ミスティクス 7/7 アトランタ戦の戦評(なんてタイトルつけてみる)

Swish 戦評
この記事は約14分で読めます。

コネチカット戦の惜敗から3日後、またしてもアトランタとの試合でした。同カードはこれまで今シーズン3-0という勝敗で、得意意識のある相手。オールスター休み前に気持ちよく終わらせるため、勝っておきたい試合でした。

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試合前ニュース

ミスティクス

デレダン選手は出場。前回の試合(タイブレークがかかったコネチカット戦:惜敗)と天秤にかけ、こちらの試合を取ったと言われていました。

また、1度目の7日間契約が切れたエビナ・ウェストブルック選手と2度目の7日間契約の締結が発表されました。これを含まずあと1度7日間契約を結ぶことができます。それ以降に同選手とミスティクスが結ぶ場合はシーズン終了までの契約を結ばないとならない決まりがあります。

詳細はこちらからご覧ください。

相手チーム:アトランタ・ドリーム

今年アトランタで10年目(2012~)のヘイズ選手。特にその細身から繰り出されるドライブが得意で、スリー、プルアップなどなんでもできる、左利き選手。ハワード選手が加入する前はエースとして活躍していた選手です。(ちなみにこの選手も名門コネチカット大出身です)膝の怪我から復帰し、復帰戦の対ニューヨークの21点を含み、復帰後連続で2桁得点をしています。

元アトランタのウィリアムス選手(2016~2021)ともこの仲。可愛い😊

今日の試合に来場した方には、ハワード選手のオールスター出場記念トレーディングカードがもれなく配布があったようです。

6月のルーキー・オブ・ザ・マンスも受賞しもうスーパースターですね。

その他リーグニュース

ブリトニー・グライナー選手

ロシアに拘束中のグライナー選手から同選手の代理人を通じてホワイトハウスとジョーバイデン大統領宛に書いた手紙が公開されました。その内容です。

7月4日は通常であれば私たち家族ではベトナム戦争で米国軍として戦った私の父を始め、アメリカ人の自由のために戦った人々の献身を称える日です。今年は自由が私にとって全く異なる意味を持つため、そんな毎年のお祝いを考えることで心が痛みます。

様々なことに対処していることは理解していますが、私や他のアメリカ人の拘束されている人たちのことを忘れないでください。私たちが家に帰れるよう出来ることをすべて行なってください。私は2020年に初めて投票し、あなたに投票しました。あなたがすることを信じています。私にとって自由になることでやれることは多くあり、あなたの力がその自由への手助けになります。

ワイフに会いたい!家族に会いたい!チームメイトに会いたい!彼女たちが本当に苦しんでいることがわかり、それが辛いです。私が家に帰るために出来ることは何でもいいのでしていただけたら有り難く感じます。

ロシア側では彼女の解放が延長につぐ延長となっていて、アメリカ側では出来ることはなんでもやっているという情報しかなくて、進んでいるのかという気持ちしか正直生まれないこの一件。ふとした時に普通ではない状況でシーズンが進んでいると思わされます。

スカイラー・ディギンススミス選手がトレード!?

そのグライナー選手が所属するフェニックス・マーキュリーがディギンススミス選手のトレードを画策しているというニュース。

今シーズンは話題に尽きないという言い方は失礼かもしれませんが、最後まで波乱のシーズンを迎えているフェニックス。チャールズ選手とのバイアウトに続きディギンススミス選手のトレード。次シーズンのドラフトに備えるということとは思いますが、なんだかですね…。同時に、シーズン序盤の試合中の言い争いや、最近のオールスターのこと、背景や理由はなんとなくわかってしまうのも事実です。

ちなみに今シーズンのトレードの締め切り期限は日本時間7月16日朝9時です。それまでにトレードがなければ今シーズンはトレードが発生しないということです。

一体どうなるんでしょうか。今後のチームとしての精神状態にもよくなさそうですね。

今日は試合以外が多くなってしまいました💦

備考

試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。

Bitly
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試合の流れ

スタートは(敬称略)

G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン

1Q

アトランタはヘイズ選手が戻ってきたことで、明らかにオフェンスの選択肢が増え(さらにヘイズ選手を含むスカウティングレポートもそこまでないため)、ミスティクスとしては的を絞ることができない。その中でライエン・ハワード選手が速攻、オンボール、オフボールの少しのずれを見逃さず確率よく決めていき、さらにヘルプディフェンスがよれば味方の得点を演出する。

ミスティクスとしてはとにかく上の3人を守り、センター陣の優先順位は低く守るという決まり事のようだが、そのセンター陣のシュートも決まっていき8-0ラン。

ミスティクスのオフェンスはシュート率が悪い立ち上がりも、デレダン選手の左ローポストのオフェンスが効果的に決まり始める。そこから落ち着いた流れが生まれ、アトキンス選手の積極的なアタックからフリースローを得るなど、8-0ラン後のタイムアウト明けからはミスティクスの落ち着いたオフェンスが見られた。

ディフェンスではヘイズ選手中心のオフェンスに対応し始め、アトランタのシュート率が下がりはじめたが、アトランタのベンチメンバーがスタートメンバーと遜色ない活躍を見せ、同様にミスティクスもハインズアレン選手、ウィリアム選手、キンブロー選手がの存在が光った1Qの終盤となった。

20-20の同点で2Qへ。

2Q

メンバーは(敬称略)

ルイ・マチダ
エレナ・デレダン
エリザベス・ウィリアムス
アリエル・アトキンス
シャトリ・ウォーカーキンブロー

ミスティクスのシュートが入らない時間帯にアトランタはヘイズ選手、マクドナルド選手が早い流れからスコアを重ねていく。ミスティクスの良いハーフコートディフェンスは継続されていたが、ファールがこんでしまい、フリースローを与えじわじわと得点されていく。

中盤はクラウド選手のミスマッチをついたドライブを中心に流れを作っていき、デレダン選手のミドル、スリーも生まれたと思えば、アトランタのフォワード陣のドライブと両チーム急にスコアが動き始めた。

アトランタのヘイズ選手の1on1にミスティクスが対応。クラウド選手、クラーク選手の個人ディフェンスと、それを支えるヘルプディフェンスもうまく連携が取れ、平均失点リーグ1位のディフェンスを見せつけた。

2Qだけで見ればアトランタのFGを4/16に抑え、リードに成功し41-36でハーフタイムへ。

3Q

開始は(敬称略)

ナターシャ・クラウド
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャキーラ・オースティン

アトランタの強力なスコアラー陣(上ポジションの3人:誰が出ていても)は防いでいるが、そちらに引き付けられたディフェンスの隙をつき、センター陣が引き続き奮闘。ポストプレーやあいたところのミドルなどでつないでいく。

3Q序盤は点数がスローな展開だったが、ミスティクスはウィリアムス選手のオフェンスリバウンドからクラーク選手のスリーが出ると、デレダン選手のミドルなどで、点数を重ねていく。

ミスティクスはディフェンスでは大部分において集中が継続していたが、アトランタにオフェンスリバウンドを取られた後の緩みやオフェンスのターンオーバーからの速攻をくらうなど、集中がきれた時に点数を取られてしまう場面が見られた。

前半から積極的なオフェンスをみせていたクラウド選手の1on1が後半も効果的で、ディフェンスがヘルプに寄らざるを得ないことからデイフェンス3秒をひきだすなどの好影響も見られた。

点数的には互角の展開が続いたが、最後にキンブロー選手の思い切りの良いドライブ、時間がなくなるところでハインズアレン選手のドライブが成功し、58-54で最終クォーターへ。

4Q

メンバーは(敬称略)

ルイ・マチダ
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
マイーシャ・ハインズアレン
シャトリ・ウォーカーキンブロー

町田選手のドライブやキンブロー選手の3点、そしてアーリーから町田選手がディフェンスを引っ張りハインズアレン選手のダイブで4Qを7-2でスタート。

その後中盤は少し落ち着いた展開に。アトランタは引き続きセンター陣が主に引っ張り、ミスティクスはクラウド選手のドライブ、ハインズアレン選手がポストプレーとバランス良く点数を重ねていく。

ミスティクスのオフェンスで24秒が危なかったところ、デレダン選手のスーパースリー、さらに次のポゼションでゴール下のツーと同選手が連続でスコア。

タイムアウトをはさみ、その後には同じく時間のないところでクラウド選手のスリーと最後の最後にミスティクスのオフェンスが爆発しリードを広げる。

フラストレーションをためたヘイズ選手がテクニカルを取られ、この辺りでアトランタの選手たちの集中力は切れてしまったように見えた。

4Qだけを見ると27-12と大きく差をつけ85-66で試合終了。

1Q 20-20
2Q 21-16
3Q 17-18
4Q 27-12

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気になったこと

スタッツから

フィールドゴール確率:ミスティクス 31-63(49.2%)、相手 26-62(41.9%)
スリーポイント確率:ミスティクス 7-20(35.0%)、相手 0/12(0%)
フリースロー確率:ミスティクス 16/23(69.6%)、相手 14/17(82.4%)
ターンオーバー:ミスティクス 9、相手 15
アシスト数:ミスティクス 13、相手 15
ベンチポイント:ミスティクス28、相手 26
スターターポイント:ミスティクス 57、相手 40

  • 相手のスリー0本が目立ちますね。とにかく外の選手には点をやらん、という方針がはっきりと見えた試合でした。スリー0本というのもあり全体で66点というのはかなり低く、ディフェンスが良かったことを数字として表しています。
  • ツーの投試数や確率を見ると、センターにはやらせてよし、ドライブはまださせてよし、ということだったと思われます。
  • ミスティクスのスリーやフリースローも決していいとは言えませんが、それを上回るディフェンス力と、4Qのスリーが効いたようです。
  • 他にもターンオーバーの数や相手スタート選手の得点の低さなどを見ても、ミスティクスがゲームプラン通りに遂行できていたように見受けられます。

ディフェンス

シーズン序盤のことを考えると、オフェンスが悪い時にもディフェンスがつられて集中を切らしてしまう、という展開が最近ほぼなくなっているように感じます。試合前に記者さんたちが上げてくださっていたティーボーコーチ、相手のライトコーチのコメントにもあったように上3人の最強ディフェンスはもちろん、それ以外の2人や、ベンチから出てくるメンバーも同じようにチームの決まり事やスカウティングレポートに沿ってディフェンスをしていたようでした。よく見ると本当に徹底していて、身体的なディフェンススキルと同時に相手の得意な部分をずっと潰していたり、即座に判断したりしています。個人ディフェンスもチームディフェンスもかっこよい。

また、今日はアトキンス選手が早い段階で4ファールでしたが、ティーボーコーチが彼女を信頼して出し続けていたのが印象的でした。アトランタはアトキンス選手につかれている選手中心にアタックする場面もありましたが、相変わらずのグッディー(ファールしないよう少し控えめ)で終盤までファールすることなく貢献していました。

スタッツの部分にも書きましたが、とにかく上3人を守り切ったという感じの試合となりました。

オフェンス

デレダン選手の安定感ったら。よーく見ると細かい部分でもパスフェイクとかしていますね。基本に忠実だし、何度も書いている気がするけど駆け引きが本当にお上手です。ある時はねじ込むし、ある時はそれがポンプフェイクだったりするし。相手からすればナイトメア。

また、コネチカット戦でも見られたクラウド選手の1on1が今日はより積極的に見られました。ディフェンスの寄りも見ているし、それがまたフェイクにもなっているし。もちろん相手にもよりますがオフェンスの1つのパターンとしてこれからも見たいですね。

6月中はやはりみんな疲れていたように感じます💦 最近は意識的にテンポを上げていることもあると思いますがさらに疲労がそこまでないのもあるのではないかなと。

今日みたいに交代もうまく回る、バランスよくスコアする、(これってどちらが先なんだろう🤔)という展開だと試合の流れも好循環になりますね。

選手起用

今日は4Q序盤の今シーズン初めて?!の5人の組み合わせが出るなど、前回のコネチカット戦とは異なるメンバー交代が見られました。

その理由や背景を考えるとアトランタが何度か試合してきた相手だったこと、サイズがそこまでないのがあるかなと思います。上にも書いたけどこれぐらい交代をできるとスタート選手のさらなる活躍にも繋がりますし、本当はこちらが理想ですよね。

ちなみにその時は(敬称略)マチダ、キンブロー、クラーク、デレダン、ハインズアレンという5人だったのですが、こうなるとミスティクスオフェンス時に相手のセンターが外に出ざるを得なくなるので中にスペースが生まれ、ドライブがしやすくなります。(オースティン選手、ウィリアムス選手が出ている場合はスリーがないのでスペースが少なめ)

オフェンス力はアップするけどやはりディフェンス、リバウンドは下がるので相手をみての起用になると思いますが、面白い組み合わせだと思いました。

町田選手

11分出場、2得点、1リバウンド、3アシスト、1スティール、1ファール

積極的で良かったですね。アトランタ戦はご本人もやりやすく感じているのではないでしょうか。マッチアップの相手が小さい選手でリーチが長くないというのがあるかもしれないですね。あとはあまりアトランタがディフェンスでの駆け引きをしないというのか、がっぷり守ってくるからやりやすそうな気がします。

ディフェンスが寄っていないのにパスを選択されるシーンがあり、もうちょっと粘っていいのになと個人的に思っていましたが、アーリーで1人で持ち込んでからのアシストや、1人で粘りキンブロー選手のバックカットなどが生まれるなど、やはり攻めないと生まれないなということがハッキリと出ていましたね。

コーチやデレダン選手からの評価のコメントもあり、継続して積極的さをみせて、いい部分を発揮してほしいです。

Bitly

最後に

これでミスティクスは14勝10敗。変わらず5位です。

次回は今週末のオールスターを挟んで、日本時間7/13 (水)昼11:30から、いつの間にかすぐ下の6位に浮上しているロサンゼルス・スパークスとのアウェイでの試合です。

ここ7試合で5勝2敗と好調で、ミスティクスは6/22に惜敗しています。詳細はこちら。

センター陣が強力なのでスモールラインナップは難しそうですかね。誰もがフレッシュな状態でコートに立てるようまた選手交代を行なってほしいなと思います。この試合の2日後にはフェニックスで試合、その3日後にはホームでミネソタ戦がありますし(またプチタフスケジュール)。

ロサンゼルスとはこの後にシーズン終盤にもう1試合ありますが、苦手意識を作らずにここで倒しておきたいところです!前回やられたネカ・オグミケ選手へのマークに注目です。

また、今週末のオールスターの詳細はこちらです。

※土曜のスリーポイントコンテスト、スキルズチャレンジがしれっとリーグパスにも掲載されていたので、配信するようです。誰が参加かはまだ分からないですが、オールスター本戦出場選手の中から選ばれると思われます。なんか情報が全然出てこないですね。これからかな・・・

本日もお読みいただきありがとうございました!

これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊

https://wnba-japan.com/category/戦評
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