本日は2時から試合がたくさんありました。
先日のミネソタの最後の「ホームゲーム」に続き、同チームのプレーオフ進出がかかった試合、つまりファウルズ選手が引退をかけた試合がミネソタのアウェイのコネチカットであり、
ニューヨークvs.アトランタの同じくプレーオフをかけた試合、
ミスティクスと同じ時間帯には、共に強豪のシアトルvs.ラスベガス。そしてシカゴvs.シーズン開始から代表レベル選手が5人いなくなっているフェニックス。この2試合はシカゴとラスベガスの第一シードを決める重要な試合でもありました。
そして最後にシーズン終盤に完全に別チームと化しているダラスvs.ロサンゼルス。
最後の試合は疲れてしまって観ていないけど、それ以外はちらっとは観て、感情があちこち行っていました。なんだか緊張づかれしてしまった。(ただの寝不足かも)
試合前ニュース
ミスティクス
前回の試合に引き続き、マイーシャ・ハインズアレン選手が健康安全プロトコル入りで欠場です。検査で陰性が1回出たようです。あと1回陰性が出れば出場できるので、プレーオフ1回戦にギリギリ間に合うかどうかというところだと思います。休んでいる間は動けないと思いますのでコンディションの面では何も影響がないとは言えないですが、大事に至らないで良かったですね。
相手チーム:インディアナ・フィーバー
これまで3度の戦いで、いずれもミスティクスが勝利しています。
今日の試合を含めず17連敗中で5勝30敗と、厳しいシーズンを過ごしています。ロスターにはルーキーが7人おり、超若いチーム。能力のある選手は多いので、来シーズン以降の飛躍を期待したいと思います。
インディアナはずっと弱いわけではなく、2012年は優勝したチームです。その時のチームは思い返してみればミスティクスのように超ディフェンシブで、粘り強いチームで大好きだったのを覚えています。今年引退するシアトルのジャニュアリー選手はこのチームの一員でした🥲
その他ニュース
時系列が前後しますが、今日の試合を踏まえてプレーオフに進出する8チームが出揃いました。
残念ながら最後まで可能性を残し戦ったミネソタ、シーズン序盤は健闘しリーグ全体を驚かせていたアトランタは今日でプレーオフに進めないことが決定しました。
ずっとこの話ばかりで恐縮ですが、ファウルズ選手の引退試合となりました。最後には同選手を称えるために交代となり、アウェイですがスタンディングオベーション。リーブコーチとも長いハグ、他の選手ともコート上での最後のハグを行いました。(ホームのバージョン、アウェイのバージョンを何度見ても泣ける😭)
最後の試合でも10点12リバウンドのダブルダブル、シーズンではリバウンドとフィールドゴール%で2冠。最後まで「Dominant:支配的」なセンターでした。
そしてアトランタからも。ニューヨーク、フェニックス等(ミスティクスにも2013〜2016に在籍)であわせて13年プレーしたキア・ボーン選手が試合後に引退を発表されました。
「バスケットボール。
この世界のなにごとにも取り替えられないものです。
教えてくれたこと全て
これまでしてくれたこと全て
私に与えてくれたもの全てに
ありがとう。
永遠に感謝しています。」
ファウルズ選手やバード選手のようにシーズン前に引退を発表する選手もいれば、シーズン前には発表せず、シーズンが終わってから発表される選手もいます。
日本でもそうですが、前か後か。応援する側としては感謝をしたいし最後にもっと見たいから「前」にしてほしいワガママ心がありますが、選手としてはシーズン前はまだ決めかねていたり、価値観としてされなかったり、謙遜があったり、色々ですね。考えさせられます。
WNBAでのキャリアはファウルズ選手は15年、ボーン選手は12年。そのうち全てではないですが海外リーグでやファウルズ選手は代表でもプレーし、身体を酷使するお仕事で、それ以外のことを犠牲にしてきた人生だったと思います。長く激しい戦いお疲れ様でした。
備考
試合の流れの中でのスコアの記載についてはミスティクスのスコアを先に書いています。例えば80-65だったら80がミスティクス。
試合の流れ
スタートは(敬称略)
G ナターシャ・クラウド
G アリエル・アトキンス
F アリーシャ・クラーク
F エレナ・デレダン
C シャキーラ・オースティン
1Q
インディアナはディフェンス、オフェンスともに気合いの入った試合の入り。ディフェンスはスイッチ、ダブルチームなど早い判断からの早い動き、オフェンスでは積極的なアタックが続いた。
ミスティクスは序盤はデレダン選手中心のオフェンスを展開。アトキンス選手のスティールからクラーク選手の速攻、そしてクラーク選手のスキップパスからアトキンス選手のスリーでが出ると、ホームコートの雰囲気も相まり徐々にミスティクスの流れになる。
そこからディフェンスが締まり、相手をスローダウンさせ、31-27で2Qへ。
2Q
メンバーは(敬称略)
ルイ・マチダ
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャトリ・ウォーカーキンブロー
エリザベス・ウィリアムス
(先日と同じ)
デレダン選手がスリー、フリースロー4本と点数を重ねていく。アトキンス選手がオフェンスのプレーが崩れた後に個人スキルからAnd1を沈めればオースティン選手も早い展開から身体能力の高さを見せたバンクシュート。
ディフェンスでは序盤にビクトリア・ビビアン選手に2連続でスリーを決められるものの、個人、チームともに高いレベルのディフェンスが続きフィーバーのオフェンスを機能させない。
早い展開からクラウド選手のドライブ、デレダン選手のプルアップなどで点数を重ね、57-40と点差をつけて2Qを終了。
※クラウド選手がドライブの際に膝を痛め、試合の残りは休むことがハーフタイムに発表されました。
3Q
開始は(敬称略)
ルイ・マチダ
アリエル・アトキンス
アリーシャ・クラーク
エレナ・デレダン
シャキーラ・オースティン
デレダン選手が引き続き良いタッチでミドルを決めると町田選手もプルアップで続く。町田選手は前回に引き続きヘンダーソン選手にディフェンスでプレッシャー続けフラストレーションを与える。
残り2:30頃にウェストブルック選手も登場。ブロックをみせ会場も盛り上がる。キンブロー選手も続けてスリーを沈め、78-63で最終クォーターへ。
4Q
メンバーは(敬称略)
シャトリ・ウォーカーキンブロー
アリーシャ・クラーク
ティアナ・ホーキンス
エリザベス・ウィリアムス
エビナ・ウェストブルック
相手の2-3ゾーンに対し、ハーフコートオフェンスには苦しむもキンブロー選手がスティールからワンマン速攻で得点。さらにメンバーの交代後もディフェンスから速攻につなげるなど、余裕のある試合内容。
残り4分でオースティン選手以外のスタートを下げ、最後には新加入のジャズミン・ジョーンズ選手も登場し、最後は95-83まで点差は縮まったが、ミスティクスがレギュラーシーズン最終戦を勝利で飾った。
1Q 31-27
2Q 26-13
3Q 21-23
4Q 17-20
デレダン選手試合後インタビュー
(調子が悪かったLA戦は)自分のシュートを意識する良いきっかけになった。
(武器となっているチームディフェンスについては)クラーク選手、クラウド選手が毎日練習でディフェンスのコツを教えてくれ、そういったことがチームの良いディフェンスにつながっている。
気になったこと
スタッツから
- 1Q(特に序盤)に点数を取られすぎていましたが試合が進んでいけば誰が出場しても相変わらずのディフェンス力でした。相手のシュート数51本はだいぶ少ないです。
- ターンオーバーがミスティクスは11と少なく、インディアナは19と多く、アトキンス選手、キンブロー選手、町田選手がそれぞれスティールを3、5、4本と素晴らしいディフェンス力でした。
- 勝ち負け関係ないのでもう少しベンチメンバーを出すかとも思いましたが、一回戦に向けての感覚も大切にしたかったようで、特にデレダン選手からは出続けたいと申し出があったようです。
- クラーク選手のターンオーバーが最近ちょっと気になります(今日は4)。不用意なパスが多い気がしています。プレーオフ一回戦は古巣との対戦。シアトルで優勝をしている選手ですので思い入れが強いと思います。活躍を期待しています。
ディフェンス
ゲーム開始のインディアナの集中と勢いから点数を許していましたが、上でも書いた通り落ち着いて対応していきました。
プレーオフではスタートから重要なので、ビハインドになって大きく追う展開にならないようにしたいところです。特にミスティクスはスリーポイント確率があまり高くなく爆発力があるわけではないので。
オフェンス
インディアナが何度か2-3ゾーンをしいていましたが、ある程度対応しました。他のチームとは完成度が違うようなので比べることはできませんが、良い準備となったのではないかと思います。
デレダン選手がいない時、さらに今日後半はドライブができるクラウド選手もいなかったことから、マンツーに対してもリズムが悪い時が続いたのは気になります。結局シーズン最後までそれが課題として残ってしまった感じです。
でもここまで来たら何も小手先の対応はできないと思うので、あとは気持ちの面で、集中力や準備、自信などで戦ってほしいです(「勝ってほしい」とは言えない、、ミスティクスにもシアトルにも勝ってほしいので…複雑😵💫)
町田選手
21分出場、3点(1/3)、1リバウンド、6アシスト、4スティール、1ターンオーバー、2ファール
本日も個人ディフェンスが光りました。相手PGヘンダーソン選手は今日も嫌がってフレストレーションを溜めていました。175cmのSGミッチェル選手とマッチアップしねじ込まれる場面もありましたが、ローテーション等も速さ、対応を見せていました。
高めのスクリーンからのフリースローラインあたりでのプルアップはよかったですね。これまで取り組んできたことがレギュラーシーズン最後に出て、素晴らしいです🙌
ティーボーHCもこういったコメントをされています。
※ブヨと訳されていますが、やっかいな存在という意味で比喩的にも使われる単語でもあります。また、ジョン・ストックトン氏はNBAのユタ・ジャズに所属していたレジェンドPGで、歴代アシスト記録を持つ選手。同チームにいたフォワードのカール・マローン選手と一緒にあのマイケル・ジョーダンのブルズのライバルチームでした。ストックトン選手は決して身体能力は高くなく小柄ですが、その粘り強さや球際の強さでディフェンスにも定評があった選手です。
最後に
ミスティクス、プレーオフに向けて
まずはレギュラーシーズン36試合お疲れ様でした。
プレーオフは最短を考えるとあと2試合、最長でファイナル最終戦まで行くと9月20日まで。だいぶ差があります💦
シアトルとはベストオブ3形式で、シアトルで2試合、そしてそれが1勝1敗だった時に限りワシントンで一回戦の最終戦が行われます。
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プレーオフ一回戦vs.シアトルの試合の日本時間のスケジュールは:
第一戦:アウェイ 8/19(金)11AM〜
第二戦:アウェイ 8/22(月) 5AM〜
第三戦:ホーム 8/25(木)時間未定(1勝1敗の場合のみ)
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ミスティクスとしてはクラウド選手の怪我の状況が心配なところです。明日にでも検査結果などが発表されると思いますので、祈るのみです。ハインズアレン選手も無事戻ってくることを願います。
相手のシアトルとは今シーズン、ミスティクスの1勝2敗です。内容を振り返りたい方はこちらから。
もし勝ち上がれば、ミスティクスにとってはちょっと有利ではあるかもしれません。ラスベガスが今日の試合で第一シードとなり、勝ち上がると同チームとの2回戦になります。ご存知の通りラスベガスには今シーズン全勝していますから💪🔥
一回戦でのアップセット(下位チームが上位チームを破ること)があるとしたらシアトル-ミスティクスのところか、コネチカット-ダラスのところかなと。ダラスは終盤の上り調子が怖い存在だと思います。(それ以外も本当は期待したいけど😆)
プレーオフフォーマットの詳しい説明についてはこちらを参照ください。
選手、コーチ、各チームはこのプレーオフを目指して、優勝を目指してこれまで練習し、戦ってきたんですよね。当たり前なんですが、その期間はすぐ終わってしまうと考えると、寂しい気持ちも大きいです。
先ほど引退選手のことを書いた時にも触れましたがかなりの犠牲(身体も時間も)を払っていると思うんですよね。そのかけてきたものが数試合で終わることもあるって、なんとも表現し難い世界。
でもだからこそその短いプレーオフをさらに楽しみたいと思います!
ではまた次回🙇🏻♀️今回もお読みいただきありがとうございました。
これまでの戦評のようなものはこちら。振り返りたいかたはご覧ください😊
https://wnba-japan.com/category/戦評
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