西海岸でのアウェイ3連戦から戻り、ホームでのアトランタ戦。ハードスケジュールだった6月の最後の試合です。
試合前ニュース
ミスティクス
ロスターとしてはデレダン選手が出場。アウェイ2試合を含む、3試合連続の出場で、今後は出場頻度を増やしていくような記者さんからのツイートがありました。
また、昨日エビナ・ウェストブルック選手と7日間契約を結んだというニュースが流れました。2022ドラフトでシアトルに指名された後ミネソタでプレーし、カットされていた選手です。183cmのガードでどちらかというとSG。名門コネチカット大学出身で、シーズン前に怪我をしてミスティクスの施設でリハビリ中のクリスティン・ウィリアムス選手と大学ではチームメイトでした。
(色々考えていくと、このクリスティン・ウィリアムス選手を残す予定でチーム作りをしていたのかなと個人的に思います。怪我をしてしまい計画がずれ、今のような少し偏ったロスター)
オールスターのリザーブ発表
各チームのコーチが選んだ(ガード3名、フロントコート5名、ポジション関係なく4名の計12名に投票。自身のチームの選手には投票不可)WNBAオールスター2022のリザーブ選手が発表されました。
ミスティクスからはアトキンス選手が選出。デレダン選手、クラウド選手が入る可能性あるかと思っていましたが、もれた形となりました。
約20年齢が離れた選手がいるというのがあらためてすごい👏
今後は、各チームのキャプテンがドラフト形式で自身のチームのスタート選手を最初に、その後リザーブ選手を12名の中から選び、オールスターの2チームが完成。7月2日15時(日本時間7月3日早朝4時)に現地ではESPNが放映するようですが日本では見られなさそうでしょうかね。
ちなみに本日の相手、アトランタからはルーキーのライエン・ハワード選手がリザーブで選ばれています👏
備考
試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。
試合の流れ
スタートは(敬称略)
G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン
1Q
最初に1本アトランタに決められた後、ミスティクスのオフェンスはフィールドゴールが続けて入らないスタートだったが、デレダン選手のフリースローから落ち着き、オースティン選手のプットバック、クラウド選手、アトキンスの連続スリーで10-0のラン。タイムアウトを間に挟んだその後もまたクラウド選手、クラーク選手のスリー。ディフェンスのずれをよく見てパスを展開している。
ディフェンスではハワード選手にはクラーク選手がビッタリマッチアップし、相手がやりたいオフェンスの形を作らせない。アトランタは同選手がボールをもらえない中、それ以外の選手がオフェンスリバウンドからのスリー2つや、積極的なドライブからスコアをしていく。
クラウド選手以外がベンチメンバーに変わるもマイーシャの積極的なアタックを中心に、とにかくシュートが入る。
最後1分を切りお互いさらにハイペースになる中、最後のプレー。残り約4秒で町田選手が相手2人を抜き去りレイアップのブザービーター。
32-20とミスティクスとしてはハイペースで1Qを終えた。
2Q
メンバーは(敬称略)
ルイ・マチダ
エレナ・デレダン
アリーシャ・クラーク
シャトリ・ウォーカー・キンブロー
エリザベス・ウィリアムス
ミスティクスのオフェンスは点差からくる余裕からか、ターンオーバーや一発狙いのパスへの相手のディフレクションが増える。(ディフレクションはこちら)
そこからアトランタは勢いにのりオフェンスで何本か続けて決めるも、アトキンス選手のディフェンスで相手のターンオーバーを誘い、勢いを断つと、オースティン選手のポストプレー2連発(うち1つはAnd1)のオースティンタイム。
オフェンスでは相手のサイズアップしたディフェンスに多少苦しむも、交代で入ってきたハインズアレン選手が継続してスコアに絡む。さらにアトキンス選手が右コーナーから連続スリー。続いてクラウド選手、ハインズアレン選手のドライブと久しぶりのホームで気持ち良いオフェンスが繰り広げられた。
52-32でハーフタイムへ。
3Q
開始は(敬称略)
ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャキーラ・オースティン
デレダン選手はここまでフィールドゴールがなかったが、ここからエンジンがかかったか、得意のフェイクからのバンクシュート、ドライブからファールをもらうなど、連続得点。絶好調クラウド選手のスリーを間に挟み、その後もデレダン選手のところで執拗に攻め続ける。
アトランタは3Q開始直後はベースラインドライブからのオフェンスでスコアが続いた後はゴール下が単発で決まるに止まり、ミスティクスの集中力の高いディフェンスが効いていた。
メンバー交代がありオフェンスの流れが止まるも、キンブロー選手、アトキンス選手、そして町田選手のスリーが連続で生まれる。クォーター最後には新加入のウェストブルック選手も登場した。
73-49でさらにリードを広げ4Qに。
4Q
メンバーは(敬称略)
エリザベス・ウィリアムス
ルイ・マチダ
エビナ・ウェストブルック
シャトリ・ウォーカーキンブロー
マイーシャ・ハインズアレン
両チームともにベンチメンバーがメインのクォーターとなった。
アトランタはマッチアップゾーン。それに対してミスティクスは落ち着いたパス回しから、ハインズアレン選手のダイブ、ウェストブルック選手、キンブロー選手のコーナースリーが続く。さらにサイズが小さくなった相手に対してオースティン選手がゴール付近でファールをもらう。
アトランタもゴール下にボールを集めてじわじわと点を重ね、ディフェンスでは時間消化のために足が止まったミスティクスにアグレッシブなディフェンスで、ミスティクスのターンオーバーを誘発する。
タイムアウトを入れたその後はウィリアムス選手のポストプレー、フリースローで落ち着く。ディフェンスではファールがかさみフリースローを与えてしまうも大きな点差は詰まることなく、92-74で試合終了。
1Q 32-20
2Q 20-12
3Q 21-17
4Q 19-25
気になったこと
スタッツから
フィールドゴール確率:ミスティクス 28-66(55.2%)、相手 32-58(42.4%)
スリーポイント確率:ミスティクス 15-25(60.0%)、相手 5/20(25.0%)
アシスト数:ミスティクス 24、相手 19
ベンチポイント:ミスティクス 36、相手 37
スターターポイント:ミスティクス 56、相手 37
- フィールドゴールの値が普通ではないですね。アシスト数も多くパスが回っていた証拠です。
- ベンチポイントはどちらも互角ですが、スタート選手の得点の差、つまりスタートの選手をディフェンスでよく抑えたというかなと思います。
- それ以外のスタッツはほぼ互角などで割愛します。
ディフェンス
相手の勢いをぶった切るディフェンスが印象的でした。特に上3人の個人ディフェンスがとにかく目立った。アトランタが仕掛けてくる上の選手の1on1を個人ディフェンスレベルで抑えていました(それを支えるチームディフェンス)。ほぼすべてのポジションにおいてサイズで上回っていたのも、有利に抑えられた理由の一つでもあるようです。
オフェンス
とにかくシュート確率がよかったのはそうなのですが、しっかりと確率の高いオープンなシュートを選んでいるのもあります。アトランタがフルロスターではないこと、復帰間もない選手がいてコンディションが悪いことも影響しているのか、ディフェンスが以前戦った時より強度が落ちた印象です(前の試合を見返す必要ありですが)が、ミスティクスはしっかりとディフェンスの寄りを見て、慌てることなる対応していました。特にオースティン選手のパスミスが少ないのがすごいなと思っています。ヘルプに寄られても落ち着いて対応しています。
デレダン選手は毎試合のことながらディフェンスを引きつけてくれますし、クラウド選手は何もないところからプレーを生み出してくれるし、アトキンス選手はタフショットをひょいっと決めてくれるし。この核となる安定的なスタッツを残す3人に加えて、他の選手が貢献した試合だったと思います。ディフェンスが他の選手に寄ったところをうまく応えたみたいな。こうなると強いですね。
起用、ウェストブルック選手
大差がついたため全選手出場、全員得点(相手チームも含め)という試合でした。
1Qの終わりと2Qの始まりの町田選手を含む選手起用が前回アウェイで勝利したラスベガス戦と一緒でした。なんとなくティーボコーチの中でこれがうまくいったという感触があるのかもしれないですね。それ以外にも色々な選手の組み合わせを試せたでしょうか。
ウェストブルック選手との契約から、チームとしてはクラウド選手を休ませるための選手を探しているようで、言い方は悪いですがそこまで派手な活躍をしなくてもいいからクラウド選手をベンチに下げられればいいと思っていそう。ウェストブルック選手はゴリゴリいくタイプでもなく派手なプレーはないですし、ディフェンスの強度が高い相手とやったらどうかな、という印象を受けたので今後どうなるか分からないですが、ただ7月は試合が少なくて7日間契約だと次の試合が最後なんですね😓練習と次回のコネチカット戦でのパフォーマンス次第でしょうか。(同じ選手とは3回まで7日間契約可能)
7日間契約等のルールはこちらより。
町田選手
20分出場
5点(FG 2/3、3pt 1/1)、1リバウンド、5アシスト、2スティール、3ターンオーバー
苦戦する試合が続きましたが、すべての心配を晴らすようなご活躍でした。
出て最初にボールに絡んだプレー(ハインズアレン選手とのピックプレー)で、相手がアンダーではなくファイトオーバーで対応してきたのでドリブルでアタックし、クラウド選手のスリーを演出しました。あのアシストから積極的ないい流れができたように感じました。
残り時間4.2秒からのフルコートプッシュで2人を抜き去ったのも相手をよく見て、相手の大きい選手をスクリーンにして抜いていきました。そしてハインズアレン選手のパスからのスリーもありました。コーナーからは初めてだったと思います。
ディフェンスでは相手の170cmPG、マクドナルド選手とやり合っていました。つき方を指摘されている(左利きの相手に対して右側に抜かせろとハインズアレン選手が後ろから言っていた)場面もあり、そこは事前のスカウティングでチームのルールとしてあったと思われるので気をつけたいところです。
あとはオフェンスのエントリー時ですね。以前から町田選手がPGをやる時は狙われがちなエントリーパス(というか誰がPGをやっても、ある決まったプレーをするからここにボールを入れるとなったらそりゃあディフェンスとしてはスティール狙うの)のスティールと、キープしているボールのスティールがありました。今後さらに信頼を得るためにも気をつけたいところです。
今日の試合を見ていて町田選手に必要なのは自信だと思いました、メンタルですね。積極的な気持ちでシュートを打てば入るし、積極的なプレーが続けばご自身も乗ってきてさらにいいプレーにつながると思いますし。
最後に
久しぶりの快勝、ツイッターのタイムラインも幸せなコメントで溢れてよかったです😌アトランタには間違いなく得意意識が確立されたような気がします。
これでミスティクスは13勝9敗で、変わらず5位です。
ツイートもしましたが、ミネソタの168cmPGのモライア・ジェファーソン選手のトリプルダブル、相手チームのルーキーのヒルモン選手のシュート100%のオフェンスとデレダン選手へのナイスディフェンスなど、スター選手ばかりではなくこういった普段取り上げられることのないような選手が活躍して嬉しい気持ちになりました。
さらに毎日のことで取り上げられなくなりましたが、オースティン選手やアトランタのハワード選手はルーキーながらスタメンとしていつも戦って、安定した活躍をしています。
長年リーグを引っ張ってきた選手たちが引退していく一方で、こういった若い選手が活躍していくのは寂しくもあり、嬉しくもあり、これからもWNBAは競争が激しい世界であり続けるんだなぁと感じました。
6月がこれで終わり、私も実は乗り切ったとホッとしています😂これからは落ち着きつつ、昨日みたいに何か面白いトピックがあれば取り上げていこうと思います!
次回は強豪コネチカット戦です!前回の様子はこちら。とにかく強い、と思った記憶があります。(おおまか😂)
本日もお読みいただきありがとうございました!
これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊
https://wnba-japan.com/category/戦評
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