションが全く被らないので。
もしあるとすればウィース選手がPGポジションのプレータイムが多くなる場合。PGとSGどちらもプレーできる選手ですが、完全にPGだけになるならそんなこともあるかもしれないです?!
今の段階から12選手に絞られる場合、(町田選手が確定とした場合)
・Lee Seul Kang(リー・セルカン)選手(韓国代表)
・Klara Lundquist(クララ・リンドクイスト)選手(スイス代表)
・そしてジャクソン選手の3人のうち、誰か一人のみ正式契約となります。
町田選手が未確定の場合、この3人に町田選手を入れた4人から2人が選ばれるという形です。
Training Camp Inviteではなく、昨年からいる他の選手を入れると、
#32 Shatori Walker Kimbrough(シャトリ・ウォーカーキンブロー)選手
#10 Megan Gustafson(メーガン・ガスタフソン)選手
このあたりがこれからカットされる可能性があるかもしれない選手かなと思います。どちらも契約と発表されていますので、町田選手と同じく未確定ではない場合ですが。
どの選手も大学時代のスーパースターだったり、各国の代表スター選手だったり、その人たちがカットされる世界で、本当に厳しい世界だなと毎年思わされます。
主に財政的な問題でチームが増えず、NBAのように下部チームもないですから、そんなスター選手たちがプロにもなれない世界なんですね。
WNBAの財政事情、給料は?
結構勘違いされることなのですが、WNBAの財政状態は良いわけではありません。NBAのサポートでどうにかなっていることもあるとのこと。
選手からは男子選手との給料の差や、メディアへの露出の差が指摘されたりと、運営に苦しんでいる面もあるのです。ある地域で経営にうまくいかず、転々と数年で移転を繰り返すチームもあります。
実は給料なんてNBA選手とは雲泥の差です。待遇もNBAは貸切のチャーターでの移動。WNBAは通常の飛行機エコノミーで移動(全てのチームがそうではないかもしれないです)、なんてよく聞く話。あるスター選手はロシアのリーグの方が比べ物にならないほど稼げる、という理由でWNBAのシーズンを参加したくないと公言したこともあります。
年俸はWNBAでは最高228,094ドル(約2,600万円) 、最低58,710ドル(約675万円)、
NBAでは最低ですでに$925,258(約1.06億円)と、最低の段階でWNBAをはるかに上回る額になります。ちなみに最高は$51,935,268(約60億円)ともうわけわからない金額ですね。
男子が多いか、女子が少ないか、どう感じますか?どちらもですかね。
なので、上記のATHLETES UNLIMITEDのようなリーグはとても良いなと感じました。財政事情は知る由もないのですが、「サステイナブル」なリーグであることを願っています。大きなスポンサーがついてくれるといいなと。
今後どんなスケジュール、タイミングで開催されるかは分かりませんが、ここでの活躍がWNBAチームへのアピールになって契約、という存在のリーグになると良いです。
YouTubeの解説がWNBAの引退したレジェンドだったり、バスケ界を知っている方がやっていたりするので、彼女たちを知っている人からするとそこも楽しみどころだと思います。
最初のリーグが2月で終わるので、また機会があれば注目してみたいと思います。
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