お時間いただきました。今回はリクエストもあり&レギュラーシーズン首位決定戦という注目のカードだったので、トヨタ対デンソーをメインに視聴しました!非常に緊張感のある試合でした。
その後富士通の試合も観て、ちょこっとだけメモしています。
最後にプレーオフに向けてのコメントなどなどです。
Game 1
序盤の攻防、戦略
デンソーのディフェンスは山本選手以外には、アウトサイドを打たせてよし、といった守り方。スクリーンに対してはほぼアンダー(スクリーナーの下側を通って対応する方法)で守っているし、それ以外でもドライブはさせないような守り方。
それに対してトヨタの外からのシュート確率が上がらず、リズムを掴めずにずっと進んで行ったという感じ。
そう言った時はトヨタは本来であればインサイドも強いのでそこで攻めたいところだが、対するデンソーも高さのあるチームなので簡単にはいかず…、またオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスも少なく、ということからトヨタらしからぬロースコアだったのかなと。
一方のデンソーはひまわり選手、高田選手の器用っぷりがやはり大きい。フォワード、センターのポジションのどこかでミスマッチが起きていて、この2人が中も外もでき、コート全体を見てパスもできるのが大きい。
終盤にはガードを下げてひまわり選手がPGポジションに。そこからUCLAカットで(ガードポジションなのでサイズのミスマッチになる)ひまわり選手にローポでやらせる作戦。大型ラインナップになるとこういったこともできるので面白い。
デンソーセンター陣がリズムを作る
トヨタの外のシュートが入らなかったのに対して、デンソーのビッグマンの外からのシュートが高確率で決まっていったのも、良いスタートを切れた理由。ああなるとついているディフェンスはアウトサイドまでディフェンスで着いて行かざるをえないので、ボールを持つセンターも駆け引きが出来るようになるし、ペイント内のスペースが広くなることで他の選手にとってもアタックしやすくなる。
特にこれが顕著だったのが、2Q以降の高田選手とソハナ選手のマッチアップ。
高田選手が高確率でスリーを決めるためソハナ選手がチェックに行かざるを得ない。駆け引きで上回る高田選手が翻弄していた。高田選手もこれをわかっているので、クォーター最初のほうなどは先にスリーを打っていると思う。
トヨタのオフェンス
2Q途中、トヨタのオフェンスが機能していなかった印象。試合開始からデンソーガード陣のボールマンへの高いプレッシャー。
富士通や紡織もディフェンスのプレッシャーは強度が高いが、デンソーはこれに加えて高さがあるのが強み。
以前拝見した時はこういったプレッシャーディフェンスをしていなかったので、そこから方針を変えて?もしくは練習で磨きをかけてきたのかな。
トヨタはどうにかミスマッチ狙ってオフェンスをするが、流れの中というより1on1始まりになってしまい、良いリズムが生まれない。
点差はちょっとあれど、ゆずらない展開の3Q
デンソーのターンオーバーからトヨタのスコアがあり、トヨタの勢いになる雰囲気があったところをデンソーの木村選手が得点、直後トヨタ川井選手の連続得点と、集中が一気に高まるようなゆずらない展開になり、一気にスコアが動く。
その後再びデンソーのミスからトヨタの得点で9点差となり、トヨタの流れになりそうになるも、高田選手のスリーで雰囲気が変わる。
このあたりの時間帯、デンソーのオフェンスがとても良くなかった。高田選手の外で唯一繋げていた感あり。トヨタのプレッシャーディフェンスが効いていて、ひまわり選手が2Q最後に負傷され、いなくなってバランスが悪くなった&気を使ってボールを受けてプレッシャーリリースができる選手がいなくなった部分かなと。ゴールアタックがほしいところ。
4Q
デンソー本川選手がアタックモード。永田選手も続いてアタック。やはり外、外のピックだけよりもこういったメリハリのあるオフェンスが効果的。
が、デンソーはちょっと後述しますがPGポジションが課題かなと。ボールをただ止めてしまったり、ゲームメイクが課題な気がする。
が、山本選手に終始触らせないように、タッチ時間をできる限り少なくさせたグッディーは素晴らしかった。勝因の一つだと思う。
Game 2
一夜明けて2試合目。
序盤
引き続きデンソーはトヨタ山本選手にできるだけボールを持たせない作戦。そんな中でもGame 1の反省を活かし山本選手は攻撃モード。スリーも沈めてくる。
対するデンソーは本川選手が攻撃モード。ひまわり選手がいない分、同選手の奮闘が必要な試合。
しかし、ひまわり選手がいないことでロスターのバランスが崩れ、クンバ選手に加え4人外の選手という時間帯があり、ちょっと厳しそう。
2Qデンソーが点差を離しにかかる
デンソーの渡部選手の2連続スリー、高田選手のピックプレーでAnd 1。一気に勢いが生まれるような内容。
トヨタもオールプレスからのゾーンなど、チェンジングディフェンスを交えて流れに乗せないようにする。
が、トヨタのオフェンスに対するデンソーのディフェンスが良い。特に山本選手のピックプレーに対して。高田選手ディフェンスの駆け引きが上手い。
なかなか良いオフェンスができないトヨタだったが、平下選手がアタックして決めたのは大きかった。どうにか繋いでその後早い展開から梅澤選手のゴール下も生まれる。
そういった早いトヨタの展開を防ぎたいデンソーはオフェンスリバウンドの意識が試合を通じて高かった(Game 1も)。取れなかったとしてもトヨタの早いオフェンスが生まれるのを未然に防ぐことにつながっている。
タイムアウト後に再び平下選手がスリー決めれば、デンソー本川選手もスリーでお返しと、意地がぶつかり合う展開となる。
3Q
流れが生まれないトヨタオフェンスの打開策となっていた平下選手が痛んで交代。(その後出場したが再びベンチへ)
その後、気持ちの良いオフェンスが出来て、一気にリズムができるというわけでは決してなかったが、山本選手が一瞬開いたところをスリー、ドライブと、追いつくという強い気持ちを感じさせた。
対するデンソーはここにきてやはり高田選手の存在が大きい。外も中もでき、トヨタが対応できていない。トヨタのゾーンに対してもドライブで得点を重ねる。
3Q最後の数ポゼションはトヨタが2点取れたところ、その後ファールをして2点相手に与えてしまうというマイナス4点のプレー。気持ちよく終わりたかったところなのでもったいなかった。
(が、トヨタがこれだけ悪くて6点差。やはり大崩れしないチーム。)
4Q
一時10点差まで開くが、トヨタのディフェンスプレッシャーからデンソーのオフェンスの流れが悪くなり、デンソーのスコアがストップした時にステファニー選手がオフェンスの起点となり一気に4点差に。
1分をきって、川井選手のミスマッチを狙った1on1かと思いきや、梅澤選手こっそりフレアスクリーンからの山本選手のスリーで64-65の1点差。
最後のポゼションは高田選手とステファニー選手のやりあい。どちらもシュートが外れ8.5秒。
最後、トヨタはファールゲームに持ち込まず終了。ファールをしようとしたように見えたけど、その後そこまでしつこく行かなかったように見えた。上位通過は確定しているからということか?!
Game 1、2のレビュー
山本選手(とステファニー選手)に対するデンソーのディフェンスと、リバウンドへの意識が勝敗をわけた大きな部分かなぁと個人的に思います。
デンソーがこの2人をケアして、山本選手にはほぼフェイスガード。ステファニー選手には外から撃たれるのはある程度OKという戦略で、見事にそれがハマっていたように見受けられました。試合を通じて気持ちよいオフェンスがなかなか出なかったですね。
トヨタ自動車
トヨタはこんな展開になった時、もう一人ゴールにアタックできるガードの選手がいたらまた違う気はします。途中、ところどころで平下選手が今回良い働きをされていました。鍵となる選手ではないかなと思います。腰?は大丈夫でしょうか。(横山選手もいけそうだけどあまり出さない方針なのか?)
山本選手、ステファニー選手は海外志向があるとお見受けしますので、厳しいかもしれないことを言うと、山本選手はあれだけ当たられてもこじ開けていく能力、もしくはクリエイトしてアシストにつなげるなどのプレー、ステファニー選手はスピードのミスマッチになった時(相手のセンターにマークされたとき)にステップバックやプルアップで打つならば、もっと精度を磨くことが求められそうです。能力が高い選手の宿命だと思うので、それをガツっと、目立つぐらい打破してほしいなと思いました。
トヨタの試合は全試合観ているわけではないので、これまで他のチームがどうディフェンスをしてきたか完全には把握していないですが、今後、他のチームも同じようにディフェンスをしてくるのではないかなと思います。
デンソー
対するデンソーはひまわり選手が負傷で抜けたとこでロスターのバランスが崩れて、選手起用が一気に大変そうになったという印象。ガードが多めの時間帯ができてしまい攻めあぐむ場面もありながら、気持ちの強さ、オフェンスリバウンドへの意識で勝ち取った2勝、プレーオフへ1位通過だと感じました。
課題はゲームコントロールの部分。プレッシャーがかかる時間帯、オフェンスがうまくいっていない時間帯に誰がいい流れを作れるか。本川選手が今はやっていますが、本当はガードの選手の方がピックなどでミスマッチとかズレができそうで本来はそうしたいところかと。本川選手に加えてもう一人ガードポジションの選手がステップアップすればより安定してくると思いました。
どちらのチームもシードで4/8(土)〜のセミファイナルから登場なので、少しは身体を休めて臨めるのはかなり大きいですね。怪我も軽傷であればいけるでしょうか。無理は絶対NGですが!!
富士通 vs. アランマーレ Game 2(ほんのちょっと)
中村選手不在でテミトペ選手がずっと出場してたのが印象的。(経験させるということもあるのかな)
同選手のローポでもらった時の判断。攻め切るのかディフェンスが寄ってきているからパスアウトするのか、そこが今後かなり重要だと思う。
2Qになって無理な攻めはなくなったが、インサイドからのパスアウトで外のシュートが決まってこないと中々乗れない。そうなってくるとディフェンスの成功。
後半から徐々に点差が開き始めて、アランマーレのクンバ選手が出てきた時のほうが逆にテミトペ選手にはヘルプが寄らなくなり、やりやすそう。
4Qテミトペ選手が下がった後はノーセンターで。オールスイッチ。それによってオフェンスもディフェンスも一気にスピードが上がったのは見応えがあった。
点差をつけて最後には全員出場、圧勝となった。
プレーオフ!
最終順位が決定しまして、対戦スケジュールはこうなったようです。
1位、2位の有利さがだいぶ大きいですね。3位以下は一発勝負なのでどこが上がってきてもおかしくないですね。
1位デンソーとしてはENEOSとはやりたくないんじゃないか(もしくはリベンジしたいか)と。個人的な印象として非常に相性が悪い気がしています。逆に4位ENEOSは初戦の一発勝負で勝てば優勝まで行く可能性高いのではないかなと。
富士通はもちろん初戦は大切(シーズン中は星をわけている)。同時に、クォーターファイナルが次の日なので、ちょっとは選手を休ませながらということも考えたい。負傷中の選手が戻ってくるかどうかによっても層の厚さが変わってくるので気になるところ。
また、まだ経験浅いので酷ですが、テミトペ選手が大きな役割を担うことになりそう。良い時よくない時が直接チームの流れに影響ある選手です。
そして、右の山こそ本当にどこが勝ち上がるかわからない。
大きなトラブルがありながらもウチェ選手をはじめとして各選手がステップアップ、奮闘してきたシャンソン。終盤少し順位を落としてしまったけど驚異的な高いディフェンス力の紡織。連携の質の高さとアンストッパブルなオフェンスを繰り広げる渡邊選手の三菱。そして今回のデンソー戦でも見られたように安定感があり、中外バランスが良いトヨタ。
(全試合観ているわけではないので「何言ってんだこいつ、わかってないコメントだな」という部分があっても何卒お許しを。あくまで個人の感想です、最近はやりの。)
最後に
もう1ヶ月しないうちに優勝が決まるとは。早いですね。
Wリーグをここまでしっかり観続けたのは初めてです。それもみなさまのコメント等のご反応を頂いているおかげです。ありがとうございます。
プレーオフの記事に関してはできる限り続けていきます。が、仕事も相変わらずなので、ハードルを足首の高さ程度に低くしてお待ちいただければと思います。
コメント